ナラボー平原の浅い溝は、地下の洞窟のしるしだった
南オーストラリア州に広がるナラボー平原の地面には、長くて浅い溝がいくつも走っています。カーティン大学の研究チームが、この溝が地下深くの洞窟とつながっていることを新たに見つけました。研究者は、溝は「ずっと深いところにある洞窟の、地表の足あと」だと説明しています。
溝は長さが20kmにもなり、幅は数百mありますが、深さは2mほどしかありません。ナラボー平原の広さは20万平方km以上。石灰岩が何百万年もかけて水に溶け、地下には複雑な洞窟ができました。チームは衛星データのモデルと空からの写真で、地表の地形と地下の空洞の関係を調べました。このように岩が溶けてできた地形は「カルスト」と呼ばれ、氷のない陸地の約15%を占め、世界の人口の約25%に水を届けているといいます。さらに、火星にも似ているとみられる地形が見つかっています。洞窟の中は環境が安定していて放射線も防げるため、ほかの星で生命を探すなら洞窟が一番の場所だとも言われています。将来、宇宙飛行士を放射線から守る基地の候補にもなりうるそうです。
日本でも、山口県の秋芳洞のように、石灰岩が溶けてできた鍾乳洞が各地にあります。足もとの洞窟が宇宙の研究につながるというのは、スケールの大きな話です。
長さ20kmもあるのに深さは数mだけという溝が、地下の洞窟の「足あと」だったなんてワクワクします。火星にも似た地形があると聞くと、宇宙がぐっと身近に感じられますね。ナラボー平原を車で横断するときは、足もとの下を想像してみたいです。