処方箋と電子処方箋(Prescriptions・eScript)
処方薬は、医師などが出した処方箋がないと薬局で受け取れません。処方箋は紙か電子処方箋(eScript)で、eScriptはSMSかメールで届くQRコード(トークン)を薬局で見せて使います。薬が複数ある人は、アクティブ・スクリプト・リスト(ASL)に登録すると、トークンを毎回見せなくて済みます。
目次
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
処方箋とは
保健・障害・高齢者省の処方箋のページ(新しいタブで開く)によると、処方箋(prescription)は、医療者が薬剤師に特定の薬を出すよう書く法的な書類です。処方箋のみの薬(prescription-only medicine)は、処方箋がなければ法的に手に入れられません。
処方箋が必要なのは、副作用が重いことがある、使い方が複雑(注射など)、依存や乱用のおそれがある、などの危険が大きい薬です。例として、抗生物質、血圧や血糖などを定期的に確認しながら使う薬、インスリンなどの注射薬、オピオイドなどの規制薬が挙げられています。
処方できる人・薬を出せる人
| 役割 | 主な職種 |
|---|---|
| 処方できる | 医師、歯科医師、検眼医、ナースプラクティショナー、助産師(ミッドワイフ・プラクティショナー) |
| 処方薬を出せる | 薬剤師、医師、歯科医師、検眼医、ナースプラクティショナー、ミッドワイフ・プラクティショナー |
処方するには、国の登録などの条件を満たす必要があります。薬剤師は、有効な処方箋がなければ処方箋のみの薬を出せません。ただし、すぐに薬が必要で処方箋を手に入れる方法がない人などについて、州・準州のルールによる例外があります。
処方箋に書かれること
処方箋は、手書き、印刷、電子処方箋のいずれかです。どの形でも、次の情報が必要です。
- 処方した人の名前・電話番号・住所(必要なら処方者番号)
- 患者の名前と住所
- コンセッション(割引)の患者か一般の患者か
- 医薬品給付制度(PBS)の処方かどうか
- 薬、量、剤形、強さ、数量、使い方
- 処方した人の署名と日付
- リピート(repeats)の最大回数
リピートは、同じ処方箋で、医師に再びかからずに薬を受け取れる回数です。
成分名での処方
PBSの処方の多くは、商品名ではなく有効成分の名前で書かれます。安いジェネリック医薬品やバイオシミラーを選びやすく、海外で薬を探すときにも役立ちます。医師が「brand substitution not permitted(銘柄の変更不可)」に印を付けた場合は、その銘柄の薬が出ます。
PBSの薬と自費の処方(private prescription)
PBSの対象の薬は、処方薬の約80%です。PBSの対象でない薬の処方を「private prescription」と呼びます。この場合は薬の全額を払い、値段は薬局によって違います。民間医療保険で一部が戻ることがあります。PBSの仕組みは「薬の補助(PBS)」で説明しています。
電子処方箋(eScript)
保健・障害・高齢者省の電子処方箋のページ(新しいタブで開く)によると、電子処方箋は全国で使えます。紙の処方箋も引き続き使え、どの薬局で薬を受け取るかも自分で選べます。
healthdirectのページ(新しいタブで開く)とオーストラリア・デジタルヘルス庁の電子処方箋のページ(新しいタブで開く)によると、仕組みは次のとおりです。
- 診察のときに電子処方箋を希望すると、医師がSMSかメールでリンクを送る。
- リンクを開くとQRコードの「トークン(token)」が出る。これが処方箋になる。
- 薬1つにつき、トークンが1つ届く。
- 薬局でトークンを見せると、薬剤師が読み取って薬を出す。
- トークンを薬局に転送しておけば、受け取りの準備をしてもらえる。宅配がある薬局もある。
- 家族や介護者など信頼できる人に転送して、代わりに受け取ってもらえる。
- ほとんどの薬は電子処方箋で処方でき、ほとんどの薬局が対応している。
リピートの電子処方箋
リピートがある場合、薬局から次回用の新しいトークンがSMSかメールで届きます。次に薬が必要なときは、その新しいトークンを薬局で見せます。紙の処方箋に印刷してもらうこともできます。
トークンのSMSやメールを消してしまった場合は、最初の処方箋は処方した医師に、リピートはそれを出した薬局に、再送を頼みます。
アクティブ・スクリプト・リスト(ASL)
アクティブ・スクリプト・リスト(Active Script List、ASL)は、自分の電子処方箋と、バーコード付きの紙の処方箋をまとめたデジタルのリストです。登録すると、届いた電子処方箋が自動でリストに入ります。参加している薬局で同意すれば、トークンを毎回見せなくても薬を受け取れます。
- 登録は薬局で行う。携帯電話と、100ポイントの本人確認書類が必要(「身分証明の書類(100ポイントチェック)」)。
- リストに入れたくない薬は、医師に伝えれば外せる。
- 家族や介護者に、リストを使う権限を渡せる。15歳以上は自分のリストを自分で管理する。
- バーコード付きの紙の処方箋を受け取った場合は、法律上、紙の処方箋を薬局に持って行く必要がある。
電子処方箋は、my health appや1800MEDICAREアプリ、薬局のアプリでも管理できます。
手順
- GPなどを受診し、必要なら処方箋を出してもらう。電子処方箋がよい場合はそう伝え、携帯電話の番号かメールアドレスが正しいか確認する。診察が終わる前に、トークンが届いたか確かめる。
- 薬局に処方箋(紙かトークン)を出す。
- 薬剤師から、飲み方や注意点の説明を受けて薬を受け取る。
- リピートがある場合は、新しいトークンか紙の処方箋を保管し、次に薬が必要なときに使う。
費用
PBSの対象の薬は、の対象者なら自己負担に上限があります(「薬の補助(PBS)」)。PBSの対象でない薬や、PBSを使えない人は、薬の全額を払います(2026年10月時点)。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 処方できるのは、国の登録を受けた医師などに限られます。日本で飲んでいた薬が必要な場合は、GPを受診して相談してください。
- 薬は有効成分の名前で処方されることが多いため、日本の薬の有効成分名(英語)を控えておくと、医師や薬剤師に伝えやすくなります。
- 国の承認を受けていない薬を個人で輸入する方法には、3か月分までなどの条件があり、許可が必要な場合もあります。日本から持ち込む場合は「日本から薬を持ち込む」を見てください。
- 2025年に、一部の人がSMSで電子処方箋を開けない問題がありました。開けないときの情報は、オーストラリア・デジタルヘルス庁のサイトにあります。
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