日本人のためのオーストラリア情報
ビザ・移住 / ビザの基本

ビザの取り消しと条件違反(Visa cancellation)

ひとことで言うと

ビザは、条件を守らなかったときや、申請の内容が事実と違ったときなどに取り消されることがあります。国内にいて取り消されると不法滞在の状態になり、拘束や国外退去、再入国の禁止につながることがあります。通知が届いたら期限内に対応し、登録移民エージェントや弁護士に相談します。

目次
  1. ビザが取り消される場合
  2. 手順
  3. 日本との違い・注意点
VISA
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

ビザが取り消される場合

一度許可されたビザでも、取り消される(cancel)ことがあります。取り消しのルールは、移民法(Migration Act 1958)に定められています。

取り消しの主な理由

移民法(新しいタブで開く)の第116条では、大臣(実際には内務省の担当官)がビザを取り消せる場合として、次のようなものを挙げています。

  • ビザの許可の前提だった事実や状況が、なくなった、またはもともとなかった
  • ビザの保持者が、ビザの条件(visa conditions)を守らなかった
  • 保持者がいることが、地域社会や個人の健康・安全・秩序にとって危険になりうる
  • 法律に反して申請・許可された
  • 学生ビザで、真正な学生ではない、またはビザが想定していない行動をした
  • 規則で定められたほかの理由に当たる

本人の身元が確かめられない場合も、取り消しの対象になります。

条件違反の例

内務省の再入国禁止のページ(新しいタブで開く)では、取り消しの例として次のものを挙げています。

  • 偽の書類や情報を出した
  • 地域社会の健康・安全・秩序にとって危険とされた
  • オーストラリアの法律に反する罪で有罪になった
  • ビザの条件に違反した(例:就労禁止の条件があるのに働いた)
  • 真正な学生の要件(Genuine Student requirement)を満たさなくなった

自分のビザの条件は、VEVOか許可通知で確認できます。

素行(character)を理由とする取り消し

移民法第501条の「素行テスト(character test)」を満たさない場合も、ビザが取り消されることがあります。内務省の素行要件のページでは、次の場合は法律上、取り消しが義務とされています。オーストラリアの法律に反する罪で、フルタイムで刑務所に収容されていることが前提です。

  • 死刑、終身刑、または12か月以上の拘禁刑を言い渡された
  • 18歳未満の人に対する性犯罪で有罪になった、または罪が立証された

この義務的な取り消しには、28日以内に取り消しの撤回(revocation)を求められます。素行要件そのものは「無犯罪証明とキャラクター要件」にまとめています。

取り消しの前の通知

第116条による取り消しを検討するとき、大臣は保持者に書面で通知しなければなりません(第119条)。通知には、取り消しの理由と、その理由の元になった情報が書かれます。保持者は、指定された期限までに、理由が当たらないことや、取り消すべきでない事情を示すことができます。

国外にいる人のビザの取り消しには、別の手続きの規定があります(第128条など)。

家族のビザへの影響

第116条などで主な保持者のビザが取り消されると、家族(member of the family unit)として持っているビザも取り消されます(第140条)。

取り消された後

影響内容
在留資格国内にいて有効なビザがなくなると、不法滞在の状態になる
拘束・退去新しいビザが取れなければ、出国する必要がある。出国しないと、拘束(detention)や国外退去(removal)、その費用の請求の対象になる
再入国最長3年の再入国禁止(exclusion period)がかかることがある。永久に禁止される場合もある
申請の制限素行を理由に取り消された人が国内で申請できるビザは、保護ビザ(subclass 866)に限られる

再入国禁止がかかった場合も、一時ビザの申請はできます。やむを得ない事情を書面で説明すると、禁止の適用を外す(waive)よう求められます。永住ビザの申請では、移民の経歴が考慮されます。

手順

取り消しの通知を受けたときの一般的な流れです。

  1. 通知の内容と、回答の期限を確認する。
  2. 期限内に、通知への回答と証拠を出す。
  3. 判断が難しいときは、早めに登録移民エージェントか弁護士に相談する。
  4. 取り消しの決定が出たら、決定の通知書で、審査を求める権利と期限を確認する。
  5. 有効なビザがなくなった場合は、内務省の在留資格解決サービス(Immigration Status Resolution Service)(新しいタブで開く)に相談できる。

取り消しの決定の内容は、独立した行政審査審判所(Administrative Review Tribunal、ART)で審査を受けられる場合があります。ARTの移民関係のページ(新しいタブで開く)で、対象の決定を確認できます。申請の期限は厳しく、決定の通知書に書かれた期限内に書面で申し込みます。大臣本人が下した決定は、裁判所での司法審査しか求められません。

ここに注意してね!

  • ビザの条件は、サブクラスや個人によって違います。働ける時間や勉強できる期間などを、VEVOで定期的に確認してください。
  • 国内で有効なビザがなくなり、その状態が28日を超えてから出国すると、最長3年は別のビザが許可されないことがあります。
  • 申請や入国カードで事実と違うことを書くと、ビザの拒否や取り消しの理由になります。
  • 取り消しの判断は個々の事情によります。登録移民エージェントや弁護士に相談してください。相談先は「登録移民エージェントと相談先」で扱っています。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

ビザ・移住VEVOでビザの条件を確認する(Visa Entitlement Verification Online)VEVOは、自分のビザの期限・就労や就学の可否・ビザ条件をオンラインで確認できる内務省のシステムです。パスポートとTRNなどの番号があれば使え、確認結果を雇用主などにメールで送ることもできます。スマートフォン用のmyVEVOアプリもあります。ビザ・移住無犯罪証明とキャラクター要件(Character requirement)ビザを受けて滞在し続けるには、素行の要件(キャラクター要件)を満たす必要があります。申請では各国での有罪判決や起訴をすべて申告し、求められたら警察証明(無犯罪証明)を出します。日本の警察証明は、オーストラリア国内では日本の大使館・総領事館を通じて申請します。ビザ・移住ブリッジングビザ(Bridging visa)ブリッジングビザは、国内で次のビザを申請し、結果を待つ間などに合法に滞在するための一時ビザです。多くは本申請と同時に自動で申請されます。出国すると多くの場合は失効し、審査中に出国して戻るにはBVB(2026年10月時点でA$575)の許可が必要です。ビザ・移住ワーホリの就労・就学の条件(ビザ条件8547・8548)ワーキングホリデービザでは、どんな仕事もできますが、同じ雇用主の下で働けるのは原則6か月までです(条件8547)。農業・観光・医療などの業種や、勤務地を変える場合は例外があります。就学は1つのビザにつき4か月までです(条件8548)。ビザ・移住学生ビザの就労条件(ビザ条件8105)学生ビザ(subclass 500)では、コースの期間中は2週間で48時間まで働けます。学期の休みなどコースが行われていない期間は、時間の制限がありません。研究型の修士課程と博士課程の学生は、コース開始後は制限がありません。ビザ・移住登録移民エージェントと相談先(Registered migration agents)ビザ申請の助言や書類作成を報酬を受けて手伝えるのは、登録移民エージェント(RMA)と弁護士だけです。エージェントに頼む前に、移民エージェント登録局(OMARA)の登録簿で登録と処分歴を確認できます。