減量の注射薬を使う人、手術の前は必ず医師に伝えて
体重を減らす注射などとして使われている「GLP-1」の薬を使っている人は、全身麻酔の手術中に、胃の中のものが逆流したり、気管に入ったりする危険が、使っていない人の11倍になるという研究が発表されました。結果は、麻酔の専門誌『Anaesthesia』に載りました。
研究では、イギリスの4万7,000人以上の患者を調べ、そのうち手術の前に3か月間GLP-1の薬を使っていた約1,350人を比べました。食べ物や液体が肺に入る「誤嚥」は、命にかかわることもあります。GLP-1の薬は消化をゆっくりにするため、絶食しても胃が空にならないことがあるといいます。オーストラリア・ニュージーランド麻酔科医学会(ANZCA)は、手術前の24時間は透明な飲み物だけにし、その後6時間の絶食をすることをすすめています。研究では、約3分の1の患者が手術の1週間前に薬をやめるように言われていましたが、やめたあとも消化が遅い状態は続くため、問題だと専門家は指摘しています。医師たちは「責めたりしません。わたしたちは一緒に治療を進める仲間です」と、正直に伝えるよう呼びかけています。
日本でも、手術の前には飲んでいる薬を医師に伝えるのが基本です。オーストラリアで手術を受けるときも、使っている薬は必ず伝えるようにしましょう。
薬を使っていることを言いにくいと感じる人もいるかもしれませんね。でも、言わないことで危険が増えてしまうなら、正直に伝えるのがいちばんです。手術の予定がある人は、事前の説明でぜひ話してみてください。