職場の安全と労災(Work health and safety と Workers' compensation)
雇用主には働く人の健康と安全を守る義務があり、働く人にも自分と周りの安全に注意する義務があります。仕事でけがや病気をしたときは、雇用主が加入する労災保険(Workers' compensation)から、休業中の給料の一部や治療費などが支払われる場合があります。制度と窓口は州・準州ごとに違います。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
職場の安全の義務
職場の安全衛生(Work health and safety、WHS)の法律では、立場ごとに義務が決まっています。
| 立場 | 主な義務 |
|---|---|
| 事業を行う者(PCBU。雇用主など) | 働く人と、仕事の影響を受ける人の健康と安全を確保する |
| 役員(経営者など) | 事業が法律を守るよう、相当の注意を払う |
| 働く人(Worker) | 自分と周りの人の安全に合理的な注意を払い、安全のための合理的な指示や方針に従う |
ここでの「働く人」には、従業員のほか、請負、見習い、職業体験の学生、派遣の人、ボランティアなども含まれます。
WHS の法律は州・準州ごとにあります。ビクトリア州(VIC)以外の州・準州と連邦は、全国共通のモデル法をもとにした法律を導入しています。ビクトリア州だけはモデル法を導入していません。
職場の権利の保護
労災保険の法律や WHS の法律に基づく権利を使ったこと、たとえば安全の問題を伝えたことを理由に、解雇や不利益な扱いをすることは、公正労働法(Fair Work Act)で禁じられています(「職場の差別とハラスメント」)。
職場のいじめ(Bullying)で、公正労働法の対象にならない場合は、州・準州の安全衛生の機関が助言をしています。
労災保険(Workers’ compensation)
雇用主は、働く人が仕事でけがや病気をしたときのために、保険に入ることが法律で義務づけられています。けがや病気の内容によって、次のような支援があります。
- 仕事を休んでいる間の給料の一部
- 医療費・入院費と、リハビリの費用
- 後遺障害が残った場合の一時金
- 仕事中に亡くなった場合の葬儀費用や、家族への支払い
オーストラリアには、主に11の労災保険の制度があります。州・準州ごとに1つと、連邦の3つです。それぞれ法律が違い、運用も違います。全国の機関であるセーフ・ワーク・オーストラリア(Safe Work Australia)は、請求の受付をしていません。請求については、州・準州の窓口に問い合わせます。
州・準州ごとの違い
セーフ・ワーク・オーストラリアの連絡先のページ(新しいタブで開く)をもとにまとめています(2026年10月時点)。
| 州・準州 | 労災保険の窓口 | 職場の安全の窓口 |
|---|---|---|
| NSW | State Insurance Regulatory Authority(SIRA)13 74 72 | SafeWork NSW 13 10 50 |
| VIC | WorkSafe Victoria 1800 136 089 | WorkSafe Victoria(労災と同じ) |
| QLD | WorkCover Queensland 1300 927 928 | Workplace Health and Safety Queensland 1300 362 128 |
| WA | WorkCover WA (08) 9388 5555 | WorkSafe WA 1300 307 877(州内) |
| SA | ReturnToWorkSA 13 18 55 | SafeWork SA 1300 365 255 |
| ACT | WorkSafe ACT 13 22 81 | WorkSafe ACT(労災と同じ) |
| TAS | WorkSafe Tasmania 1300 366 322(州内)、(03) 6166 4600(州外) | WorkSafe Tasmania(労災と同じ) |
| NT | NT WorkSafe 1800 019 115 | NT WorkSafe(労災と同じ) |
連邦政府の職員などは、コムケア(Comcare、1300 366 979)の制度の対象です。鉱山など一部の業種には、別の安全の窓口があります。
NSW では、2026年7月1日から労災保険の法律が変わっています。請求の期限や手順の最新の情報は、州・準州の窓口のページにあります。
手順
仕事でけがや病気をしたときの流れを、NSW の SIRA の案内をもとにまとめています。手順と期限は州・準州で違うため、働いている州・準州の窓口でも確かめてください。
- 急いで治療が必要なときは、まず治療を受ける(SIRA のページ(新しいタブで開く)でも、緊急の治療を最優先するよう案内しています)。救急の呼び方は「救急(000)」にまとめている。
- できるだけ早く、雇用主に知らせる。けがをした日時、どのように起きたか、けがの内容を伝える。
- 雇用主の保険会社から連絡があれば、その案内に沿って請求の手続きをする。
- 分からないことは、州・準州の労災保険の窓口に問い合わせる。
例として NSW では、雇用主に知らせることができない事情があれば、保険会社に直接連絡できます。
ここに注意してね!
- 労災保険の制度と窓口は州・準州ごとに違うので、働いている州・準州の窓口を確かめておきます。
- 安全について気になることは、職場の上司や安全衛生の担当者に伝えられます。解決しないときは、州・準州の安全の窓口に相談できます。
- 建設現場で働く人に必要な資格は「建設現場の資格(ホワイトカード)」で扱っています。
- 請求できるかどうかの個別の判断は、州・準州の窓口か、弁護士に確認してください。
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