「リンゴの島」タスマニア、消えかけた品種を守る果樹園
タスマニア州は100年にわたって「Apple Isle(リンゴの島)」として世界に売り出されてきました。そのタスマニアで、姿を消しつつある古いリンゴの品種を守る取り組みが進んでいます。舞台は、州北部の町ロンセストンにあるタスマニア大学のキャンパスで、文化遺産に登録された果樹園です。
果樹園を管理するのは、大学のタスマニア農業研究所(TIA)です。園には1800年代からのリンゴやナシの木もあり、州政府からは昔ながらのリンゴの木が140本以上届けられました。最近は、南部のヒューオン・バレーにある研究施設から、万一に備えた「保険」として11品種が加わりました。「フジ・オグラ」「フジ・ブラジル」なども含まれます。スタッフのお気に入りは、1890年代の終わりにヒューオン・バレーに持ち込まれた「コックス・オレンジ・ピピン」だそうです。果樹園は品種を残す「生きた銀行」であり、農業を学ぶ学生の屋外教室や、ボランティアが木の手入れを学ぶ地域の菜園にもなっています。すぐ隣では、A$2,000万(約20億円)の新しい栽培施設の建設も進んでいます。
日本でも青森県や長野県などでリンゴ作りが盛んで、「ふじ」は日本で生まれた品種として知られています。タスマニアで守られている品種の中に「ふじ」の名前があるのは、ちょっとうれしい発見です。
1800年代から生きている木があると聞いて、思わず会いに行きたくなりました。品種の名前に「ふじ」が入っているのも、日本人としてはうれしいですね。リンゴの木の「生きた銀行」、すてきな考え方です。