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2023年の国民投票(2023 Referendum:Aboriginal and Torres Strait Islander Voice)

ひとことで言うと

2023年10月14日、憲法でアボリジナルとトレス海峡諸島民を最初の人々として認め、議会と政府に意見を伝える機関「ボイス(Voice)」を設ける案が国民投票にかけられました。全国の賛成は39.94%で、過半数の賛成があった州はなく、否決されました。

目次
  1. 年の国民投票とは
  2. 日本との違い・注意点
YES NO

2023年の国民投票とは

2023年10月14日、憲法を変える案について国民投票(referendum)が行われました。令状が出されたのは2023年9月11日です(オーストラリア選挙管理委員会(Australian Electoral Commission、AEC)の国民投票の結果の一覧(新しいタブで開く))。

問われた案

AECが全世帯向けに作った公式の国民投票の冊子(Your official referendum booklet)では、案の名前は「憲法改正(アボリジナルとトレス海峡諸島民のボイス)2023(Constitution Alteration (Aboriginal and Torres Strait Islander Voice) 2023)」です。この法案は、連邦議会の両院で可決されていました。

案は、憲法の第8章の後に、第9章「アボリジナルとトレス海峡諸島民の承認」と第129条を加えるものでした。冊子に載っている第129条の案の内容は次のとおりです。

号内容
前文アボリジナルとトレス海峡諸島民をオーストラリアの最初の人々(First Peoples)として認めて
(i)「アボリジナルとトレス海峡諸島民のボイス(Aboriginal and Torres Strait Islander Voice)」という機関を置く
(ii)ボイスは、アボリジナルとトレス海峡諸島民に関わる事柄について、連邦議会と連邦政府に意見(representations)を伝えることができる
(iii)議会は、憲法に従い、ボイスの構成・役割・権限・手続きなどについて法律をつくる権限を持つ

投票用紙には、この案に賛成するかどうかが問われ、有権者は「YES」か「NO」を書きました。

賛成・反対の主張

AECの冊子には、賛成(Yes)と反対(No)の主張が並べて載せられました。

  • 賛成の主張は、法案に賛成した議員の、反対の主張は、反対した議員のうち、主張をまとめることを望んだ議員の多数が書いたものです。
  • 法律で、それぞれ2,000語までと決められています。
  • AECには、主張の文章を直したり、事実を確かめたりする法律上の権限はありません。

冊子に載った、それぞれの主張の見出しは次のとおりです。下の表はそれぞれの側の主張で、オージーまるわかりの見解ではありません。

側冊子で挙げられた主な見出し
賛成(Yes)承認(Recognition):憲法でアボリジナルとトレス海峡諸島民を認める/聞くこと(Listening):生活に関わる事柄について助言を聞き、政府がよりよい決定をする/よりよい結果(Better Results):健康・教育・雇用・住まいで実際の前進をする
反対(No)リスクがある(Risky):法的なリスクがあり、結果が分からない/分からない(Unknown):ボイスのメンバーの選び方や運営の詳しい内容が示されていない/分断する(Divisive):一つのグループのための機関を憲法に置くことになる/永久に続く(Permanent):憲法に入れると取り消せない

主張の全文は、AECの冊子で読めます。

結果

AECの集計(新しいタブで開く)による結果です。

州・準州賛成反対
ニューサウスウェールズ州(NSW)41.04%58.96%
ビクトリア州(VIC)45.85%54.15%
クイーンズランド州(QLD)31.79%68.21%
西オーストラリア州(WA)36.73%63.27%
南オーストラリア州(SA)35.83%64.17%
タスマニア州(TAS)41.06%58.94%
オーストラリア首都特別地域(ACT)61.29%38.71%
北部準州(NT)39.70%60.30%
全国39.94%60.06%

全国の賛成は628万6,894票、反対は945万2,792票でした。全国の過半数も、州ごとの過半数も得られず、案は否決されました。過半数の賛成があったのはACTだけですが、ACTは州ではないため、州ごとの過半数には数えられません。

日本との違い・注意点

  • この国民投票では、18歳以上のオーストラリア市民に登録と投票が義務づけられていました。投票しないと罰金や起訴の対象になることがあり、2回以上投票することは犯罪です。市民権のない人は投票できません。
  • AECの選挙管理委員長は冊子の中で、前回の国民投票は1999年だったと書いています。その1999年の投票は「1999年の共和制の国民投票」にまとめています。
  • 国民投票の仕組みは「国民投票(憲法改正)」、1967年の国民投票は「1967年の国民投票」の記事で扱っています。

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