盗まれた世代(Stolen Generations)
アボリジナルとトレス海峡諸島民の子どもが、法律に基づいて家族や地域社会、土地から引き離された歴史があります。引き離された人々は「盗まれた世代(Stolen Generations)」と呼ばれます。1997年の報告書「Bringing Them Home」を経て、2008年2月13日に連邦政府が正式に謝罪しました。
引き離しの歴史
国立博物館(National Museum of Australia)の教材ページ(新しいタブで開く)では、1900年代の初めから、オーストラリアの州と準州は、政府機関がアボリジナルとトレス海峡諸島民の子どもを家族から引き離すことを認める法律をつくったと説明しています。子どもたちは、家族、地域社会、そしてカントリー(土地)から引き離されました。全国で数万人の子どもが連れて行かれたと、国立博物館は説明しています。
国立図書館(National Library of Australia)のページ(新しいタブで開く)は、子どもを引き離したのは、政府、教会、福祉団体だったとしています。
子どもたちへの影響
国立博物館は、次のような影響を挙げています。
- 家族から引き離された子どもは、虐待を受けたり、うつ病などの心の病気に苦しんだりすることが多かった。
- 土地とのつながりを保てず、先住民の地域社会の文化的・精神的な暮らしに加われなかった。
報告書「Bringing Them Home」
家族からの子どもの引き離しについて国の調査が行われ、1997年に最終報告書「Bringing Them Home(彼らを家に帰す)」がまとまりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直接の証言 | アボリジナルとトレス海峡諸島民535人から、直接話を聞いた |
| 勧告 | 54の勧告 |
| 謝罪についての勧告 | 2つの勧告で、すべての政府、警察、教会、民間団体に謝罪を求めた |
謝罪
国立博物館による流れです。
| 年 | できごと |
|---|---|
| 1997年 | 報告書「Bringing Them Home」がまとまる |
| 2000年 | シドニー・ハーバーブリッジを渡る「和解の行進(Walk for Reconciliation)」が行われる |
| 2001年まで | 8つの州・準州の政府すべてが謝罪する |
| 2008年2月13日 | ケビン・ラッド(Kevin Rudd)首相が、盗まれた世代に正式に謝罪する。新しい議会が開かれて最初の議題だった |
国の謝罪については「2008年の国の謝罪」で詳しく扱います。
家族を探すための支援
連邦政府の国立先住民オーストラリア人庁(National Indigenous Australians Agency、NIAA)のページ(新しいタブで開く)では、「Link-Up」のサービスは、盗まれた世代の人々とその家族に、家族を探す手伝い、再会の支援、カウンセリングを提供するとされています。サービスは全国で受けられます。
日本との違い・注意点
- 国立図書館のページには、先住民の人々にとって文化的に配慮が必要な内容が含まれるという注意書きがあります。資料を調べるときは、こうした注意書きにも目を通しましょう。
- 先住民の人々についての言葉づかいは「敬意のある言葉づかい」を参考にしてください。
- 先住民の歴史全体は「先住民の歴史」、和解の取り組みは「和解(Reconciliation)」にまとめています。
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