カンガルー肉(Kangaroo meat)
ひとことで言うと
カンガルー肉は、野生のカンガルーを商業的に捕獲したものです。南オーストラリア州では、捕獲できる種類と、推定した数に対する捕獲の上限(割合)が決められています。バーベキューで焼く肉の一つとしても紹介されています。
どんな肉か
カンガルー肉は、牧場で育てた家畜ではなく、野生のカンガルーを捕獲した肉です。政府観光局(Tourism Australia)の食の体験のページ(新しいタブで開く)では、バーベキューで焼くものとして、ラム、牛肉、シーフードと並んでカンガルーが挙げられています。
捕獲のしくみ(南オーストラリア州の例)
南オーストラリア州(SA)環境・水省(Department for Environment and Water、DEW)の2026年の捕獲枠の報告書(PDF)(新しいタブで開く)から、しくみをまとめます。
- SAでは、すべてのカンガルーが州の国立公園・野生生物法(National Parks and Wildlife Act 1972)で保護されている。ただし同じ法律で、決められた種類だけ、持続可能な範囲での捕獲が認められています。
- カンガルー製品の輸出は、連邦の環境保護・生物多様性保全法(EPBC Act)で規制されています。
- 捕獲と輸出には、州の法律と連邦の法律の両方で認められた管理計画が必要です。今の計画は「SA Commercial Kangaroo Management Plan 2025-2029」です。
- 毎年、空からの調査などで数を推定し、それをもとに捕獲の上限(quota)を決めます。
| 種類 | 捕獲の上限(推定した数に対する割合の最大) |
|---|---|
| アカカンガルー(Red kangaroo) | 20% |
| ニシハイイロカンガルー(Western grey kangaroo) | 15% |
| ヒガシハイイロカンガルー(Eastern grey kangaroo) | 15% |
| ユーロ(Euro) | 15% |
| ダマヤブワラビー(Tammar wallaby) | 10% |
DEWのカンガルー産業の許可のページ(新しいタブで開く)では、捕獲して野外で食用の基準まで処理する仕事、肉に加工する仕事、皮をなめす仕事には、それぞれ州の許可が必要です。許可を受けた人は、商業目的の人道的な射撃についての国の行動規範(National Code of Practice for the Humane Shooting of Kangaroos and Wallabies for Commercial Purposes)に従います。
ニューサウスウェールズ州の場合
ニューサウスウェールズ州(NSW)の環境当局のカンガルー管理のページ(新しいタブで開く)から、しくみをまとめます。
- NSWでは、カンガルーは州の生物多様性保全法(Biodiversity Conservation Act 2016)で保護されています。許可なく傷つけたり、商業目的で売り買いしたりすることは違反です。
- 商業的な捕獲の対象は、ヒガシハイイロカンガルー、ニシハイイロカンガルー、アカカンガルー、ワラルー(Common wallaroo)の4種類です。
- 捕獲は、連邦政府が承認した野生生物取引の管理計画(2022〜2026年)にもとづいて行われます。
- 捕獲できる地域は15の管理区域に分かれ、区域ごとに種類別の上限が決められます。上限はふつう、推定した数の15%(アカカンガルーは17%)で、数が少ない年は低くなります。
- 国立公園などの保護区では捕獲できません。私有地で、土地の持ち主などの書面の許可がある場合だけです。
- 捕獲にも、死体の売買や加工にも、許可(licence)が必要です。
ほかの州・準州の制度は、それぞれの州の環境当局が案内しています。
ここに注意してね!
- 野生の動物の肉です。家畜の肉とは捕獲や管理のしくみが違います。
- SAでは、すべてのカンガルーが法律で保護されており、商業的な捕獲や加工には州の許可が必要です。
- 生きた動物としてのカンガルーは「オーストラリアの動物」で紹介しています。
この記事をシェアする
次に読むならこれ
買い物・食ブッシュフード(Bush food、bush tucker)ブッシュフード(ブッシュタッカー)は、オーストラリア在来の植物や動物で、先住民が昔から食べてきたものです。フィンガーライム、ワトルシード、ソルトブッシュなどが知られています。国立公園の植物は法律で保護されているので、自分で採らず、ツアーや店で味わいます。買い物・食釣りのルール(州ごと)(Recreational fishing rules)趣味の釣りに許可(ライセンス)や料金が必要かどうかは、州・準州ごとに違います。NSWとビクトリア州は原則として釣りの料金・許可が必要で、西オーストラリア州とタスマニア州は釣り方によって許可が必要です。ACTとNTは一般の釣りに許可はいりませんが、どこでも大きさ・数・場所のルールがあります。買い物・食ラミントン(Lamington)ラミントンは、四角いスポンジケーキをチョコレートにくぐらせ、乾燥ココナッツをまぶしたお菓子です。国のケーキと考える人も多く、パン屋やカフェで売られています。最初に記録されたレシピは1900年12月、クイーンズランド州の新聞に載りました。
関連する記事
買い物・食バーベキュー文化(BBQ)オーストラリアの公園には、カウンシルなどが設置した無料の電気・ガスのバーベキュー台が多くあります。予約はできず先着順で、使った後は次の人のために鉄板を掃除するのが決まりです。火の使用禁止(Total Fire Ban)の日は、炭や薪のバーベキューは使えません。買い物・食オーストラリアの食べ物(Aussie food)オーストラリアの代表的な食べ物には、アボカドトースト、ミートパイ、ラミントン、バラマンディ、マカダミア、シーフードなどがあります。バーベキューの文化や、先住民が長く食べてきた在来の食材(ブッシュタッカー)も知られています。買い物・食食品表示とアレルギー表示(Food labels)オーストラリアの包装食品には、アレルゲン、期限(Use by・Best before)、栄養成分、原産国などの表示があります。アレルゲンは決められた英語名と太字で書かれ、「Contains」で始まるまとめの表示も付きます。Use byを過ぎた食品は食べたり売ったりしてはいけません。自然・安全オーストラリアの動物(Native animals)オーストラリアの哺乳類の80%以上は、ほかの国にはいない固有種です。卵を産むカモノハシとハリモグラ、袋で子を育てるカンガルーやコアラなど、珍しい動物が多くいます。野生の動物は保護されており、国立公園では見るだけにして、えさを与えないことが求められています。買い物・食アンザック・ビスケット(Anzac biscuits)アンザック・ビスケットは、オートミール、ゴールデンシロップ、ココナッツなどで作る、卵を使わない甘いビスケットです。戦争記念館は、戦地の兵士が食べた固いパン代わりの「アーミー・ビスケット」とは別のものとして説明しています。買い物・食バラマンディ(Barramundi)バラマンディは、白身でしっかりした身の魚で、北部のダーウィンで特に人気があります。オーストラリアでは北部に分布し、西オーストラリア州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州で漁業の対象になっています。オスとして成熟したあと、メスに変わる魚です。