NTの賃貸のルール(Residential Tenancies Act 1999)
北部準州(NT)の賃貸は、Residential Tenancies Act 1999とNT Consumer Affairsの案内に沿って運用されます。ボンドは家賃4週間分までで、大家や不動産会社が信託口座で預かります。家賃の値上げは契約に定めがある場合だけで、30日前の書面の通知と、前回から6か月以上の間隔が必要です。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
NTの賃貸のしくみ
NTの賃貸は、準州法のResidential Tenancies Act 1999で決められています。窓口は準州の消費者局(NT Consumer Affairs)で、争いを判断するのは準州の民事行政審判所(Northern Territory Civil and Administrative Tribunal、NTCAT)です。
契約書は書面でなくても成立しますが、書面にしたほうがよいとされています。契約には、期間を決める固定期間(Fixed term)と、期間を決めない定期(Periodic)の2種類があります。固定期間が終わっても新しい契約をせずに住み続けると、定期の契約になります。
契約書と(敷金)の一般的な説明は、賃貸契約書の読み方とボンドと預かり機関にまとめています。
2024年の改正
2024年1月2日から、次の改正が始まりました(NT Consumer AffairsのRenting in the NTのページ(新しいタブで開く))。
- 家賃の競り上げ(Rent bidding)や、申込から契約までの一方的な値上げを禁止
- 理由を示さない契約の終了(No-cause termination)の通知期間を、定期の契約も固定期間の契約も60日にそろえる
- 家庭内暴力の被害を受けた借主が、通知で契約から抜けられる仕組み
- 借主の個人情報の扱いのルール
- 通知を電子的な方法で出せるようにする
ボンド(敷金)
- 大家が求められるボンドは、家賃4週間分までです。
- 不動産会社に払ったボンドは、信託口座(Tenancy trust account)で保管されます。個人の大家も、信託として保管する必要があります。
- 現金・小切手・クレジットカードで払ったときは、すぐに受領書が出ます。銀行振込のときは、受け取りから2営業日以内です。
- 家賃が上がった場合、大家はボンドも増やせます。ただし、前回の支払いか増額から2年たってからで、合計は家賃4週間分までです。
ボンドの扱いは、準州政府のボンドのページ(新しいタブで開く)にもまとまっています。
家賃の値上げ
- 契約の途中で値上げできるのは、契約書に値上げの権利と、額または計算方法が書かれている場合です。
- 大家は、30日以上前に書面で知らせます。
- 値上げの日は、入居から6か月以上、または前回の値上げから6か月以上たった日です。
- 契約に定めがない場合は、借主と大家が合意すれば値上げできます。
- 家賃の前払いは、1回の支払い期間分を超えて求められません。契約の作成や更新の費用を借主に求めることもできません。
これらの決まりは、家賃と費用のページで説明されています。
大家の立ち入り
大家が立ち入れるのは7時〜21時で、目的ごとに通知が必要です。
| 目的 | 通知 |
|---|---|
| 定期の点検 | 7日以上前。3か月に1回まで |
| 修理・点検の作業 | 24時間前 |
| 状態報告書の作成 | 24時間前 |
| 契約終了前28日以内の内見(次の借主) | 24時間前 |
| 緊急のとき | 不要 |
修理
大家は、物件を通常の傷みを除いて適切な状態に保つ義務があります。修理が必要なときは、気づいたらすぐに大家か不動産会社に知らせます。口頭で伝えて直らない場合は、書面で通知してから次の手続きに進みます。
水道管の破裂、トイレの詰まりや故障、ひどい雨漏り、ガス漏れ、危険な電気の故障、電気・ガス・水道の停止などは「緊急の修理(Emergency repairs)」です。大家は知らされてから5日以内に、修理するか、14日以内に修理する手配をします。対応しない場合、借主はNTCATに修理の命令を申し立てられます。
ペット
2021年1月1日以降に結ばれた契約では、物件の種類と広さに合ったペットであれば飼えるようになったと、NT Consumer Affairsは案内しています。ペットを連れてくる前に、大家に知らせる必要があります。2021年1月1日より前の契約には当てはまりません。
退去とボンドの返金
- 固定期間の途中で出る場合、大家に家賃の損失を補償する必要があることがあります。補償の額には上限があり、契約の時期と経過した期間によります。
- 家庭内暴力、物件が危険で住めない、生活の困窮(Hardship)などの場合は、違約金なしで出られることがあります。
- 大家は、退去から7営業日以内にボンドを返します。差し引く場合は、7営業日以内に理由と額を知らせ、領収書と法定宣誓書(Statutory declaration)を添えます。
- 7営業日以内に返金も請求もない場合、大家はボンドを全額返す必要があります。
- 受け取られないまま6か月たったボンドは、準州の信託口座(Tenancy Trust)に移ります。NT Consumer Affairsに請求できます。
途中で出るときの補償の上限や返金の請求方法は、途中解約のページとボンドの返金のページ(新しいタブで開く)に載っています。
手順
- 入居前に、契約書の内容(値上げの定めなど)と、ボンドの受領書を確認する。
- 入居後3営業日以内に、記入・署名された状態報告書(Condition report)を受け取る。
- 修理の依頼や大家とのやり取りは、書面で記録を残す。
- 契約を終えるときや争いがあるときは、準州の書式(RT06など)を使う。書式は借主向けの通知のページ(新しいタブで開く)にあります。
- 話し合いで解決しないときは、NTCATに申し立てる。
賃貸の一般的な相談は、NT Consumer Affairs(08 8999 1999、consumer@nt.gov.au)で受け付けています。
費用
ボンドは家賃4週間分まで、前払い家賃は1回の支払い期間分までです(2026年10月時点)。契約の作成や更新の費用は借主に求められません。水道代は、個別のメーターがあり契約に定めがある場合に、借主の負担にできます。
ここに注意してね!
- NTでは、ボンドを州の機関ではなく、大家や不動産会社が信託口座で預かります。受領書を必ず受け取り、保管してください。
- NTの家賃の値上げの間隔は6か月です。値上げのルールは州・準州で違うので、ほかの州から引っ越す場合は契約書の値上げの定めを確認してください。
- 家賃に不満があっても、自分の判断で家賃を減らしたり止めたりすると契約違反になり、退去を求められることがあります。
- 改正が続いているため、契約や通知の前にNT Consumer Affairsの最新の案内を確認してください。個別の判断は、弁護士などに相談できます。
この記事をシェアする