日本人のためのオーストラリア情報
ビザ・移住 / 市民権

血統による市民権(Australian citizenship by descent)

在住駐在
ひとことで言うと

オーストラリア国外で生まれ、生まれた時に親の一方か両方がオーストラリア市民だった人は、血統による市民権を申請できる場合があります。テストや授与式はなく、承認された日に市民になります。申請料は2026年10月時点でA$380です。日本国籍への影響があるため、申請前に確認が必要です。

目次
  1. 血統による市民権とは
  2. 手順
  3. 費用
  4. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

血統による市民権とは

血統による市民権(citizenship by descent)は、オーストラリア国外で生まれた人が、親がオーストラリア市民であることをもとに市民権を得る方法です。内務省の血統による市民権のページ(新しいタブで開く)をもとに説明します(2026年10月時点)。

主な条件

  • オーストラリア国外で、1949年1月26日以降に生まれた
  • 生まれた時点で、親の一方か両方がオーストラリア市民だった。その人が生まれた時点で親であったことも必要
  • 申請時に18歳以上の場合は「善良な人格(good character)」である

親が次の方法で市民になった場合は、申請の前に、その親が合法的に通算2年以上オーストラリアにいたことが必要です。

  • 血統による市民権で市民になった
  • ハーグ条約などにもとづく国外での養子縁組で市民になった

国際的な代理出産で生まれた人には別の案内があり、内務省のページに載っています。

善良な人格の判断

18歳以上の申請者の判断では、犯罪歴、国内外の裁判所への義務、問題のある人物とのつながり、家庭内暴力の記録、ビザや市民権の申請で正直だったかなどが考慮されます。

ほかの方法との違い

項目血統による市民権授与(永住者の申請)
対象国外で生まれた市民の子永住者
市民権テスト・面接なし18〜59歳の多くの人は受ける
授与式なし原則として出席して宣誓する
市民になる日申請が承認された日授与式で宣誓した日

永住者の申請は「市民権の取得」、授与式は「市民権の授与式」で扱っています。

すでに市民で、その証明が必要な人は、血統による申請ではなく「市民権の証明(Evidence of Australian citizenship)」を申請します。

手順

  1. 内務省のページで条件を確認する。
  2. 書類をそろえる。本人確認書類、親子関係と親の市民権を示す書類、写真など。18歳以上は人格に関する書類も用意する。
  3. ImmiAccountからオンラインで申請し、申請料を払う(Form 118)。国内からも国外からも申請できる。15歳以下の場合は、親が申請書に署名する。
  4. 審査を待つ。追加の書類や原本を求められることがある。親子の血縁を確かめるため、DNA検査の案内が届くことがある。検査は任意で、費用は自己負担。案内を受ける前に検査を始めない。
  5. 承認の通知を受ける。承認された日に市民になる。
  6. 市民権証明書が書留郵便で届く。氏名と生年月日に誤りがないか確かめる。

内務省は、確実に届けるため、できればオーストラリアの郵送先住所を書くよう案内しています。不許可になった場合は、行政審判所(Administrative Review Tribunal)に審査を求めることができます。

この申請のためにブリッジングビザは出ません。国内から申請した人が出国する場合は、再入国できるパスポートとビザを確かめてください。

費用

内務省の申請料の一覧(Form 1298i)の金額は、2026年10月時点で次のとおりです。

申請申請料
血統による市民権(Form 118)A$380
同時に申請する2人目以降の兄弟姉妹1人A$160

申請料は、通常、毎年7月1日に上がります。DNA検査を受ける場合の費用は別です。

日本とのちがいと注意点だよ!

  • 在オーストラリア日本国大使館のページ(新しいタブで開く)は、オーストラリア市民権法の登録(Registration)または申請(Application)によるオーストラリア国籍の取得は、「自己の志望による外国国籍の取得」にあたり、日本国籍を失うものと解されると説明しています。日本国籍を持つ子の申請を考えている場合は、事前に大使館・総領事館に確認してください。日本国籍との関係は「市民権取得と日本国籍」にまとめています。
  • 血統による市民権は、出生と同時に自動的に得るものではなく、申請して承認された日に得るものです。
  • 承認されるまで、オーストラリアのパスポートは申請できません。
  • 18歳以上の市民は、選挙人名簿への登録が必要です。
  • 国外にいる子がオーストラリアに住む方法として、子どものビザもあります(「子どものビザ」)。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

ビザ・移住市民権の取得(Australian citizenship by conferral)永住者は、居住要件などを満たすとオーストラリア市民権を申請できます。原則として、申請前4年間オーストラリアに住み、そのうち直前の1年は永住者であることが必要です。18〜59歳の多くの人は市民権テストを受け、最後に市民権授与式で宣誓します。一般の申請料は2026年10月時点でA$595です。ビザ・移住市民権取得と日本国籍(国籍法第11条)日本の国籍法では、自分の意思で外国の国籍を取得すると、自動的に日本国籍を失います。在オーストラリア日本国大使館は、申請などによるオーストラリア市民権の取得はこれにあたると説明しています。オーストラリアは二重国籍を認めていますが、日本側の扱いは別です。申請の前に慎重に検討してください。ビザ・移住市民権の授与式(Australian citizenship ceremony)市民権の申請が承認された多くの人は、授与式で忠誠の宣誓(pledge of commitment)をした時点で市民になります。招待状は式のおよそ4週間前に、カウンシルか内務省から届き、日時と場所は選べません。承認から12か月以内に出席しないと、承認が取り消されることがあります。ビザ・移住子どものビザ(Child visa、subclass 101・802など)オーストラリア市民・永住者・対象のNZ市民の親に扶養されている子どもは、子どものビザ(永住)を申請できます。国外から申請するのがsubclass 101、国内から申請するのがsubclass 802です。親がスポンサーになり、申請料は2026年10月時点でA$4,040からです。ビザ・移住ImmiAccountでの申請の流れImmiAccountは内務省のオンライン申請の窓口です。ワーキングホリデーや学生ビザなど多くのビザは、ここでアカウントを作り、書類を添付し、申請料を払って申請します。ETA(subclass 601)はImmiAccountではなく専用アプリで申請します。日本との関係出生・婚姻などの戸籍の届出(Family register notifications)海外で日本人の出生や婚姻などがあったときも、日本の戸籍法にもとづく届出が必要です。届出先は、大使館・総領事館か日本の本籍地の市区町村です。出生届は生まれた日を含めて3か月以内で、外国籍も持つ子は同じ期限内に日本国籍を留保しないと日本国籍を失います。