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貸主とのトラブルと相談先(州の審判所 NCAT・VCAT・QCAT など)

ひとことで言うと

大家や不動産会社とのトラブルは、まず話し合い、だめなら州・準州の窓口に相談し、最後は審判所や裁判所が判断します。窓口と審判所の名前、申し立ての期限は州ごとに違います。期限が短いことがあるため、早めに相談しましょう。

目次
  1. 解決までの3段階
  2. 州・準州ごとの違い
  3. 手順
  4. 費用
  5. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

解決までの3段階

賃貸のトラブルでよくあるのは、の返金、修理、家賃の値上げ、退去の通知、家賃の滞納など。多くの州・準州では、次の順番で解決を目指します。

  1. 大家や不動産会社と話し合う(内容は書面に残す)
  2. 州・準州の窓口に相談する。無料の調整(conciliation)をしている窓口もある
  3. 審判所(Tribunal)か裁判所に申し立て、判断してもらう

ACTの審判所(ACAT)は、弁護士に頼むことはできるが必須ではないと案内しています。

申し立てには期限がある

申し立てには期限があることが多いです。たとえばNSWでは、ほとんどの争いは問題が起きた日から28日以内に申し立てます。主な期限は次のとおりです。

内容(NSW)期限
過大な値上げ値上げの通知を受けてから30日
決まりに反した値上げ値上げされた日から12か月
報復的な退去の通知通知を受けてから14〜30日
契約違反の解決違反を知ってから3か月
ボンドの支払いボンドが払い出されてから6か月

期限を過ぎた場合も、審判所に延長を求められることがあります。

州・準州ごとの違い

各州・準州の公式ページで確認できた、主な窓口と判断する機関です(2026年10月時点)。

州・準州最初の相談・調整の窓口判断する機関確認できた主な特徴
ニューサウスウェールズ州(NSW)NSW Fair Trading(無料の苦情受付。電話 13 32 20)民事行政審判所(NSW Civil and Administrative Tribunal、NCAT)Fair Tradingを通さず、直接NCATに申し立てることもできる。ボンドの争いはNCATへ
ビクトリア州(VIC)州の消費者局(Consumer Affairs Victoria、CAV)、賃貸紛争解決機関(Rental Dispute Resolution Victoria、RDRV)民事行政審判所(Victorian Civil and Administrative Tribunal、VCAT)RDRVはVCATが運営する無料の紛争解決サービス。解決しない場合はVCATへの申し立てを手伝う
クイーンズランド州(QLD)賃貸住宅庁(Residential Tenancies Authority、RTA)の無料の紛争解決民事行政審判所(Queensland Civil and Administrative Tribunal、QCAT)合意できない場合や、調整に向かない場合はQCATで判断を求める
西オーストラリア州(WA)州の消費者保護局(Consumer Protection)治安判事裁判所(Magistrates Court)。居住用パークは州行政審判所(SAT)消費者保護局は30日以内の解決を目指すが、命令はできない。多くのボンドの争いは消費者保護局のコミッショナーが判断する
南オーストラリア州(SA)Consumer and Business Services(CBS。電話 131 882、オプション2)民事行政審判所(South Australian Civil and Administrative Tribunal、SACAT)ボンドの請求、契約の終了、違反の是正などの申し立てを扱う
オーストラリア首都特別地域(ACT)ACT政府の賃貸の案内ページで確認民事行政審判所(ACT Civil and Administrative Tribunal、ACAT)多くの申し立てに手数料がかかる(免除などあり)。ボンドの争いはACTのボンドの窓口からACATに回される
タスマニア州(TAS)Consumer Affairs Tasmania(Rental Services)賃貸審判官(Residential Tenancy Commissioner)、治安判事裁判所ボンドの争いと過大な値上げは賃貸審判官が判断する。退去命令は治安判事裁判所
北部準州(NT)NT Consumer Affairs(賃貸の一般的な相談。電話 08 8999 1999)民事行政審判所(Northern Territory Civil and Administrative Tribunal、NTCAT)2015年6月1日から、賃貸法の申し立てはNTCATが扱う

そのほかに確認できた点は次のとおりです。

  • NSW:Fair Tradingは、修理や損傷の争いを調べ、是正命令(rectification order)を出すことがあります。NCATのテナンシーの問い合わせ先は 1300 006 228 です。
  • VIC:RDRVは、電話、オンライン、VCATの窓口で受け付けています。CAVは、家賃の評価や修理の検査を無料でしています。
  • WA:裁判所への申し立ては、オンラインの eCourts Portal でできます。審理の日は、通常14日以内に決まります。ボンドの争いの相談先は消費者保護局(1300 30 40 54)です。
  • SA:過大な値上げは、通知から90日以内にSACATに申し立てられます。
  • ACT:退去に関する申し立ては通常14日ほどで審理され、そのほかの争いは3〜4週間ほどで協議(conference)が開かれます。平均で62日かかります。
  • TAS:ボンドの争いの決定に不服がある場合は、7日以内に治安判事裁判所に申し立てます。値上げの決定への不服は60日以内です。
  • NT:争いが解決しない場合は、借主・大家どちらもNTCATに判断を求められます。

手順

  1. 契約書と州のルールを確認し、何が問題かを整理する。
  2. 大家や不動産会社に、問題と希望する解決方法を書面で伝える。
  3. 証拠を集める。契約書、状態報告書、写真、メール、領収書、家賃の記録など。
  4. 合意できない場合は、州・準州の窓口に相談するか、調整を申し込む。
  5. それでも解決しない場合は、期限内に審判所か裁判所に申し立てる。
  6. 審理や協議に出席し、証拠を出す。

借主向けの無料または低額の相談窓口もあります。NSWでは、各地の借主相談支援サービス(Tenants Advice and Advocacy Service)を 1800 251 101 で探せます。WAでは、Circle Green Community Legalが有料で助言をしています(低所得の人などは免除される場合あり。電話 (08) 6148 3636、地方は 1800 621 888)。法律相談の窓口は「無料の法律相談」にまとめています。

費用

州・準州の窓口での相談や調整は、無料のものが多いです(NSW Fair Tradingの苦情受付、VICのRDRV、QLDのRTAの紛争解決は無料)。審判所への申し立てには、手数料がかかることがあります(2026年10月時点)。額は審判所ごとに公表されています。

ここに注意してね!

  • 家賃の争いがあっても、家賃を減らしたり止めたりしないでください。契約違反になり、退去を求められることがあります(NSW、NTの公式ページに明記)。
  • 話し合いの内容、電話の日時、送ったメールは、すべて記録に。審判所で証拠になります。
  • 申し立ての期限が数日から30日と短いことがあります。通知や請求を受け取ったら、すぐに窓口に相談してください。
  • 英語での手続きに不安がある場合は、「無料の通訳サービス」が使えます。
  • 個別の判断が必要な場合は、借主の相談窓口や弁護士に相談してください。

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