賃貸契約書(Residential tenancy agreement)の読み方
賃貸契約書(リース)は大家と借主の権利と義務を定める契約で、州・準州の賃貸法に反する条項は無効です。多くの州に標準の様式があり、署名後のクーリングオフはありません。家賃、ボンド、期間、特別条項を署名前に確認しましょう。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
賃貸契約書とは
賃貸契約書の呼び方は州によってさまざまで、「Residential tenancy agreement」「Rental agreement」「Lease」などがあります。いずれも、大家(landlord、rental provider)と借主(tenant、renter)の権利と義務を定める法的な契約です。
2つの種類
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 固定期間(Fixed term) | 6か月、12か月など、終わりの日が決まっている |
| 期間の定めなし(Periodic) | 終わりの日がなく、どちらかが決まった予告をするまで続く |
固定期間が終わったあとも新しい契約を結ばずに住み続けると、多くの州で自動的に期間の定めのない契約に切り替わります(NSW、VIC、ACT、TAS、NTの公式ページに明記)。
契約書で確認する主な項目
- 大家・不動産会社と借主の名前と連絡先(書類を送る住所)
- 契約の開始日と、固定期間なら終了日
- 家賃の額と払い方、家賃の値上げの決まり
- の額
- 電気・ガス・水道などの費用を誰が払うか
- 修理の連絡先
- 標準の条項(Standard terms)と、追加の特別条項(Special terms、Additional terms)
書いても無効な条項
州の賃貸法に反する条項は無効です。たとえばNSWとVICの公式ページは、次のような条項を禁止しています。
- 保険への加入を借主に義務づける
- 契約の作成費用を借主に払わせる
- 契約違反のときに高い家賃や違約金を払わせる
- 大家が指定する業者(芝刈り、プール清掃など)を使わせる
NSWとVICでは、禁止された条項を入れた大家に罰則が科されることがあります。
州・準州ごとの違い
各州・準州の公式ページで確認できた内容です(2026年10月時点)。
| 州・準州 | 標準の様式・条項 | 確認できた主な決まり |
|---|---|---|
| ニューサウスウェールズ州(NSW) | NSW Fair Tradingの標準賃貸契約書(記入できるPDF)。標準条項は変更・削除できない | 大家は契約を書面にする義務がある。契約書の作成費用は請求できない。クーリングオフなし |
| ビクトリア州(VIC) | 書面の契約は決められた様式(Prescribed form)を使う。5年以下と期間の定めなしはForm 1、5年超はForm 2 | 入居前に、契約書の写しと州の「Renters guide」などを渡す。クーリングオフなし |
| クイーンズランド州(QLD) | 一般の賃貸はGeneral tenancy agreement(Form 18a) | 契約はすべて書面。大家は、借主がお金を払う前に契約書の写しを渡す。借主は署名して5日以内に返す。Pocket guide(Form 17a)も渡される |
| 西オーストラリア州(WA) | 書面の契約はForm 1AAを使う。Part Bの基本的な権利と義務は変更できない | 署名から14日以内に写しを渡す。説明書(Form 1AC、口頭の契約はForm 1AD)も渡す |
| 南オーストラリア州(SA) | 州のConsumer and Business Services(CBS)が、固定期間用と期間の定めなし用の契約書を用意 | 署名時か、双方の署名から21日以内に写しを渡す。90日以内の短期の固定契約には別の決まりがある |
| オーストラリア首都特別地域(ACT) | Residential Tenancies Act 1997の標準条項がすべての契約に適用される | 標準条項と矛盾する条項は、審判所(ACAT)の承認がなければ無効。クーリングオフなし |
| タスマニア州(TAS) | 書面・口頭のどちらも有効だが、書面が勧められている | 書面の場合、契約開始から14日以内に写しを渡す。固定期間は4週間以上 |
| 北部準州(NT) | 法律上、書面である必要はないが、書面のほうがよいとされている | 固定期間と期間の定めなしの2種類 |
詳しくは、NSW Fair Trading(新しいタブで開く)、Consumer Affairs Victoria(新しいタブで開く)、RTA(QLD)(新しいタブで開く)、WA州消費者保護局(新しいタブで開く)、SA州政府(新しいタブで開く)、ACT政府(新しいタブで開く)、タスマニア州の消費者局(新しいタブで開く)、NT政府(新しいタブで開く)の各ページで、様式や細かな決まりを読めます。
手順
- 署名する前に、契約書の案(Proposed agreement)を受け取る。
- 州の標準の様式が使われているかを確認する。
- 家賃、ボンド、期間、開始日、費用の負担、特別条項を読む。
- 分からない条項や、州の決まりに反していそうな条項があれば、署名前に大家や不動産会社に確認する。必要なら州の公正取引局などに相談する。
- 修理を約束してもらった場合は、書面に残す。
- 署名し、署名済みの写しを受け取って保管する。
- 入居時の状態報告書(Condition report)とボンドの受領書も一緒に保管する。
費用
契約書の作成や記入の費用を借主が払う必要はありません(NSW、VICの公式ページに明記)。NSWでは、3年を超える固定期間の契約を土地登記所(NSW Land Registry Services)に登録する場合に、登録費用がかかることがあります(2026年10月時点)。
ここに注意してね!
- 署名したあとのクーリングオフはありません(NSW、VIC、ACTの公式ページに明記)。署名前に内容を十分に確認してください。
- 固定期間の途中で退去すると、違約金(Break lease fee)などを求められることがあります。条件は州ごとに違います。
- 州の法律に反する条項は、契約書に書いてあっても無効です。ただし、自分で判断がつかないときの相談先は、州の公正取引局や借主の相談窓口です。
- 契約書、受領書、大家とのやり取りは、退去してボンドが返るまで手元に残しておきましょう。
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