クモにかまれたら(Spider bites)
ひとことで言うと
オーストラリアのクモのかみ傷は、ファンネルウェブなど大きな黒いクモ、レッドバック、そのほかの3つに分けて考えます。大きな黒いクモにかまれたら命にかかわる緊急事態として000に電話します。ファンネルウェブなら包帯で圧迫して動かしません。レッドバックは洗って冷やし、症状が重ければ医師にかかります。
危険なクモの見分け方
healthdirectのページ(新しいタブで開く)は、オーストラリアではクモのかみ傷が危険かどうかを見分けるのは難しいとしています。多くは、かまれた所が少し痛む程度です。人に害を与えるのは、ファンネルウェブ(funnel-web spider)とレッドバック(redback spider)のかみ傷です。
3つのグループ
| グループ | 危険の程度 | まずすること |
|---|---|---|
| ファンネルウェブなど大きな黒いクモ | とても危険。死亡することがある | 000に電話して救急車を呼ぶ |
| レッドバック | 強い痛みが出ることがあるが、命にかかわるものではない | 洗って冷やす。症状が重ければ医師へ |
| そのほかのクモ | ふつうは害がない | 洗って冷やす |
ホワイトテール(white tail spider)は、人にとって危険ではないとされています。焼けるような痛み、腫れ、水ぶくれが出ることはあるものの、現在の研究では、かまれて皮膚がただれる(潰瘍になる)ことはないとされています。
主な症状
| クモ | 主な症状 |
|---|---|
| ファンネルウェブなど大きな黒いクモ | かまれた所の強い痛み、大量の汗、吐き気、嘔吐、腹痛。よだれ、筋肉のけいれん、息苦しさ、意識の混乱、口や舌のまわりのしびれが出ることもある |
| マウススパイダー(mouse spider) | まれだが、ファンネルウェブと似た症状 |
| レッドバック | かまれた所の痛み、汗、頭痛、筋肉の脱力やけいれん |
手順
ファンネルウェブにかまれたとき
ファンネルウェブなど大きな黒いクモにかまれたら、000に電話します。ファンネルウェブにかまれたときの応急手当は次のとおりです。
- 000に電話して救急車(ambulance)を呼ぶ。
- 落ち着いて、かまれた人を横にし、動かさない。
- 伸縮性の巻き包帯で圧迫する(下記)。
- 添え木を当てて、腕や脚を動かないようにする。毒が体に回るのを遅らせる。
- かまれた場所に、ペンで印をつけるか写真を撮る。
- かまれた時刻と、包帯を巻いた時刻を書き留める。
- 救急車が来るまで待つ。
圧迫して固定する包帯の巻き方
この包帯は、ファンネルウェブとマウススパイダーにかまれたときだけ使います。
- 幅10〜15cmの伸縮性の包帯を、かまれた場所の上に巻く。
- 2本目の伸縮性の包帯を、手や足の指のすぐ上から体の方へ向かって、腕や脚全体に巻く。
- 包帯はきつく巻くが、血の流れを止めない。包帯と肌の間に指が簡単に入らない程度にする。
レッドバックにかまれたとき
- かまれた所を石けんと水で洗う。
- 保冷剤で15分冷やし、痛みを和らげる。
- 症状が重ければ医師にかかる。痛みがとても強いときは、近くの病院の救急外来へ行く。
そのほかのクモにかまれたとき
- 石けんと水で洗う。
- 消毒用のクリームがあれば塗る。
- 保冷剤で冷やし、腫れと痛みを抑える。保冷剤は直接肌に当てず、清潔な布で包む。
- 痛み止めとして、パラセタモールやイブプロフェンも使える。
- 症状が悪くなったら医師にかかる。
医師にかかる目安
ファンネルウェブ以外のクモにかまれて、次のどれかに当てはまるときは医師にかかります。
- 痛みが強い
- 数時間たっても落ち着かない
- 24〜48時間後に腫れやかゆみが悪化する
- 心配なとき
激しいアレルギー反応(アナフィラキシー)
クモにかまれて、激しいアレルギー反応を起こす人もいます。命にかかわることがあり、000に電話します。主な症状は次のとおりです。
- 息が苦しい、呼吸の音がする
- 舌が腫れる、のどが腫れたり締め付けられたりする
- せきが続く、話しにくい、声がかれる
- めまい、倒れる
- 小さな子どもが青白く、ぐったりする
倒れたり呼吸が止まったりしたときは、心肺蘇生(CPR)が必要なことがあります。
ここに注意してね!
- 圧迫して固定する包帯は、ファンネルウェブとマウススパイダーにかまれたときだけ使うよう案内されています。レッドバックの手当ては、洗って冷やすことです。
- 種類を調べるため、安全にできればクモを捕まえる方法も案内されています。空のびんをクモにかぶせ、硬い紙を口の下に差し込み、びんを返してふたをします。
- 予防として、クモに触らない(子どもにも触らせない)、庭仕事では手袋をはめる、家のクモの巣を取り払う、靴をはく前に中を確かめる、といった対策が勧められています。
- 急ぎでない相談は、healthdirect(1800 022 222)で24時間、看護師が受け付けています。ビクトリア州ではNURSE-ON-CALLと呼ばれています。
- ヘビにかまれたときの手当ては「ヘビにかまれたら」、ほかの生き物は「注意が必要な生き物」にまとめています。
この記事をシェアする
次に読むならこれ
自然・安全ヒクイドリ(Southern Cassowary)ヒクイドリ(カソワリ)は、クイーンズランド州北部の熱帯雨林にすむ大きな飛べない鳥です。頭の上のかぶとのような突起と、首から下がる赤い肉垂れが目印です。攻撃的で予測できない行動をとることがあり、近づかないこと、えさを与えないこと(違法)が求められています。自然・安全オウムとインコ(Cockatoos and parrots)オーストラリアには、白い体に黄色い冠羽のキバタン、ピンク色のモモイロインコ、色鮮やかなゴシキセイガイインコなど、オウムやインコの仲間が多くいます。人の住む場所の近くで見られる種類も多く、群れでにぎやかに鳴きます。自然・安全ディンゴ(Dingo)ディンゴは、約4,000年前にオーストラリアに持ち込まれたとされる、古い系統のイヌです。本土の多くの地域にいますが、タスマニアにはいません。人に慣れたディンゴは人を襲うことがあり、子どもがかまれる事故も起きています。クガリ(K'gari)では、ディンゴにえさをやると最高A$28,495の罰金があります(2026年10月時点)。
関連する記事
自然・安全注意が必要な生き物(Dangerous animals)オーストラリアには、ヘビ、クモ、クラゲなど毒を持つ生き物や、北部の水辺にすむワニがいます。生き物によって応急手当が違うため、事前に知っておくことが大切です。命にかかわるときは000に電話します。自然・安全ヘビにかまれたら(Snake bite)オーストラリアでは、ヘビにかまれたらすべて命にかかわるものとして扱い、すぐに000に電話して救急車を呼びます。応急手当は、包帯で圧迫して手足を動かさない「圧迫固定法」です。傷を洗わない、縛らない、切らない、吸わない、ヘビを捕まえないことが大切です。自然・安全ダニと蚊(Ticks and mosquitoes)オーストラリアのダニは東海岸に多く、かまれたら無理に引き抜かず、薬局で買えるエーテル入りのスプレーで凍らせて殺してから取ります。息苦しさなど激しいアレルギー反応が出たら000に電話します。蚊はロスリバーウイルスなどの病気を運ぶことがあり、長袖と虫よけで予防します。医療・保険緊急通報・救急(トリプルゼロ、Triple Zero 000)オーストラリアの緊急通報は「000」で、警察・消防・救急車の共通番号です。携帯電話からは112でもつながります。聴覚・発話に障害がある人はTTYで106を使えます。SMSでは通報できません。命にかかわるときは000に電話し、救急車を頼みます。医療・保険電話の健康相談(healthdirect、1800 022 222)healthdirectの電話相談(1800 022 222)では、看護師(registered nurse)に24時間365日、健康の相談ができます。クイーンズランド州には州の13 HEALTH(13 43 25 84)、ビクトリア州にはNURSE-ON-CALLがあります。命にかかわるときは000に電話します。医療・保険応急手当の講習(First aid training)応急手当(ファーストエイド)や心肺蘇生(CPR)の講習は、多くの団体が対面やオンラインで開いています。国の職業訓練の単位(HLTAID011など)に沿った講習は、国の職業訓練登録のサイトで、実施できる登録訓練機関を調べられます。緊急のときは、まず000に電話します。