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遺言(Wills)

在住駐在
ひとことで言うと

オーストラリアの遺言は、18歳以上で判断能力のある人が、書面で作り、2人以上の証人の前で署名するのが基本です。結婚すると前の遺言が取り消されるなど、州の法律で決まったルールがあります。各州の公的な受託機関(Public Trustee)が遺言の作成を受け付けています。

目次
  1. 遺言のしくみ
  2. 州・準州ごとの違い
  3. 手順
  4. 費用
  5. 日本との違い・注意点
WILL
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

遺言のしくみ

遺言(Will)は、亡くなった後に自分の財産(遺産、estate)をどうしてほしいかを書いた書面です(Victoria Legal Aidのページ(新しいタブで開く))。遺言のルールは州・準州の法律で決まっています。ここでは、ニューサウスウェールズ州(NSW)とビクトリア州(VIC)の法律扶助機関の説明をもとに、主な点をまとめます。

有効な遺言の主な条件

項目内容
作る人18歳以上で、判断能力があること(NSW・VIC)
形式書面であること(NSW・VIC)
署名本人が署名すること(NSW)
証人2人以上の証人の前で署名すること(VIC)。証人は遺産を受け取る人(受益者)でないこと(NSW)

Victoria Legal Aidの有効な遺言のページでは、VICのルールとして次の点も挙げています。

  • 複数ページの遺言は、各ページの下に署名する
  • 署名した日付を書いておくとよい
  • 条件を満たせば、証人がビデオなどの映像と音声でつないで立ち会うこともできる(証人の1人が弁護士か治安判事(JP)であることなど)

判断能力(testamentary capacity)とは、遺言が何でどんな効果があるか、おおよそどんな財産があるか、誰かが財産について正当な請求をしうるかを理解していることです。

結婚・離婚と遺言(NSW)

NSWの決まりは次のとおりです(Legal Aid NSWのページ(新しいタブで開く))。

  • 結婚すると、遺言は自動的に取り消される。結婚を前提に作ったことが明らかな遺言は除く
  • 離婚すると、配偶者への贈与と、配偶者を遺言執行者・受託者・後見人にした指定が取り消される

他の州・準州のルールは、それぞれの公式ページにあります。

遺言がないとき

Legal Aid NSWの説明では、遺言を残さずに亡くなること(intestate)は、財産について何の指示も残していないということです。遺産は法律で決まった順番で家族に渡り、家族がいない場合は政府のものになります。

遺言の保管(NSW)

Legal Aid NSWは、遺言の保管場所として、自宅、弁護士、NSW Trustee and Guardianの保管サービス、銀行を挙げています。

州・準州ごとの違い

各州・準州には、政府の受託機関(Public Trustee など)があります。遺言の作成の受付状況は次のとおりです(2026年10月時点)。

州・準州機関確認できた内容
NSWNSW Trustee and Guardian遺言を作成する。標準の遺言はA$462。センターリンクの老齢年金(Age Pension)を満額受け取る資格がある人などは無料(NSW政府のページ(新しいタブで開く))
VICState Trustees遺言を作成する。料金はState Trusteesのページ(新しいタブで開く)で確認
QLDQueensland Public Trustee18歳以上のクイーンズランド州民に、無料で遺言を作成する(QLD政府のページ(新しいタブで開く))
WAPublic Trustee遺言の作成と助言を行う(WA政府のページ(新しいタブで開く))
SAPublic Trustee対象となる人で、Public Trusteeを遺言執行者に指名する場合は、無料で遺言を作成・更新する。対象外の人は、弁護士や民間の受託会社などを使う
ACTPublic Trustee and Guardian遺言作成サービスを使えるよう案内・支援する。収入の少ない人向けに、料金の上限が決まった法律事務所の案内がある(1人の遺言A$702まで)。アボリジナル・トレス海峡諸島民向けの無料の遺言もある
TASPublic Trustee遺言を作成する。1人A$140、夫婦A$210(Public Trustee Tasmaniaのページ(新しいタブで開く))
NTPublic Trustee遺言を作成する。Public Trusteeを遺言執行者にする簡単な遺言A$154、複雑な遺言A$382.80、割引カードを持つ人A$30.80

Public Trustee Tasmaniaの案内では、Public Trusteeを遺言執行者・代理人に指名する場合、高齢者や年金受給者の割引カードを持つ人は、標準の遺言と継続的委任状(enduring power of attorney)を無料で作れます。

手順

  1. 財産と、誰に何を残したいかを整理する。
  2. 作り方を選ぶ。弁護士、州のPublic Trusteeなどの受託機関、市販の遺言キットがあります。
  3. 遺言執行者(executor)を誰にするか決める。
  4. 2人以上の証人の前で署名する。受益者は証人にしない。
  5. 安全な場所に保管し、保管場所を家族や遺言執行者に伝える。
  6. 結婚・離婚など生活が変わったときは、見直す。

費用

弁護士や受託機関によって違います。NSWとTASの受託機関の料金は上の表のとおりです(2026年10月時点)。ほかの機関の料金は、それぞれのページに載っています。

日本とのちがいと注意点だよ!

  • 遺言が有効かどうかは州・準州の法律で決まります。具体的な内容は、弁護士や州の受託機関に相談してください。無料の相談先は「無料の法律相談」にまとめています。
  • 日本にある財産を相続するときの日本側の手続き(相続登記や相続税)は、「相続と海外在住」の記事で扱っています。
  • 判断ができなくなったときに備える継続的委任状なども、受託機関で作れる場合があります。

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