日本の年金と海外在住(Japanese pension for overseas residents)
海外に住むと国民年金の強制加入の対象ではなくなりますが、日本国籍で20歳以上65歳未満の人は任意加入ができます。任意加入しなかった海外在住期間は、年金額には反映されませんが受給資格期間には数えられます。海外に住みながら年金を受け取るには、請求の手続きと毎年の現況届が必要です。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
海外に住む人と日本の年金
日本の公的年金は日本年金機構が運営しています。海外に住む人に関係するのは、おもに国民年金の任意加入、受給資格期間の数え方、海外での受け取りの3点。オーストラリアの(スーパー)とは別の制度です。
国民年金の任意加入
海外に住むことになった人は、国民年金の強制加入の対象ではなくなります(日本年金機構の任意加入のページ(新しいタブで開く))。日本国籍の人は、任意加入ができます。任意加入制度のページでは、対象を「外国に居住する日本人で、20歳以上65歳未満の方」としています。
任意加入の手続き窓口は、状況によって次のように違います。
| 状況 | 窓口 |
|---|---|
| これから海外に転出する人 | 住んでいる市区町村 |
| 海外に住んでいて、国内協力者がいる人 | 日本での最後の住所地の市区町村 |
| 海外に住んでいて、国内協力者がいない人(日本に住んだことがある) | 日本での最後の住所地を管轄する年金事務所 |
| 海外に住んでいて、国内協力者がいない人(日本に住んだことがない) | 千代田年金事務所 |
「国内協力者」は、日本にいる親族で、本人の代わりに手続きや保険料の納付をする人です。提出する書類は「国民年金被保険者関係届書(申出書)」です。
保険料は、国内協力者が代わりに納めるか、日本国内の預貯金口座から引き落として納めます。付加保険料を納めることもできます。任意加入中は、保険料の免除・納付猶予や学生納付特例は申請できません。
任意加入して保険料を納めると、その期間は老齢基礎年金の額に反映され、海外在住中に亡くなったときや障害が残ったときには、遺族基礎年金や障害基礎年金の対象にもなります。逆に、任意加入しても保険料を納めなければ、年金額には反映されません。
受給資格期間と合算対象期間
老齢基礎年金のページの説明では、老齢基礎年金は、保険料を納めた期間や免除された期間などを合わせた受給資格期間が10年以上ある場合に、原則65歳から受け取れます。
合算対象期間のページでは、昭和61年(1986年)4月1日以降の期間について、「日本人であって海外に居住していた期間のうち国民年金に任意加入しなかった期間」(20歳以上60歳未満に限る)を合算対象期間としています。合算対象期間は、年金額には反映されませんが、受給資格期間には数えられます。
日本とオーストラリアの年金加入期間を通算する社会保障協定もあり、こちらは「日豪社会保障協定」で取り上げています。
海外に住みながら年金を受け取る
老齢年金は、受給開始年齢になっても自動的には始まらず、年金請求書を出す必要があります。
- 年金請求書は、日本年金機構のページからダウンロードする。
- 海外に住む人は、「外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届」を必ず添付する。
- 提出先は、日本での最終住所地を管轄する年金事務所か、街角の年金相談センター。
年金は海外の金融機関の口座でも受け取れます。その場合は、原則としてSWIFT(BIC)コードのある金融機関を指定し、口座証明などを添付します。海外への送金通貨は国ごとに決まっていて、個人では選べません。
毎年の現況届
海外に住んで年金を受け取る人は、年1回「現況届」を出します。期限は誕生月の末日です。2025年4月以降に誕生月を迎える人には、誕生月の3か月前に現況届が送られます。
日本国籍の人は、住んでいる国の日本の領事館などが発行する「在留証明」を添付します。在留証明の取り方は「各種証明の申請」にあります。マイナンバーカードを持つ人は、e-Gov電子申請でも提出可能。誕生月の中旬までに現況届が届かないときは、届くのを待たずに提出するよう日本年金機構は案内しています。
手順
海外転出の前に任意加入する場合
- 住んでいる市区町村の窓口で、海外転出の手続きと合わせて任意加入を申し出る。
- 保険料の納め方(国内協力者による納付か、日本の口座からの引き落とし)を決める。
- 日本に帰国して住民票を登録したら、転入した市区町村で強制加入の手続きをする。
海外で年金を請求する場合
- 受給開始年齢になったら、年金請求書をダウンロードする。
- 「外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届」と、必要な添付書類をそろえる。
- 日本での最終住所地を管轄する年金事務所などに提出する。
- 受給が始まったら、毎年、誕生月の末日までに現況届を出す。
費用
国民年金保険料の額は、日本年金機構のページか年金事務所で案内されています。
現況届に添付する在留証明の発行手数料は、大使館の手数料表ではA$13です(2026年10月時点)。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の年金の相談は、日本年金機構が受け付けています。在シドニー総領事館は、海外からの電話相談先として「ねんきんダイヤル」を案内しています。番号と受付時間は日本年金機構の電話相談のページ(新しいタブで開く)に載っています(国際電話料金がかかります)。
- 任意加入している人が一時帰国などで短期間だけ住民票を登録した場合も、その期間は強制加入になり、手続きが必要です。
- 任意加入すべきかどうかは、加入期間や将来の計画によって違います。個別の判断は、日本年金機構や年金事務所に相談してください。
- 日本年金機構は、海外に住む人も「ねんきんネット」を利用できると案内しています。
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