相互医療協定(Reciprocal Health Care Agreement、RHCA)と日本
ひとことで言うと
オーストラリアが相互医療協定を結んでいるのは11か国で、日本は含まれていません(2026年10月時点)。そのため日本から来る旅行者・留学生・ワーホリは協定によるメディケアを使えず、医療費は自己負担になります。留学生はOSHCがビザの条件で、旅行者とワーホリは民間の保険が強くすすめられています。
ここは大事だよ
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
RHCAとは
相互医療協定(RHCA)は、協定を結んだ国からの訪問者が、オーストラリアで必要な医療を(Medicare)で受けられるようにする取り決めです。
協定の相手国(2026年10月時点)
Services Australiaのページ(新しいタブで開く)に載っている相手国は、次の11か国です(英語名のアルファベット順)。
| 国 | 英語名 |
|---|---|
| ベルギー | Belgium |
| フィンランド | Finland |
| アイルランド | Ireland |
| イタリア | Italy |
| マルタ | Malta |
| オランダ | Netherlands |
| ニュージーランド | New Zealand |
| ノルウェー | Norway |
| スロベニア | Slovenia |
| スウェーデン | Sweden |
| イギリス | United Kingdom |
日本はこの一覧に含まれていません。 日本から来た人は、RHCAによってメディケアを使うことはできません。
協定でカバーされるもの(参考)
協定の内容は国ごとに違います。たとえばイギリスとの協定では、次のものが対象です。
- 医学的に必要な病院外の診療
- 公立病院での公的患者としての入院・外来
- 一部のPBSの処方薬(一般の料金)
治療を受けるために来た場合は対象外です。イタリアとの協定は滞在6か月までなど、条件も国によって違います。
日本から来る人の場合
日本はRHCAの相手国ではないため、旅行者・留学生・ワーホリは、永住ビザなどでメディケアの対象にならないかぎり医療費が自己負担になります。
内務省のページ(新しいタブで開く)では、次のように説明しています。
- 多くの訪問者はメディケアの対象外で、公立病院でも私立病院でも費用は自己負担
- メディケアの対象外の人は、私的患者(private patient)として扱われる
- 対象外のすべての訪問者に、ビザの条件かどうかにかかわらず民間の医療保険をすすめる
立場ごとの扱いは次のとおりです。
| 立場 | 保険の扱い |
|---|---|
| 留学生(学生ビザ subclass 500) | 留学生保険()への加入と維持がビザの条件 |
| ワーホリ(subclass 417) | 内務省が保険への加入を強くすすめている。滞在中の医療費は本人の負担 |
| 旅行者 | 民間の医療保険が強くすすめられている |
| 就労ビザ(subclass 482、485など) | 条件を満たす海外訪問者保険()が必要 |
留学生の保険は「留学生保険(OSHC)」、旅行者とワーホリは「旅行保険とワーホリの保険」、就労ビザは「就労ビザなどの保険(OVHC)」に、それぞれまとめています。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本はオーストラリアとの間に相互医療協定がありません。協定国の人が受けられる公立病院の無料の治療などは、日本人には当てはまりません。
- 協定の相手国は変わることがあります。渡航前にServices Australiaのページ(新しいタブで開く)で最新の一覧を確認してください。
- 日本の健康保険の海外療養費制度は、オーストラリアの協定とは別の制度です。日本側の制度は「日本の健康保険と海外療養費」で扱います。
この記事をシェアする
次に読むならこれ
医療・保険診察料とバルクビリング(Bulk billing)バルクビリング(bulk billing)は、医師がメディケアの給付を料金の全額として受け取り、患者がその場で払わない仕組みです。使えるのはメディケアの登録者で、医師がバルクビリングを選んだ場合だけです。バルクビリングでない場合は窓口で払い、給付の分をメディケアに請求します。医療・保険メディケアカードと使い方(Medicare card)メディケアに登録すると、メディケアカードが3〜4週間で郵送されます。myGovアプリでデジタルカードも使えます。GP・病院・薬局ではカードかメディケア番号を見せます。カードは緑・青・黄の3種類で、有効期限があります。医療・保険メディケア・セーフティネット(Medicare Safety Nets)病院の外での診察や検査の自己負担が1年(1月〜12月)で基準額を超えると、メディケアの払い戻しが増える仕組みです。メディケアに登録している人が対象で、1人なら手続きは不要です。家族やカップルは、登録すると支払いを合算できます。
関連する記事
医療・保険メディケアの対象者と登録(Medicare enrolment)メディケア(Medicare)に登録できるのは、オーストラリアに住む市民・NZ市民・永住者・永住ビザの申請者(条件あり)・大臣令(Ministerial Order)の対象となる一部の一時ビザの人などです。登録はmyGovのオンラインか申込書で行います。日本のパスポートの旅行者・留学生・ワーホリは、原則として対象外です。医療・保険留学生保険(OSHC、Overseas Student Health Cover)学生ビザ(subclass 500)では、本人と同行する家族がOSHCに入り、滞在中ずっと維持することがビザの条件です。保険はオーストラリア到着日から始まっている必要があります。OSHCはGP・入院・救急車などを補償しますが、歯科・眼科などは基本の保険に含まれません。医療・保険旅行保険とワーホリの保険(Travel insurance)日本から来る旅行者とワーキングホリデーの人は、原則としてメディケア(Medicare)の対象外で、医療費は全額自己負担です。内務省は、メディケアの対象外の訪問者に民間の医療保険を強くすすめています。保険は補償内容・除外事項・救急車の扱いを確かめて選びます。医療・保険就労ビザなどの保険(OVHC、Overseas Visitors Health Cover)OVHCは、メディケアの対象外の一時ビザの人のための民間医療保険です。Skills in Demandビザ(subclass 482)や卒業生ビザ(subclass 485)など、ビザ条件8501が付くビザでは、条件を満たす保険に入り、滞在中ずっと維持します。補償の範囲は保険ごとに違うため、内務省が示す最低限の補償と比べて選びます。医療・保険医療制度の全体像(メディケア、公立病院、GP、民間保険、PBS)オーストラリアの医療は、公的制度のメディケア(Medicare)と公立病院を土台に、民間医療保険が上乗せされる仕組みです。ふだんの不調はまずGP(かかりつけ医)にかかり、薬はPBSで安くなります。メディケアを使えるのは主に市民・永住者・NZ市民と協定国からの訪問者で、日本人の旅行者・留学生・ワーホリは原則として対象外です。日本との関係日本の健康保険と海外療養費(Japanese health insurance and overseas medical expenses)日本の国民健康保険の被保険者は、日本国内に住所がある人です。海外転出などで住所がなくなる人は、市区町村の窓口に届け出ます。日本の健康保険に加入している人が海外で急な病気やけがで治療を受けたときは、申請により医療費の一部が払い戻される「海外療養費」の制度があります。