日本人のためのオーストラリア情報
医療・保険 / 医療制度

公立病院と私立病院(Public and private hospitals)

ひとことで言うと

メディケア(Medicare)の対象者は、公立病院に公費の患者(public patient)としてかかれば、医療費・入院費の負担がありません。民間医療保険があれば、私費の患者(private patient)として私立病院や公立病院で治療を受け、医師を選ぶこともできます。メディケアの対象外の人は、どの病院でも私費の患者として費用を払います。

目次
  1. 公費の患者と私費の患者
  2. 費用
  3. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

公費の患者と私費の患者

オーストラリアの病院は、公立病院(public hospital)と私立病院(private hospital)に分かれます。保健・障害・高齢化省のページ(新しいタブで開く)の説明では、公立病院は連邦政府と州・準州政府が共同で資金を出し、州・準州が運営しています。私立病院は民間が所有・運営し、政府が許可と規制をしています。

病院でかかる費用は、病院の種類よりも「公費の患者(public patient)」か「私費の患者(private patient)」かで変わります。

受け方主な特徴費用
公立病院で公費の患者病院が選んだ医師が担当。退院後のフォローは病院の外来(outpatient clinic)の対象者は、医療・入院の費用がかからない
公立病院で私費の患者自分の医師を選べる。空きがあれば個室入院費・手術室の費用・医師の費用を払う。一部はメディケアと民間医療保険から出る
私立病院で私費の患者医師を選べる。予定手術の待ち時間が短いことが多いメディケア・民間医療保険・自己負担の組み合わせ

healthdirectのページ(新しいタブで開く)では、公立病院は複雑な病気や救急に対応する設備が整っていることが多く、地方では利用しやすいと説明しています。救急外来(Emergency Department、ED)と外来の多くは公立病院が担っています。

公立病院の救急外来

公立病院で公費の患者として救急外来にかかる費用は、メディケアの対象者なら負担がありません(Services Australiaのページ(新しいタブで開く))。私立病院の救急外来は料金がかかる場合があります。受診の流れは「救急外来の流れ」で説明しています。

予約入院(Booked admission)

GPの紹介で専門医にかかり、入院が必要と言われた場合、公立病院では順番を待って入院することが一般的です。これを予約入院と呼びます。専門医にかかるまでの流れは「専門医と紹介状」にまとめています。

メディケアの対象外の人

内務省のページ(新しいタブで開く)では、メディケアの対象外の人は、公立病院でも私立病院でも私費の患者として扱われるとしています。民間の保険で補償されない費用は、治療を受けたときに自分で払います。日本のパスポートで入国した旅行者・留学生・ワーホリなどは、原則としてメディケアの対象外です(「メディケアの対象者と登録」)。

費用

私費の患者として入院中に受けた医療サービスについて、メディケアは政府が定めた料金(Schedule fee)の75%を払います(2026年10月時点)。医師の請求額との差額は、民間医療保険か自己負担になります。

私費の患者の場合、メディケアは入院費(宿泊の費用)・薬・手術室の費用を払いません。民間医療保険に入っていなくても私立病院で私費の患者になれますが、多くの費用を自分で払うことになります。

手術を受ける前に、専門医に見積もりを頼み、保険会社に補償の範囲を確認してください。

ここに注意してね!

  • 民間医療保険に入っている人も、公立病院に公費の患者としてかかることができます。
  • 救急車の費用はメディケアの対象外です。州・準州で費用が違います(「救急車の費用」)。
  • 公立病院について苦情がある場合は、州・準州ごとに独立した窓口があります。保健・障害・高齢化省のページ(新しいタブで開く)から各州の窓口を探せます。
  • どの受け方がよいかは、病状や保険の内容で変わります。迷う場合は、GPや保険会社に相談してください。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

医療・保険医療制度の全体像(メディケア、公立病院、GP、民間保険、PBS)オーストラリアの医療は、公的制度のメディケア(Medicare)と公立病院を土台に、民間医療保険が上乗せされる仕組みです。ふだんの不調はまずGP(かかりつけ医)にかかり、薬はPBSで安くなります。メディケアを使えるのは主に市民・永住者・NZ市民と協定国からの訪問者で、日本人の旅行者・留学生・ワーホリは原則として対象外です。医療・保険メディケアの対象者と登録(Medicare enrolment)メディケア(Medicare)に登録できるのは、オーストラリアに住む市民・NZ市民・永住者・永住ビザの申請者(条件あり)・大臣令(Ministerial Order)の対象となる一部の一時ビザの人などです。登録はmyGovのオンラインか申込書で行います。日本のパスポートの旅行者・留学生・ワーホリは、原則として対象外です。医療・保険民間医療保険の仕組み(Private health insurance)オーストラリアの民間医療保険は、入院の保険(hospital cover)、入院以外の治療の保険(general treatment、extras)、救急車の保険の3種類です。加入は義務ではありませんが、私費の患者として医師を選ぶ、歯科や理学療法の費用を補う、といった使い方ができます。入院の保険はGold・Silver・Bronze・Basicの4段階に分かれています。医療・保険専門医と紹介状(Specialists and referrals)専門医(specialist)の診察でメディケアの給付を受けるには、GPなどからの紹介状(referral)が必要です。GPからの紹介状は原則12か月、専門医から別の専門医への紹介状は原則3か月有効です。紹介状がなくても診てくれる専門医はいますが、その場合メディケアからは何も出ません。医療・保険救急外来の流れ(Emergency Department)救急外来(Emergency Department、ED)は24時間開いていて、着くとトリアージの看護師が緊急度を5段階で判定し、重い人から先に診ます。メディケアの対象者が公立病院の救急外来にかかる費用はかかりません。メディケアの対象外の人は、私費の患者として費用を払います。医療・保険就労ビザなどの保険(OVHC、Overseas Visitors Health Cover)OVHCは、メディケアの対象外の一時ビザの人のための民間医療保険です。Skills in Demandビザ(subclass 482)や卒業生ビザ(subclass 485)など、ビザ条件8501が付くビザでは、条件を満たす保険に入り、滞在中ずっと維持します。補償の範囲は保険ごとに違うため、内務省が示す最低限の補償と比べて選びます。