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先住民の文化 / ゆかりの地

聖地を訪れるときの作法(Visiting sacred sites)

ひとことで言うと

オーストラリアには、先住民の伝統で特別な意味を持つ聖地(sacred sites)が各地にあります。立ち入りが禁止された場所に入らない、決められた道を歩く、聖地や人を許可なく撮影しない、が基本です。作法は土地ごとに違うため、訪れる場所の公式の案内に従います。

目次
  1. 聖地とは
  2. 見た目でわからないことがある
  3. 州・準州ごとの違い
  4. 手順
  5. 日本との違い・注意点

聖地とは

北部準州(NT)の聖地保護機関であるアボリジナル地域保護局(Aboriginal Areas Protection Authority、AAPA)は、聖地を次のように説明しています(AAPAのページ(新しいタブで開く))。

  • アボリジナルの伝統のもとで、深い意味を持つ場所。
  • 丘、岩、水場、木、平原、湖、ビラボン(三日月湖)などの自然の地形が聖地になりうる。海岸や海では、水の上と下の両方にある地形も含まれる。
  • 山のように目立つ場所もあれば、小さな湧き水のように目立たない場所もある。
  • 特定の人しか入れない聖地や、女性だけ・男性だけに限られた聖地もある。

聖地には、土地と海を旅して世界をつくった祖先の存在にまつわる物語、歌、踊りが結びついていることが多く、何世代にもわたって受け継がれてきました。聖地を守る責任は、その土地のアボリジナルの管理者(custodians)にあります。

AAPAは、聖地の木を切る、聖地の地面を掘るといった行為は、行った人にも、その場所の管理者にも深刻な結果をもたらすことがあるとしています。

見た目でわからないことがある

聖地は目立たない場所のこともあります。旅行者が見た目で判断することはできません。公園の看板・地図・案内に従い、決められた場所だけを歩くことが大切です。

州・準州ごとの違い

クオまる

州によってちがうから、住んでいる州を確認してね。

聖地を守る法律と機関は、州・準州ごとに違います。

州・準州内容
北部準州(NT)北部準州アボリジナル聖地法(Northern Territory Aboriginal Sacred Sites Act 1989)により、すべての聖地が無許可の立ち入りと損傷から守られる。AAPAが保護を担当し、聖地を傷つけた人や団体を起訴する権限がある
ニューサウスウェールズ州(NSW)各州の公式ページで確認
ビクトリア州(VIC)各州の公式ページで確認
クイーンズランド州(QLD)各州の公式ページで確認
西オーストラリア州(WA)各州の公式ページで確認
南オーストラリア州(SA)各州の公式ページで確認
オーストラリア首都特別地域(ACT)各準州の公式ページで確認
タスマニア州(TAS)各州の公式ページで確認

北部準州のアボリジナルの土地に入るとき

北部準州では、アボリジナルの土地(Aboriginal land)は私有地です。北部土地評議会(Northern Land Council、NLC)のページ(新しいタブで開く)では、連邦と準州の法律で、アボリジナルの土地に入るには書面の許可(permit)が必要だとしています。

  • 許可は、その土地を担当する土地評議会(land council)に申し込みます。NLCは、伝統的所有者の同意を得て許可を出します。
  • 許可なく立ち入ると、罰金を科されることがあります。

AAPAは、聖地を守ることは、NTのすべての住民と訪問者の責任だとしています。

手順

聖地のある場所を訪れるときの基本です。国立公園の公式の案内をもとにまとめています。

  1. 行く前に、訪れる場所の公式サイトで作法と立ち入りできる場所を確認する。
  2. 現地では、看板や地図で示された立ち入り禁止の場所に入らない。聖地、儀式の場所、墓地、人の住まいなどが含まれます(ウルル=カタ・ジュタ国立公園のページ(新しいタブで開く)、カカドゥ国立公園のページ(新しいタブで開く))。
  3. 決められた道を歩き、岩や大きな石に登らない(ウルル=カタ・ジュタ)。
  4. 立ち入り禁止の場所は撮影しない。人を撮るときは、必ず先に本人の許可を得る。
  5. SNSなどに載せる前に、撮影が禁止された場所が写っていないか確認する。

撮影の例:ウルル=カタ・ジュタ国立公園

公園の撮影のページの説明では、文化的に重要な場所の岩の細部は、アナング(Aṉangu)にとって聖典にあたります。その場所で、決められた人だけが見るべきものとされ、ほかの場所で写真を見せることはふさわしくありません。そのため、これらの場所の撮影は禁止されています。

  • 撮影が禁止された場所は、公園の看板と地図で示されています。
  • ウルルの北東側は特に重要な場所です。遠くから広い画角で撮り、岩の左上の細部を写さないよう求められています。
  • 商業目的や公開のための撮影(インフルエンサー、ブロガー、アーティストなどを含む)には、メディア許可が必要です。
  • ドローンなどの遠隔操作の機器は禁止されています。

公園そのものの案内は「ウルル=カタ・ジュタ国立公園」にあります。

その土地の作法の例

公園の案内には、その土地の人々の作法も紹介されています。どちらも、その土地の人々についての説明です。

場所紹介されている作法
ウルル=カタ・ジュタ国立公園(アナング)あいさつに「パリャ(palya)」が使える。話しかけて相手が黙っていても、無視しているのではなく、聞いているか答えを考えていることが多い
カカドゥ国立公園(ビニンジ/ムンギュイ)伝統的には会うたびにあいさつはしないが、「ハロー」と言われることには慣れている。立ち去るときは「ボボ(bobo)」とあいさつするのが礼儀

ここに注意してね!

  • 聖地は、外から見て聖地とわかる目印があるとは限りません。看板や地図で示された場所を必ず守りましょう。
  • 「先住民の作法」は1つではありません。ここで紹介した例は、それぞれの土地の人々についての説明です。ほかの場所では、その土地の公式の案内を確認してください。
  • 訪れる土地の伝統的所有者を調べる方法は、AIATSISの「Whose Country am I on?(新しいタブで開く)」で紹介されています。
  • 先住民の聖地・儀式・人物の写真をウェブやSNSに載せるときは、許可の有無を確認しましょう。

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