退去と賃貸契約の終了(Ending a tenancy)
賃貸契約を終えるには、州・準州の法律で決まった日数前に、書面で通知します。固定期間の途中で出ると、違約金や損害の補償を求められることがあります。大家側から終了を求める場合も、予告の日数や理由の決まりがあります。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
契約が終わる4つの形
賃貸契約の終わり方は、主に次の4つです。
- 借主(tenant、renter)が、決められた日数前に書面で通知する
- 大家(landlord、rental provider)が、法律で決まった理由と日数で通知する
- 大家と借主が合意する(合意した内容は書面に残す)
- 審判所や裁判所が終了を命じる
通知の日数は、契約が固定期間(Fixed term)か期間の定めなし(Periodic)か、どんな理由で終えるかによって変わります。固定期間が終わったあとも住み続けると、多くの州で期間の定めのない契約に切り替わります。
固定期間の途中で出る場合(Break lease)
固定期間の途中で、決められた理由なく出ることを「契約を破る(breaking the lease)」と言います。この場合、違約金(break fee)や、次の借主が見つかるまでの家賃、広告費などを求められることがあります。大家側にも、次の借主を探して損害を減らす努力が求められます(WA、ACT、TAS、NTの公式ページに明記)。
NSWでは、2020年3月23日以降に結んだ3年以下の固定契約に、決まった違約金があります。
| 経過した期間 | 違約金 |
|---|---|
| 25%未満 | 家賃4週間分 |
| 25%以上50%未満 | 家賃3週間分 |
| 50%以上75%未満 | 家賃2週間分 |
| 75%以上 | 家賃1週間分 |
家庭内暴力、住宅が住めない状態になった、社会住宅(公営住宅など)に移るなど、違約金なしで早く終えられる理由も州ごとに決まっています。
大家側から終了を求められた場合
大家が契約の終了を求めるには、決まった理由と予告の日数が必要な州が多くあります。NSW、VIC、ACTでは、大家は法律で認められた理由を示さなければ契約を終えられません。修理の依頼や値上げへの異議を理由に退去を求めることは、VICとWAの公式ページで認められていないと明記されています。
大家から終了の通知を受けた場合、決められた日より早く出られる州もあります。NSWの固定期間では、14日以上前に早期退去の通知(early exit notice)を出せば、違約金を払わずに出られます。SAでは7日前に通知すれば、出たあとの家賃を払う必要はありません。
州・準州ごとの違い
各州・準州の公式ページで確認できた、借主が理由なく出る場合と大家側の主な決まりです(2026年10月時点)。
| 州・準州 | 借主:期間の定めなし | 借主:固定期間の終了時 | 大家側の主な決まり |
|---|---|---|---|
| ニューサウスウェールズ州(NSW) | 21日 | 14日 | 理由が必要。売却の予定、改修、家族が住むなどは60日(6か月以下の固定期間)または90日。契約違反は14日 |
| ビクトリア州(VIC) | 28日 | 28日 | 有効な理由が必要。理由のない通知はできない |
| クイーンズランド州(QLD) | 14日 | 14日か契約の終了日の遅いほう | 理由が必要。固定期間の終了、売買契約、所有者が住むなどは2か月。家賃の滞納は7日 |
| 西オーストラリア州(WA) | 21日 | 30日 | 理由なしの終了ができる。期間の定めなしは60日、固定期間の終了は30日。家の売却で空き家が条件なら30日 |
| 南オーストラリア州(SA) | 21日(家賃が月払いなら1か月) | 28日 | 大家が住宅を必要とする場合は60日以上前に、書式と証拠を添えて通知。固定期間の終了は決まった理由で60日 |
| オーストラリア首都特別地域(ACT) | 3週間 | 3週間 | 法律で認められた理由が必要。期間の定めなしは売却、改修、本人や家族が住むなども理由になる。日数は理由で異なる |
| タスマニア州(TAS) | 14日 | 終了の通知は不要(意向を伝えることが勧められている) | 固定期間を更新しない場合は終了日の42日以上60日以内前に通知。期間の定めなしは売却、改修、家族が住むなどで42日。契約違反は14日 |
| 北部準州(NT) | 14日 | 終了日の14日以上前 | 理由を示さない終了の予告は、期間の定めなし・固定期間とも60日(2024年1月2日施行の改正) |
そのほかに確認できた決まりは次のとおりです。
- NSW:期間の定めのない契約で大家から通知を受けた場合は、終了日より前にいつでも出られ、出たあとの家賃は払いません。
- VIC:大家が、売却、改修、本人や家族が住むなどの理由で通知した場合、借主は14日前の通知で出られます(費用を求められる場合あり)。
- QLD:入居から7日以内なら、住宅が住める状態でないなどの理由で14日前に通知できます。
- WA:州政府は、理由のない終了をなくす改正案を示しています(2026年10月時点)。家庭内暴力の場合は7日以上前の通知で、すぐに出られます。
- ACT:転勤の条項(posting clause)がある契約では、8週間前の通知と証明で終えられます。
- TAS:大家が42日前より遅く通知した場合、借主は通知から42日たつまで住めます(家賃は払う)。
詳しくは、NSW Fair Trading(新しいタブで開く)、Consumer Affairs Victoria(新しいタブで開く)、RTA(QLD)(新しいタブで開く)、WA州消費者保護局(新しいタブで開く)、SA州政府(新しいタブで開く)、ACT政府(新しいタブで開く)、タスマニア州の消費者局(新しいタブで開く)、NT Consumer Affairs(新しいタブで開く)の各ページに、より細かな条件が載っています。
手順
- 契約書で、固定期間の終了日と特別条項(違約金など)を確認する。
- 州の予告の日数を数え、書面で通知する。州の書式があれば使う。郵送する場合は、届くまでの日数も考える。
- 通知の写しと、送った日の記録を残す。
- 終了日まで家賃を払う。
- 電気・ガス・ネットの解約や、郵便の転送を手配する。
- 部屋を掃除し、自分で壊した箇所を直す。荷物やごみを残さない。
- 入居時の状態報告書と比べて部屋の状態を確認し、写真を撮る。
- 鍵をすべて返し、転居先の住所を伝える。
- の返金を申し込む(手続きは「ボンド(敷金)と預かり機関」で説明しています)。
費用
決められた予告をして固定期間の終了時や期間の定めのない契約で出る場合、違約金はかかりません。固定期間の途中で出る場合の違約金は、NSWでは上の表のとおりです(2026年10月時点)。ほかの州では、契約の条項や実際の損害によって決まります。
NTでは、契約の準備、更新、延長の費用を大家が借主に請求できないと明記されています。
ここに注意してね!
- 通知は必ず書面で。口頭だけでは、予告したことを証明できません。
- 固定期間の終了日に出る場合でも、事前の通知が必要な州があります(NSW、VIC、QLD、WA、SA、ACT)。
- 掃除や修理が不十分だと、ボンドから費用を差し引かれることがあります。
- 大家から終了の通知を受けても、自分で出ない限り、大家が勝手に鍵を替えたり荷物を出したりすることは認められていません(WA、TASの公式ページに明記)。退去させるには審判所や裁判所の手続きが必要です。
- 通知の理由や日数に納得できない場合は、州の窓口に相談してください。相談先は「貸主とのトラブルと相談先」で紹介しています。
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