サイクロンへの備え(Tropical cyclones)
サイクロン(熱帯低気圧)は、オーストラリア北部を中心に、11月1日から4月30日の季節に発生します。気象局(BOM)は強さを1から5の5段階で表します。強い風だけでなく、大雨による洪水や高潮も危険です。季節の前に備え、警報が出たら地域の指示に従います。
サイクロンとは
サイクロン(tropical cyclone、熱帯低気圧)は、暖かい熱帯の海の上で生まれる低気圧です。北半球の台風やハリケーンと同じ種類の嵐で、南半球では時計回りに回ります。オーストラリアのサイクロンの季節は、公式には11月1日から4月30日です(気象局(Bureau of Meteorology、BOM)のページ(新しいタブで開く))。
サイクロンは、10分間の平均風速が時速63km以上の風が中心の周りの半分以上に吹く状態になると、名前が付けられます。
強さの5段階(カテゴリー)
BOMは、サイクロンの強さを1(最も弱い)から5(最も強い)で表します。区分は、最大平均風速をもとにしています。
| カテゴリー | 最大平均風速 | 典型的な最大瞬間風速 | 主な被害の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | 時速63〜88km | 時速125kmまで | 被害をもたらす風。家の被害はわずか。木や作物、キャラバンに被害 |
| 2 | 時速89〜117km | 時速125〜164km | 破壊的な風。家に小さな被害。看板・木・キャラバンに大きな被害。停電のおそれ |
| 3 | 時速118〜159km | 時速165〜224km | 非常に破壊的な風。屋根や建物に一部被害。キャラバンの一部が壊れる。停電の可能性が高い |
| 4 | 時速160〜199km | 時速225〜279km | 屋根の多くが飛ばされ、建物に被害。飛んでくる物が危険。広い範囲で停電 |
| 5 | 時速200km超 | 時速279km超 | 極めて危険。建物や植物が広い範囲で壊される |
カテゴリーは風の強さだけを表します。カテゴリー1でも、大雨や洪水で大きな被害が出ることがあります。
風以外の危険
BOMは、どの大きさのサイクロンも危険だとしています。
| 危険 | 内容 |
|---|---|
| 強風 | 飛ばされた物が凶器になる。大きく強いサイクロンでは、被害をもたらす風が中心から数百km先まで及ぶことがある |
| 目(eye)の通過 | 目が通ると一時的に風がやむが、すぐに反対の方向から破壊的な風が吹く |
| 大雨 | 内陸に入って弱まった後も大雨が続き、上陸した場所から遠く離れた所で洪水が起きることがある |
| 高潮(storm surge) | 海面が1年で最も高い潮位よりはるかに上がり、低い海岸地域が浸水する。サイクロンに伴う最も危険なものになりうる。津波とは別のもの |
サイクロンが弱まって熱帯低気圧(tropical low)になっても、危険な状態が続くことがあります。
BOMの注意報と警報
BOMは、48時間以内に地域で時速63km以上の強風が予想されると「Tropical Cyclone Advice」を出します。
| 種類 | 出るとき | 更新 |
|---|---|---|
| Tropical Cyclone Watch(注意) | 強風が24〜48時間後に始まると予想されるとき | 6時間ごと |
| Tropical Cyclone Warning(警報) | 強風が24時間以内に予想される、またはすでに吹いているとき | 3時間ごと |
あわせて、進路予想図(Tropical Cyclone Forecast Track Map)が出ます。予想進路の範囲(灰色の帯)の外にいても、危険がないとは限りません。BOMは、7日先までのサイクロンの見通しも1年中出しています。
州・準州ごとの違い
BOMの警報とは別に、州・準州の緊急サービスが、地域で取るべき行動を全国共通の3段階(Advice、Watch and Act、Emergency Warning)で伝えます。段階の意味は「山火事の警報と火災危険度」で説明しています。
- 西オーストラリア州(WA):消防緊急サービス局(DFES)のページ(新しいタブで開く)の案内では、2024年7月15日から、サイクロンの警報が3段階の仕組みに変わりました。北西部の海岸は、11月から4月にサイクロンの影響を受けることがあります。最新の情報はEmergency WAのサイトか、13 DFES(13 3337)で確認できます。
- クイーンズランド州(QLD)、北部準州(NT)など:州の公式アプリやサイトは「災害情報の入手先」にまとめています。
手順
季節の前に
DFESのページの主な呼びかけです。
- 屋根を点検し、緩んだ瓦やひさし、ねじを直す。
- 雨どいと縦どいを掃除する。
- 木や張り出した枝を切る。
- 強風で飛ばされそうな物を固定する。
- 緊急用キットを用意する。電池式のラジオと予備の電池、防水の懐中電灯、救急箱、飲み水と保存のきく食料、缶切りと食器、丈夫な靴・手袋・ゴーグルなど。
警報が出たら
QLD政府のページ(新しいタブで開く)の主な呼びかけです。
- 警報を確認し続ける。
- 家族や近所の人に知らせる。
- 動物を避難させ、つないでおく。
- 庭の家具など、外にある物を片づけるか固定する。
- 水道が止まるときに備え、バケツや浴槽にきれいな水をためる。
- 窓を守る対策をする。
サイクロンが来ているとき
- 屋内にいて、窓、ドア、天窓から離れる。
- 激しい嵐の間は、固定電話や水道の蛇口を使わない。
- 建物が壊れ始めたら、建物の中で最も丈夫な場所に避難する。
- 屋外にいるときは、しっかりした建物の中に避難する。
- 目が通過して風がやんでも、外に出ない。嵐の真ん中にいるだけで、終わっていない。安全だという公式の発表があるまで屋内にいる。
過ぎ去った後
- ラジオを聞き、安全だと発表されるまで屋内にいる。
- 見物に出かけない。
- ぬれた電気製品は、安全を確かめるまで使わない。
- 水道水は、安全と発表されるまで沸かすか浄化する。
- 壊れた電線、倒れた木、洪水の水に近づかない。
家が壊れて助けが必要なときは、州緊急サービス(SES)の132 500に電話します。命にかかわるときは000に電話します。
日本との違い・注意点
- 日本の気象庁は、台風の強さを最大風速で「強い」「非常に強い」「猛烈な」に分けています(気象庁のページ(新しいタブで開く))。オーストラリアでは、カテゴリー1〜5の数字で表します。数字が大きいほど強い、と覚えておきます。
- キャラバン、キャンピングカー、モーターホームは、サイクロンの強風と大雨から身を守れる場所ではありません。キャラバンや古い家に住んでいる人は、近くの避難所や安全な場所に行くよう案内されています。旅行中の人は特に注意してください。
- サイクロンの後は洪水が起きやすくなります(「洪水への備え」)。北部の雨季は「北部の雨季と乾季」の記事で扱っています。
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