先住民の言語(Aboriginal and Torres Strait Islander languages)
オーストラリアには、800の方言を含む250を超える先住民の言語があります。それぞれの言語は、決まった土地と人々に結びついています。AIATSISは、言語の地図やデータベース「AustLang」を公開しています。
言語の数と広がり
オーストラリアには、800の方言を含む250を超える先住民の言語があります。国の研究機関であるオーストラリア先住民研究所(Australian Institute of Aboriginal and Torres Strait Islander Studies、AIATSIS)が示している数です(AIATSISの「Languages alive」(新しいタブで開く))。
それぞれの言語は、特定の土地と人々に結びついています。地域によって、言語の分布は大きく違います。
| 地域 | 特徴 |
|---|---|
| アーネムランド(Arnhem Land、北部準州) | 狭い範囲で多くの異なる言語が話されている |
| 西部砂漠(Western Desert) | 広い範囲で、1つの言語の方言が話されている |
トレス海峡の言語
AIATSISは、トレス海峡で話されている主な言語として次の3つを挙げています。
| 言語 | 主に話されている場所 |
|---|---|
| カラ・ラガウ・ヤ(Kala Lagaw Ya) | 西部の島(マブイアグ島、バドゥ島) |
| メリアム・ミル(Meriam Mir) | 東部の島(エルブ島、ウガル島、メール島) |
| ユンプラトク(Yumplatok、トレス海峡クレオール) | トレス海峡と、ケープ・ヨーク半島の一部 |
言語の例
AIATSISは、中央オーストラリアのワルピリ語(Warlpiri)を例に挙げています。ユエンドゥム(Yuendumu)、ラジャマヌ(Lajamanu)などのコミュニティで主に話されています。2006年の国勢調査では、話す人が2,500人を少し超えていました。
言語の復興
AIATSISの説明では、人々を伝道所(mission)に移したり、子どもを家族から引き離したりした過去の政府の政策は、言語と文化の継承に大きな打撃を与えました。多くの地域で、世代の間で言語が受け継がれなくなりました。
今は、長老(Elder)の記憶や記録をもとに、言語を取り戻す取り組みが進んでいます。例として、ンガナワル語(Ngunnawal)の復興が紹介されています。100年近く流ちょうに話されていなかった言語を、家族のグループが記録や長老の言葉から取り戻しています。AIATSISは、各地に22の先住民の言語センター(language centre)があるとしています。
先住民の地図
AIATSISの「オーストラリア先住民の地図(Map of Indigenous Australia)」は、言語・社会・民族のグループのおおよその場所を示しています。
- 1996年に作られ、1994年までに出版された資料をもとにしています。
- 大きなグループの一般的な位置だけを示しています。中には、クラン、方言、個別の言語が含まれることがあります。
- グループの間の境界は、わざとぼかしてあります。
- 名前のつづりには、いくつかの違いがあります。
- 先住権(native title)などの土地の申し立てには使えません。
- 地図の複製には許可が必要です。
AustLang(言語のデータベース)
AIATSISは、先住民の言語のオンラインデータベース「AustLang」を公開しています。
- 言語ごとに、変わらない「AustLangコード」が付いています。名前やつづりが違っても、同じ言語を指せるようにするためです。
- 1つの言語に複数の名前があることや、1つの名前に複数のつづりがあることは、よくあります。
- 記録には、言語だけでなく、人々やクランを表すものもあります。
- 2026年4月に新しいサイトが公開されました。
つづりと発音
先住民の言語の多くは、英語と同じアルファベットで書かれます。ただし、音は英語と同じではありません(AustLang)。同じ音でも、言語によって書き方が違います。
| 音 | 書き方の例 |
|---|---|
| 「ニャ」に近い音(英語の canyon の ny) | クンウィンジク語(Kunwinjku)は nj、ジャウォイン語(Jawoyn)は yn、ニヤパリ語(Nyiyaparli)は ny |
文字の下の線、ŋ(「ング」の音)、母音の上の2つの点(長い母音)などの記号が使われることもあります。
ここに注意してね!
- 「アボリジナルの言葉」という1つの言語はありません。言語は土地ごとに違います。
- 先住民の言語の言葉や名前を使うときは、その土地の人々や公式の案内で、意味と使い方を確認しましょう。
- 自分がいる土地の伝統的な管理者について知りたいときは、地図のページの案内(Whose Country am I on?)を参考にしてください。AIATSISは、伝統的な管理者だけが、その土地について語り、訪問者を迎えることができるとしています。
- 先住民の呼び方については「敬意のある言葉づかい」で扱っています。
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