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優先順位付き投票(Preferential voting)

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ひとことで言うと

連邦選挙では、候補者に好きな順に番号を書いて投票します。下院は全員に番号を付け、過半数を得た人が当選します。上院は政党なら6つ以上、候補者なら12人以上に番号を付け、「クオータ」を得た人が当選します。

目次
  1. 番号で順位を付ける投票
  2. 手順
  3. 費用
  4. 日本との違い・注意点

番号で順位を付ける投票

オーストラリアの連邦選挙では、優先順位付き投票(preferential voting)が使われます(オーストラリア選挙管理委員会(AEC)のページ(新しいタブで開く))。投票者は、候補者に好きな順に「1」「2」「3」…と番号を書きます。

開票では、何回かに分けて票を数えます。そのたびに、投票者が書いた順位に従って、票がほかの候補者に移されます。

項目下院(House of Representatives)上院(Senate)
投票用紙の色緑白
1つの選挙で選ぶ人数1人複数(州は通常6人、準州は2人)
番号の付け方すべての候補者に番号を付ける政党・グループなら6つ以上、候補者なら12人以上
当選の条件有効票の過半数(50%を超える票)決められた票数(クオータ、quota)

上院の人数は、AECの上院の投票のページによります。州の上院議員は12人で任期6年、準州は2人で任期3年です。連邦選挙では、通常、各州の半分の6人と、準州の全員が改選されます。

下院の数え方

AECの下院の開票の説明に沿うと、流れは次のとおりです。

  1. すべての票について、「1」が書かれた候補者ごとに数える。
  2. 1位の票だけで過半数を得た候補者がいれば、当選する。
  3. 過半数の人がいなければ、票が最も少ない候補者を除く。その人の票は、それぞれの票で「2」が付いた候補者に移す。
  4. まだ過半数の人がいなければ、その時点で最も少ない候補者を除き、次の順位に従って票を移す。
  5. 誰かが有効票の過半数を得るまで、これをくり返す。

1位の票だけで過半数を得た候補者がいても、すべての選挙区で最後まで票の移し替え(distribution of preferences)が行われます。

上院の数え方

上院では、当選に必要な票数(クオータ)を計算します。

クオータ =(有効票の数 ÷(選ぶ人数 + 1))の端数を切り捨てた数 + 1

AECは、2013年の選挙のNSWを例に挙げています。有効票4,376,143票、選ぶ人数6人で、クオータは625,164票でした。

  1. 「1」の票を数え、クオータに達した候補者は当選する。
  2. 当選した人の余った票(surplus)は、次の順位の候補者に、減らした価値(transfer value)で移す。
  3. 余った票を移しても席が埋まらないときは、票の最も少ない候補者を除き、その票を次の順位に従って移す。
  4. すべての席が埋まるまでくり返す。

上院の開票は下院より複雑です。すべての上院議員の当選が決まるまで、選挙から数週間かかります。

手順

投票用紙の書き方です。

下院(緑の用紙)

AECの下院の投票のページの書き方は次のとおりです。

  1. 1番目に選びたい候補者の欄に「1」と書く。
  2. 2番目の候補者に「2」、3番目に「3」と書く。
  3. すべての欄に番号を書くまで続ける。

上院(白の用紙)

上院の用紙には、横線(line)があります。線の上か下のどちらかに書きます。

書き方方法
線の上(above the line)政党・グループの欄に、1から6まで、少なくとも6つの番号を書く。もっと書いてもよい
線の下(below the line)個人の候補者の欄に、1から12まで、少なくとも12の番号を書く。もっと書いてもよい

線の上に書いた場合、票は、1位に選んだ政党・グループの候補者に、次に2位の政党・グループの候補者に、という順で配分されます。

無効票にならないために

AECは、下院の用紙が次の場合は無効票(informal vote)になるとしています。

  • 何も書いていない
  • 1位と、残りすべての候補者の順位が示されていない
  • チェック(✓)やバツ(×)を使っている
  • 投票者が誰か分かることが書いてある
  • 同じ番号を2回書いている
  • 投票者の意思がはっきりしない

ただし、1か所だけ空欄で、ほかがすべて連続した番号なら、空欄が最後の順位とみなされ、有効になります。

書き間違えたときは、用紙を渡した係員に返せば、新しい用紙をもらえます。投票所の係員は、用紙の書き方を手伝ってくれます。

費用

投票に費用はかかりません。

日本との違い・注意点

  • 投票用紙には候補者の名前が印刷されていて、投票者は欄に番号を書きます。チェックやバツは無効になります。
  • AECの説明では、得票の最も多い人が1回の集計で当選する「小選挙区の単純多数制(first-past-the-post)」は、アメリカ、イギリス、カナダ、インドなどで使われています。オーストラリアの下院は、過半数を得るまで票を移す点が違います。
  • 選挙の夜に数えられるのは、目安の集計です。郵便投票の確認や、すべての下院の票の再集計などが、その後に行われます。
  • 州・準州や地方の選挙では、番号の付け方などのルールが連邦選挙と違うことがあります。くわしくは各州・準州の選挙管理委員会が案内しています。
  • AECの練習用のページで、投票用紙の書き方を練習できます。

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