日本人のためのオーストラリア情報
住まい / 賃貸

シェアハウス(Share house)

ひとことで言うと

シェアハウスでは、契約の形によって州の賃貸法(Residential Tenancies Act)で守られるかどうかが変わります。賃貸契約書に名前がある、又貸しの契約がある、大家と同居する下宿人(ボーダー・ロッジャー)など、自分がどの立場かを入居前に確認することが大切です。扱いは州・準州ごとに違います。

目次
  1. 住み方は契約の形で決まる
  2. 州・準州ごとの違い
  3. 手順
  4. 費用
  5. 日本との違い・注意点

住み方は契約の形で決まる

「シェアハウス」は日常の呼び方で、法律上の決まった形はありません。同じ家に住んでいても、契約の形によって権利が大きく変わります。主な形は次のとおりです。

形内容
共同賃借人(co-tenant、co-renter)全員が大家(landlord、rental provider)との賃貸契約書に名前を載せる
又貸し(sub-letting)契約書に名前がある借主(head tenant、head renter)から、部屋を借りる
ボーダー・ロッジャー(boarder、lodger)大家などが住まいを管理している家で、部屋を使う権利だけを借りる。食事などが付くのがボーダー、付かないのがロッジャー
ルーミングハウス(rooming house)など運営者が複数の部屋を個別に貸し出す。州によって独自の規則がある

共同賃借人の責任

ビクトリア州消費者局(Consumer Affairs Victoria)のページ(新しいタブで開く)では、共同賃借人は全員が家賃の支払いと物件の管理に同じように責任を負うと説明しています。ほかの人が家賃を滞納すると、自分の分を払っていても全員が滞納の扱いになることがあります。

又貸しには大家の許可が必要

ニューサウスウェールズ州(NSW)とビクトリア州(VIC)の公式ページは、又貸しには大家の書面の許可が必要だと説明しています。許可なく又貸しをすると、契約違反になります。

州・準州ごとの違い

クオまる

州によってちがうから、住んでいる州を確認してね。

州の賃貸法の対象になるかどうかについて、各州の公式ページで確認できた内容です(2026年10月時点)。オーストラリア首都特別地域(ACT)、タスマニア州(TAS)、北部準州(NT)の扱いは、それぞれの公式窓口に問い合わせてください。

州公式ページで確認できた扱い
ニューサウスウェールズ州(NSW)借主と書面の契約を結んだ又借り人(sub-tenant)は賃貸法の対象。ボーダー・ロッジャーは対象外。登録が必要な規模の下宿(boarding house)の住人は、Boarding Houses Act 2012 の対象になり、敷金(security deposit)は家賃2週間分まで
ビクトリア州(VIC)共同賃借と又貸しは賃貸法(Residential Tenancies Act 1997)の規則がある。又貸しの借主は、大家と同じ責任を又借り人に負い、敷金()を受け取ったら10営業日以内に預かり機関(RTBA)に預ける。4人以上が部屋を借りて住む建物はルーミングハウスで、別の規則がある
クイーンズランド州(QLD)部屋だけを借りて共用設備を使う形は「ルーミング・アコモデーション(rooming accommodation)」として法律の対象。ただし、所有者や借主が同じ家に住み、貸している部屋が3部屋以下の場合は対象外(ボンドを受け取った場合は、預かり機関RTAに預ける決まりは適用)
西オーストラリア州(WA)大家などが同居して住まいを管理している場合はボーダー・ロッジャーで、賃貸法は適用されない。コモンローとオーストラリア消費者法(ACL)による保護はある。契約に定めがなければ、大家は理由なしにいつでも契約を終えられる(相応の予告は必要)
南オーストラリア州(SA)借主から部屋を借りる又借りの形がある。貸している部屋が2部屋未満の下宿には特定の法律がない。1軒で2部屋以上を貸すとルーミングハウスになり、より多くの権利と責任が生じる

それぞれの条件は、NSW Fair Trading(新しいタブで開く)、Consumer Affairs Victoria、クイーンズランド州賃貸住宅局(RTA)(新しいタブで開く)、WA州消費者保護局(新しいタブで開く)、SA州政府(新しいタブで開く)の各ページで説明されています。

手順

  1. 物件を実際に見て、誰が貸し主か(大家本人、契約書に名前がある借主、運営者)を確認する。
  2. 自分がどの形で住むのか(共同賃借人、又借り、ボーダー・ロッジャーなど)を確認する。
  3. 又貸しの場合は、大家の許可があるかを尋ねる。
  4. 家賃に含まれるもの(光熱費、ネットなど)、ハウスルール、退去の予告期間を書面で確かめる。
  5. ボンドを払う場合は、州の預かり機関に預けられるかを確認する。
  6. 書面の契約を受け取り、写しを保管する。

費用

家賃とボンドの額は物件によって違います。州の決まりでボンドに上限がある場合があります。たとえばNSWの登録対象の下宿では、敷金は家賃2週間分までです(2026年10月時点)。NSWの又貸し・共同賃借では、大家が請求できるのは許可を出すための合理的な費用だけです。

ここに注意してね!

  • シェアハウスの募集を装った詐欺があります。Scamwatch(新しいタブで開く)とConsumer Affairs Victoriaは、次の点に注意するよう呼びかけています。
    • 「海外にいる」などの理由で内見させず、先にお金を求める
    • 相場よりかなり安い
    • 送金サービスでの支払いを求める(取り戻すのが難しい)
    • 銀行口座やクレジットカードの番号、運転免許証の情報などの個人情報を求める
  • 物件を見る前、相手が誰か確かめる前に、お金や個人情報を渡さないでください。広告の写真をインターネットの画像検索で調べ、ほかのサイトからの写しでないか確かめる方法も案内されています。
  • ボーダー・ロッジャーは、賃貸法の対象外になる州があります。退去を求められたときの予告期間なども、借主(tenant)と同じとは限りません。
  • 立場がはっきりしないときや、トラブルが解決しないときの相談先は、各州の公正取引局などの公式窓口です。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

住まい賃貸の探し方と申し込み(Renting a home)オーストラリアで家を借りるときは、物件を探して内見し、申込書を出し、審査に通ったら契約書に署名してボンドと前払い家賃を払います。申し込み時に払うお金や、求められる書類の範囲は州・準州の法律で決まっています。家賃をつり上げる競り(Rent bidding)を禁じる州もあります。住まいボンド(敷金、Rental bond)と預かり機関賃貸住宅のボンド(敷金)は、多くの州・準州で家賃4週間分が上限で、大家ではなく州の預かり機関に預けるのが原則です。上限、預け先、預ける期限は州・準州ごとに違います。払う前に、預かり機関に預けられるか、受領書が出るかを確認しましょう。住まい賃貸詐欺(Rental scam)に注意実在しない物件や、他人の物件の広告を使って、ボンドや家賃を先に振り込ませる賃貸詐欺があります。物件の中を見る前、相手を確かめる前に、お金や身分証の情報を渡さないことが基本です。被害にあったら、すぐ銀行に連絡し、Scamwatchや警察に報告します。住まい賃貸契約書(Residential tenancy agreement)の読み方賃貸契約書(リース)は大家と借主の権利と義務を定める契約で、州・準州の賃貸法に反する条項は無効です。多くの州に標準の様式があり、署名後のクーリングオフはありません。家賃、ボンド、期間、特別条項を署名前に確認しましょう。住まい貸主とのトラブルと相談先(州の審判所 NCAT・VCAT・QCAT など)大家や不動産会社とのトラブルは、まず話し合い、だめなら州・準州の窓口に相談し、最後は審判所や裁判所が判断します。窓口と審判所の名前、申し立ての期限は州ごとに違います。期限が短いことがあるため、早めに相談しましょう。住まい留学生の住まい(Student accommodation)留学生の住まいには、短期の滞在先、民間の賃貸やシェアハウス、学生専用の寮、大学が管理する寮、レジデンシャル・カレッジ、ホームステイなどがあります。費用や含まれるもの、法律での守られ方が違います。18歳未満の留学生は、学校が住まいと福祉の手配を承認する必要があります。