不当解雇の相談(Unfair dismissal)
解雇が過酷・不当・不合理だと思うときは、公正労働委員会(Fair Work Commission)に申し立てができます。期限は解雇から21日以内です。申し立てには、6か月(従業員15人未満の事業者は12か月)以上の勤務などの条件があり、申立料がかかります。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
申し立ての窓口と対象
不当解雇(Unfair dismissal)の申し立ては、公正労働委員会(Fair Work Commission、FWC)が扱います。FWC は全国の労使関係を扱う審判所です。公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)は、不当解雇の調査はしません。
不当解雇とは
次のいずれかに当たる解雇は、不当とされる可能性があります。
- 過酷(harsh)、不当(unjust)、不合理(unreasonable)である
- 本物の整理解雇(Genuine redundancy)ではない
- 小規模事業者の場合、小規模事業者公正解雇規範(Small Business Fair Dismissal Code)に沿っていない
FWC は、解雇に正当な理由があったか、理由を告げられ反論の機会があったか、能力不足が理由なら事前に警告があったか、などを考えて判断します。
本人が自分の意思で辞めた場合は解雇に当たりません。ただし、雇用主の行為のせいで辞めざるを得なかった場合は、解雇とされることがあります。契約期間の終了や、季節の仕事の終了は解雇に当たりません。
申し立てができる人
次の全てに当てはまる人が対象です。
- 全国の労使関係制度の雇用主(National system employer)に雇われている。民間企業の多くが当たります
- 最低勤務期間(6か月。従業員15人未満の小規模事業者は12か月)以上働いた
- 収入が高所得の基準額(High income threshold)未満である。アワードや労使協定の対象の人は、基準額を超えていても対象です
- カジュアルの人は、定期的・継続的に働き、それが続くと考える理由があった
高所得の基準額は、2026年7月1日からA$190,100です(2026年10月時点)。収入には、法律で決まったの拠出、金額があらかじめ決まらないボーナスや歩合などは含まれません。
人材派遣会社を通じて働いている人は、派遣先ではなく派遣会社に対して申し立てます。請負(Independent contractor)やボランティアは対象外です。
ほかの申し立て
解雇の理由が、職場の権利を使ったことや差別(人種、性別、妊娠、家族の世話の責任など)であれば、一般保護(General protections)の申し立てもできます。これも解雇から21日以内です。不当解雇とは別の手続きです(「職場の差別とハラスメント」)。
結果
多くの事件は、FWC の調停(Conciliation)で解決します。FWC の説明では、4件のうち3件が調停で解決しています。解決しない場合は、FWC の委員が審理して決めます。
FWC が不当と判断した場合、まず復職(Reinstatement)を検討し、適切でなければ補償金を命じることがあります。補償金は失った収入についてだけで、精神的な苦痛などは対象外です。
補償金の上限は、年収の半分と、補償の上限額(2026–27年度はA$95,050)のうち低い方です。補償金の中央値は5〜7週分の給料です(FWC、2026年10月時点)。
手順
- 解雇の日付、告げられた理由、雇用主の正式な名前(給与明細に載っていることがある)を記録する。解雇の通知のメールや書面は保管する。
- FWC の申し立てができるかの確認ページ(新しいタブで開く)で質問に答え、対象かどうかを確かめる。対象なら申し立ての様式に進める。
- 解雇から21日以内に FWC に申し立てる。全ての情報がそろっていなくても申し立てられ、書類は後から出せる。
- 申立料を払う。経済的に深刻な困難がある人は、免除を申請できる。
- 雇用主が回答し、通常は申し立てから約5週間後に任意の調停が開かれる。
- 調停で解決しなければ、会議や審理を経て FWC が決める。
弁護士なしで申し立てができます。FWC の職場相談サービス(Workplace Advice Service)では、弁護士がいない、労働組合に入っていないなどの条件を満たす人が、無料の法律相談を受けられる場合があります。
費用
申立料は2026–27年度でA$92.70です。毎年7月1日に変わります(2026年10月時点)。
FWC が審理などの日程を決める前か、最初の日程の2日前までに取り下げれば、申立料は返金されます。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 期限は解雇から21日以内で、日本の感覚より大幅に短いことに注意してください。
- 勤務期間が6か月(小規模事業者は12か月)未満の人は、不当解雇の申し立てができません。ただし、差別や権利の行使を理由とする解雇は、一般保護の申し立ての対象になりえます。
- 本物の整理解雇であれば、不当解雇の救済は受けられません。
- FWC は法律相談をしません。自分のケースが不当解雇に当たるかの判断は、職場相談サービスや弁護士に相談してください。無料の相談先は「無料の法律相談」にまとめています。
- FWC は、多くの言語に翻訳した案内(Information in your language)を用意しています。通訳サービスは「無料の通訳サービス」で紹介しています。
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