日本人のためのオーストラリア情報
住まい / 購入

不動産購入の流れ(Buying a property)

在住駐在
ひとことで言うと

オーストラリアで家を買う流れは、予算と資金の準備、物件探しと調査、申し込みと契約、決済(Settlement)の順です。契約後に解約できるクーリングオフ(Cooling-off)の日数や費用は州・準州ごとに違い、競売(オークション)では使えません。契約前に弁護士などに契約書を確認してもらいましょう。

目次
  1. 売買の形と全体像
  2. 州・準州ごとの違い
  3. 手順
  4. 費用
  5. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

売買の形と全体像

オーストラリアの住宅は、主に不動産会社を通した個別の売買(Private sale、Private treaty)か、競売(Auction)で売られます。手続きの細かい決まりは州・準州ごとに異なります。

外国人に当たる人は、購入前に連邦の承認が必要な場合があります。その条件は外国人の不動産購入で先に押さえておきましょう。

契約書と専門家

NSWでは、売り出しの前に、弁護士(Solicitor)か免許を持つ不動産取引の専門家(Conveyancer)が作った売買契約書を用意する決まりがあります。契約書の変更は、買主側の弁護士かConveyancerが行い、不動産会社は変更できません。

興味のある物件の契約書は、できるだけ早く取り寄せて弁護士かConveyancerに見てもらうのが、NSW政府の勧める進め方です。

物件の調査

契約の前には、建物調査(Building inspection)を受けておくことがNSW政府のページで勧められています。

  • 調査は、免許を持つ建築業者、測量士、建築家など資格のある人に頼みます。
  • 建物調査は、シロアリなどの害虫が今いるかどうかまでは調べません。害虫の調査(Pest inspection)は別に頼みます。
  • 集合住宅(Strata)の場合は、管理組合の記録(Strata report)も確認します。

VICでは、売主や不動産会社が、内覧会で州の「デューディリジェンスのチェックリスト(Due diligence checklist)」を見られるようにする義務があります。チェックリストには、管理組合や洪水・山火事のリスクなどの確認項目があります。災害リスクの調べ方は住む場所の災害リスクの調べ方にまとめています。

申し込みと条件付きの契約

個別の売買では、ローンの承認(Subject to finance)や建物調査の結果などを条件にして申し込むことがあります。VICの公式ページは、ローンを条件にする場合は契約書に金融機関名を書くよう勧めています。WAの公式の発表も、ローンの条件を付けるときは承認した金融機関を書くよう説明しています。

競売では、売主の同意がない限り、契約に条件を付けられません(VIC)。

決済(Settlement)

決済は、残りの代金を払って正式な所有者になる手続きです。NSWでは、契約の交換から6週間ほどで行われるのが一般的で、電子決済で行います。VICでは、決済までの期間は30〜90日が多いとされています。決済日の朝には物件を最終確認するよう、NSW政府は呼びかけています。

州・準州ごとの違い

契約後に解約できるクーリングオフ(Cooling-off)の期間です。各州・準州の公式ページなどで確認できた内容です(2026年10月時点)。

州・準州期間解約するときの費用など使えない主な場合
ニューサウスウェールズ州(NSW)契約の交換から5営業日(5日目の17時まで)。完成前の物件(Off the plan)は10営業日購入価格の0.25%競売、競売で売れなかった物件をその日のうちに契約した場合
ビクトリア州(VIC)買主の署名から3営業日(住宅と20ヘクタール未満の農地)A$100か購入価格の0.2%の高いほうを差し引いて返金競売とその前後3営業日の売買、事業用の物件など
クイーンズランド州(QLD)双方が署名した契約書を受け取った日から5営業日(5日目の17時まで)最大で購入価格の0.25%を差し引き、14日以内に返金競売、競売の不成立から2営業日以内に登録入札者と結んだ契約
西オーストラリア州(WA)義務のクーリングオフはない--
南オーストラリア州(SA)売主の書類(Form 1)を受け取った翌日から2営業日公式ページで確認競売
オーストラリア首都特別地域(ACT)契約の日から5営業日目の17時まで購入価格の0.25%競売、入札、買主が法人の場合など
タスマニア州(TAS)法律上の義務のクーリングオフはない。標準の契約書では、オプションとして付けられる--
北部準州(NT)4営業日(最後に署名・交換した日から)公式ページは「違約金なし」と説明競売

クーリングオフは、買主が書面で放棄したり、期間を短くしたりできる州があります(NSW、QLD、ACT、NTなど)。NSWでは、放棄の前に専門家の助言を受けるよう勧めています。

詳しくは、NSW政府(新しいタブで開く)、Consumer Affairs Victoria(新しいタブで開く)、QLD政府(新しいタブで開く)、WA州消費者保護局(新しいタブで開く)、SA州の法律ハンドブック(新しいタブで開く)、ACTの法令(新しいタブで開く)、TAS州消費者局(新しいタブで開く)、NT政府(新しいタブで開く)の各ページに、より詳しい条件が載っています。

手順

  1. 予算を立て、必要ならローンの事前承認を受ける。
  2. 地域と物件を調べる。NSWでは、州の評価局のポータル(Valuation Portal)で土地の評価額や売買の情報を無料で調べられます。
  3. 弁護士かConveyancerを決め、契約書を確認してもらう。
  4. 建物調査、害虫の調査、必要なら管理組合の記録を確認する。
  5. 申し込む。個別の売買では、ローンや調査の結果を条件にできる。
  6. 契約を交わし、手付金(Deposit)を払う。クーリングオフの期限を確認する。
  7. 印紙税の申告と納付、ローンの手続きを進める。
  8. 決済日の前に物件を最終確認し、決済する。

費用

NSW政府のページは、購入時と購入後の主な費用として次を挙げています。

  • 購入時:印紙税、借入額が価格の80%を超える場合のローン保険(Lenders’ Mortgage Insurance、LMI)、建物・害虫・管理組合の調査、弁護士やConveyancerの費用、抵当権と所有権の登記費用、ローンの申込費用
  • 購入後:土地税(Land tax)、カウンシルの固定資産税(Council rates)、水道などの公共料金、保険、管理費(Strata levies)、修繕費

複数の物件に申し込むと、調査や弁護士の費用が何度もかかることがあります。印紙税については印紙税の記事にまとめています。

ここに注意してね!

  • 州によって、クーリングオフの日数や解約の費用が違います。WAとTASには義務のクーリングオフがありません。確認できた州では、競売で買った場合も使えません。
  • 競売で買う場合は、条件を付けられないことが多いため、ローンや調査の準備を事前に済ませる必要があります。
  • 決済までの期間や手続きも州ごとに違います。契約の前に、物件の州の弁護士かConveyancerに確認してください。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

住まい印紙税(Stamp duty、Transfer duty)不動産を買うと、州・準州の印紙税(Stamp duty、Transfer dutyなど)がかかります。税率、払う期限、初めての購入者の減免は州・準州ごとに違います。外国人が住宅を買う場合は、多くの州で7〜9%の上乗せがあります。購入前に各州の計算ツールで確認しましょう。住まい外国人の不動産購入(Foreign investment in residential property、FIRB)オーストラリアの住宅用の土地を外国人(Foreign person)が買うには、原則として購入前に税務署(ATO)の承認と手数料が必要です。2025年4月1日から2029年6月30日までは、中古住宅の購入が原則禁止されています。永住ビザの人など、承認が不要な人もいます。住まい住宅ローン(Home loan、Mortgage)オーストラリアの住宅ローンは、金利の種類(変動・固定・一部固定)、返済方法(元利返済・利息のみ)、オフセット口座などの機能で選びます。比較には、すべての金融機関で同じ形式の「Key Fact Sheet」が使えます。頭金が20%未満だと住宅ローン保険がかかることがあります。返済が難しくなったら、早めに金融機関に相談しましょう。住まい初めての住宅購入の支援(First home buyer assistance)初めて家を買う人には、州・準州の補助金(First Home Owner Grant)や印紙税の免除・減額、連邦の5%頭金制度やスーパーを使った積立制度があります。金額と条件は州・準州ごとに違い、多くはオーストラリア市民か永住者が対象です。契約の日付で適用が変わるため、契約前に各州の歳入当局で確認しましょう。住まい集合住宅の管理(Strata、区分所有)アパートやタウンハウスの多くは、区分所有(Strata)の仕組みで所有します。自分の部屋(Lot)を持ち、廊下や庭などの共用部分は所有者全員で共有し、管理組合に管理費(Levy)を払います。呼び方、法律、もめごとの窓口は州・準州ごとに違います。住まい住む場所の災害リスクの調べ方(Flood and bushfire risk)住まいを決める前に、その住所が洪水や山火事のリスクのある地域かを、州・準州やカウンシルの地図で調べられます。地図の種類や名前は州ごとに違います。結果は目安なので、正式な確認はカウンシルの証明書などで行いましょう。