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職場の差別とハラスメント(Discrimination, bullying and sexual harassment)

ひとことで言うと

人種、性別、年齢、妊娠、障害などを理由に、雇用主が従業員や応募者に不利益な扱いをすることは法律で禁じられています。職場のいじめやセクシュアルハラスメントも、公正労働委員会、人権委員会、州・準州の機関などに相談できます。相談先によって期限や手続きが違います。

目次
  1. 差別の禁止
  2. 職場のいじめ(Bullying)
  3. セクシュアルハラスメント
  4. 主な相談先
  5. オーストラリア人権委員会(AHRC)
  6. 州・準州ごとの違い
  7. 手順
  8. 費用
  9. 日本との違い・注意点
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ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

差別の禁止

公正労働法(Fair Work Act)では、雇用主が次の属性を理由に、従業員や応募者に不利益な扱い(Adverse action)をすることを禁じています。

人種、肌の色、性別、性的指向、年齢、身体・精神の障害、婚姻の状況、家族や介護の責任、妊娠、宗教、政治的意見、民族的出身(National extraction)、社会的出身、授乳、性自認、インターセックスであること、家庭内暴力を受けていること。

不利益な扱いには、次のようなものがあります。

  • 解雇する
  • 給料や休暇などの権利を与えない
  • 仕事の内容を不利に変える
  • ほかの従業員と違う扱いをする
  • 採用しない、または不利な条件で採用を申し出る

差別は、応募の段階、働き始める前、働いている間のどの時点でも起こりえます。ただし、仕事に欠かせない条件による扱い(例:18歳未満の人は法律でお酒を出せない)などは、差別に当たらない場合があります。

職場の権利を使ったこと(給料について尋ねた、苦情を申し立てたなど)を理由に不利益な扱いをすることも禁じられています。

職場のいじめ(Bullying)

いじめとは、ある人や集団が、働く人に対してくり返し不合理な行動をとり、健康と安全に危険を生じさせることです。例として、攻撃的な態度、からかい、職場の行事からの排除、不合理な仕事の要求があります。

上司が合理的なやり方で行う業務上の指示や、能力不足への対応は、いじめに当たりません。

セクシュアルハラスメント

公正労働法では、望まない性的な誘いや性的な要求、その他の望まない性的な言動で、相手が不快に思い、屈辱や脅威を感じることが合理的に予想できるものをセクシュアルハラスメントとしています。いじめと違い、1回だけでも当たります。

性差別禁止法(Sex Discrimination Act)では、組織や事業者に、職場のセクシュアルハラスメントや性差別を、できる限りなくすための積極的な義務(Positive duty)があります。

主な相談先

相談先主な内容
職場の上司、安全衛生の担当者、人事、労働組合まず職場の中で相談できる
公正労働委員会(Fair Work Commission、FWC)いじめを止める命令、セクシュアルハラスメントの紛争、差別などを理由とする一般保護の申し立て
公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)法律についての情報。セクシュアルハラスメントや一般保護の違反の調査。匿名の通報も受け付ける
オーストラリア人権委員会(Australian Human Rights Commission、AHRC)連邦の差別禁止法に関する苦情を受け付け、調停で解決を図る
州・準州の差別禁止の機関州・準州の法律に関する苦情(下の表)
州・準州の安全衛生の機関職場のいじめやセクシュアルハラスメントについての助言

FWC へのセクシュアルハラスメントの申し立ては、通常、最後の被害から2年以内です。差別などを理由に解雇された場合の一般保護の申し立ては、解雇から21日以内です。

同じ出来事について、別々の法律で複数の機関に申し立てることには制限があります。例えば、FWC と差別禁止の機関の両方に申し立てられないことがあります。申し立ての前に、どこに出すかを決めておく必要があります。

オーストラリア人権委員会(AHRC)

AHRC は、人種、性別、障害、年齢による差別などの苦情を受け付けます。雇用では、宗教、犯罪歴、労働組合の活動、政治的意見、社会的出身による差別も対象です。

  • 苦情の申し立ては無料で、弁護士は必要ありません。
  • 苦情は書面で受け付けます。申し立ての方法は人権委員会の申し立てのページ(新しいタブで開く)に案内があります。
  • 調停(Conciliation)では、必要に応じて通訳を手配できます。
  • 解決せずに苦情が打ち切られた場合は、打ち切りから60日以内に連邦の裁判所に申し立てられることがあります。

申し立てできるか分からないときは、AHRC の全国情報サービス(National Information Service、1300 656 419)に問い合わせできます。

州・準州ごとの違い

各州・準州にも差別禁止の法律と機関があります。セクシュアルハラスメントの苦情も、州・準州の機関に申し立てられます。

州・準州差別禁止の機関
NSWAnti-Discrimination NSW(新しいタブで開く)(無料)
VICVictorian Equal Opportunity and Human Rights Commission(新しいタブで開く)
QLDQueensland Human Rights Commission(新しいタブで開く)
WAEqual Opportunity Commission(新しいタブで開く)
SAEqual Opportunity SA(新しいタブで開く)
ACTACT Human Rights Commission(新しいタブで開く)
TASAnti-Discrimination Commissioner(新しいタブで開く)
NTNT Anti-Discrimination Commission(新しいタブで開く)

対象となる属性、期限、手続きは機関ごとに違い、各機関のページに載っています。

手順

  1. 安全が脅かされているときは、000 に電話する。危険はないが警察の助けが必要なときは 131 444 に電話する。
  2. 何があったか、日時、場所、関わった人、証拠(メールやメッセージなど)を記録する。
  3. 安全にできるなら、職場の上司、人事、安全衛生の担当者に相談する。職場のハラスメントの方針があれば確認する。
  4. 解決しなければ、内容に合った相談先を選ぶ。期限と、複数の申し立ての制限に注意する。
  5. 法律の助言が必要なときは、FWC の職場相談サービス(Workplace Advice Service)や弁護士に相談する。

FWC の職場相談サービスでは、弁護士がいない、労働組合に入っていないなどの条件を満たす人が、解雇、一般保護、いじめ、セクシュアルハラスメントについて無料の法律相談を受けられる場合があります。

費用

AHRC への苦情の申し立ては無料です。FWC へのいじめを止める命令や一般保護の申し立てには、2026–27年度でA$92.70の申立料がかかります。経済的に深刻な困難がある人は免除を申請できます(2026年10月時点)。

ここに注意してね!

  • 差別の禁止は、採用の段階から適用されます。年齢や妊娠を理由に採用しないことも差別に当たる可能性があります。
  • 相談先によって、扱う法律、期限、手続きが違います。どこに申し立てるか迷うときは、法律の専門家に相談してください(「無料の法律相談」)。
  • 解雇された場合の期限は21日と短いです。解雇については「不当解雇の相談」の記事で扱っています。
  • 心の不調があるときの相談先は「こころの相談先」にまとめています。

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