初めての住宅購入の支援(First home buyer assistance)
初めて家を買う人には、州・準州の補助金(First Home Owner Grant)や印紙税の免除・減額、連邦の5%頭金制度やスーパーを使った積立制度があります。金額と条件は州・準州ごとに違い、多くはオーストラリア市民か永住者が対象です。契約の日付で適用が変わるため、契約前に各州の歳入当局で確認しましょう。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
支援の種類
初めて家を買う人(First home buyer)への支援は、大きく分けて3種類あります。
- 州・準州の補助金(First Home Owner Grant、FHOG):主に新築の家を買う・建てる人への一度きりの給付
- 州・準州の印紙税の免除・減額:印紙税の仕組みは印紙税で説明しています
- 連邦の制度:5%頭金制度(Australian Government 5% Deposit Scheme)、スーパーを使った積立(First Home Super Saver Scheme)など
州・準州の制度の多くは、申請者の少なくとも1人がオーストラリア市民か永住者であることを条件にしています。オーストラリアで住宅を持ったことがある人は、多くの場合対象外です。補助金と印紙税の減免は別々の制度で、それぞれ申請が必要です。
連邦の制度
5%頭金制度:政府が金融機関に保証を出すことで、初めて家を買う人は5%の頭金で住宅ローンを組め、住宅ローン保険(Lenders Mortgage Insurance、LMI)が不要になります。2025年10月1日から所得の上限はありません。主な条件は次のとおりです(2026年10月時点)。
- オーストラリア市民か永住者で、18歳以上
- 初めて家を買う人か、過去10年間オーストラリアで不動産を持っていない人
- 地域ごとの価格の上限以下の家を買い、自分で住む
- 参加している金融機関(Participating Lender)で、元金と利息を返す住宅ローンを組む
申し込みは、参加している金融機関を通して行います(連邦政府のページ(新しいタブで開く))。ひとり親などには2%の頭金の枠もあります。
First Home Super Saver Scheme(FHSS):スーパーに任意で上乗せして積み立てたお金を、初めての家の頭金に引き出せる制度で、税務署(ATO)が運営しています。積み立ては年A$15,000まで、引き出しは合計A$50,000までです(2026年10月時点)。18歳以上で、オーストラリアで不動産を持ったことがないことなどが条件で、細かな決まりは連邦政府のページとATOが案内しています。スーパーの仕組みはスーパーアニュエーションにまとめています。
連邦政府は、政府が購入価格の一部を負担する共有持分の制度(Help to Buy Scheme)も設けています。
州・準州ごとの違い
各州・準州の歳入当局のページで確認できた内容です(2026年10月時点)。金額と上限は契約の日付で変わります。
| 州・準州 | 補助金(FHOG) | 印紙税の免除・減額 |
|---|---|---|
| ニューサウスウェールズ州(NSW) | A$10,000。新築などの家で価格A$60万以下(土地と建築契約ならA$75万以下) | 新築・中古ともA$80万以下は免除、A$100万未満は減額(2023年7月1日から) |
| ビクトリア州(VIC) | A$10,000。新築などでA$75万以下 | A$60万以下は免除、A$60万1〜75万は減額 |
| クイーンズランド州(QLD) | A$30,000(2023年11月20日以降の契約)。新築などでA$75万未満 | 新築:2025年5月1日以降の契約は免除、価格の上限なし。中古などの家:A$80万未満で減額(最大A$24,525)。2026年8月1日以降の契約は、市民・永住者などが条件 |
| 西オーストラリア州(WA) | A$10,000。26度線より南はA$80万以下、北はA$100万以下(2026年5月7日以降の取引) | 新築・中古ともA$60万以下は免除、A$80万以下は減額(2026年5月7日以降の取引) |
| 南オーストラリア州(SA) | 最大A$15,000。新築など | 新築、未完成の集合住宅、家を建てる土地が対象(2023年6月15日以降の契約) |
| オーストラリア首都特別地域(ACT) | 2019年7月1日以降の取引は対象外 | 住宅購入者の減免制度(Home Buyer Concession Scheme)。2026年7月1日以降の取引は、条件を満たせば印紙税なし。所得と価格の上限はなし。過去5年間、国内外で不動産を持っていないことなどが条件 |
| タスマニア州(TAS) | A$20,000(2026年7月1日〜2027年6月30日に始まる取引)。新築 | 中古の家の免除は、2026年6月30日より後の決済には使えない |
| 北部準州(NT) | HomeGrown Territory Grant A$50,000(2024年10月1日〜2027年9月30日の契約)。新築、価格の上限なし | 初めての人に限らず、住宅と土地のセットを建築業者から1回の取引で買う場合は免除(House and Land Package Exemption)。2022年7月1日〜2027年6月30日の契約、価格の上限なし |
各制度の条件は、次の公式ページにあります。
- NSW:補助金(新しいタブで開く)、印紙税
- VIC:補助金(新しいタブで開く)、印紙税
- QLD:補助金(新しいタブで開く)、印紙税(新築)、印紙税
- WA:補助金(新しいタブで開く)、2026年の変更
- SA:補助金(新しいタブで開く)、印紙税
- ACT:住宅購入者の減免制度(新しいタブで開く)
- TAS:補助金(新しいタブで開く)、中古の家の印紙税
- NT:HomeGrown Territory(新しいタブで開く)、住宅と土地のセットの印紙税
住む義務
補助金と減免には、決められた期間内に住み始め、一定期間住み続ける条件があります。例として、NSWの補助金は、2023年7月1日以降の契約では、12か月以内に住み始めて12か月続けて住む必要があります。QLDとSAの補助金は、1年以内に住み始めて6か月続けて住むことが条件です。条件を満たさなくなった場合は、歳入当局に知らせて返金が必要になることがあります。
手順
- 自分が「初めての購入者」に当たるか、市民・永住者の条件を満たすかを、州・準州のページで確認する。
- 買う物件の州・準州で、補助金と印紙税の減免の条件と上限額を確認する。
- 住宅ローンを組む金融機関に相談する。補助金は、多くの場合、承認された金融機関(Approved agent)を通して申請でき、決済や最初の建築費の支払いに使えます。
- 印紙税の減免は、多くの場合、決済を担当する弁護士やConveyancerが申請します。
- 決められた期間内に住み始め、必要な期間住み続ける。
費用
補助金の額と印紙税の減免は、上の表のとおり州・準州ごとに違います(2026年10月時点)。補助金や減免を受けても、ローンの諸費用、決済の費用、印紙税がかかる部分などは自分で払います。
ここに注意してね!
- 多くの補助金は新築が対象で、中古の家は対象外のことがよくあります。物件を選ぶ段階で条件を見ておくと安心です。
- 一時ビザの人は、多くの制度で対象外です。外国人に当たる人は、印紙税の上乗せや連邦の承認が必要な場合があり、その内容は外国人の不動産購入にまとめています。
- 制度は予算のたびに変わることがあり、適用は契約の日付で決まります。契約前に歳入当局の最新の案内を確認し、個別の判断は歳入当局、弁護士、Conveyancerに相談してください。
この記事をシェアする