法律ができるまで(How laws are made)
ひとことで言うと
連邦の法律は、法案(bill)として議会に出され、下院と上院の両方で同じ形で可決された後、総督の裁可(Royal Assent)を受けて「議会制定法(Act of Parliament)」になります。多くの法案は政府の大臣が下院に出します。
法案が法律になるまで
議会教育局(Parliamentary Education Office、PEO)の説明をもとに、連邦議会で法律ができる流れをまとめます。
政策から法律へ
PEOの「From policy to law」のページ(新しいタブで開く)は、次の4つの段階で説明しています。
- 政府(行政)が政策を決め、法案(bill)をつくって議会に出す。
- 議会(下院と上院)が法案を審議する。
- 議会で可決された法案を、総督(Governor-General)が承認する。
- 法案は議会制定法(Act of Parliament)、つまり法律になり、政府の省庁が運用する。
誰が法案を出すか
PEOの「Law-making」のページの説明は次のとおりです。
- ほとんどの法案は、政府の大臣が出します。
- ほかの議員も、自分の法案を出せます。下院議員の法案は「private members’ bills」、上院議員の法案は「private senators’ bills」と呼ばれます。
- ほとんどの法案は、最初に下院(House of Representatives)に出されます。お金と税金についての法案は、上院(Senate)には出せないためです。
法案の通常の流れ
PEOの「The usual path of a bill」のページによる、下院から始まる法案の流れです。
| 段階 | 下院 | 上院 |
|---|---|---|
| 第一読会(1st reading) | 法案が出される | 法案が出される |
| 第二読会(2nd reading) | 法案の主な考え方を討論し、採決する | 同じ |
| 委員会(任意) | 下院の委員会が公の調査をする | 上院の委員会が公の調査をする |
| 細かい審議(任意) | 「Consideration in detail」で細かく話し合う | 「Committee of the whole」で細かく話し合う |
| 第三読会(3rd reading) | 最終的な形の法案を採決する | 同じ |
| 結果 | 可決されると上院に送られる | 可決される |
上院は、法案の文章を上院の委員会に送って調べさせることもできます。
議員は、法案を変える必要があると考えると、修正(amendments)を提案できます。
法律になるための条件
PEOが挙げる、法案が法律になるための条件は次の3つです。
- 下院と上院の両方で、過半数の賛成で可決される
- 両院で、まったく同じ形で可決される
- 総督が署名する(裁可、Royal Assent)
裁可を受けた法案は、議会制定法としてオーストラリアの法律になります。総督の役割は「国家元首と総督」で説明しています。
委任立法(Delegated law)
議会がつくる法律のほかに、「委任立法」があります。PEOの委任立法のページ(新しいタブで開く)の説明をまとめると、次のとおりです。
- 大臣や省庁などが、議会の法律で与えられた権限を使ってつくる法律です。
- 例として、国立公園でのキャンプについての規則や、内務省(Department of Home Affairs)がつくる渡航ビザの規則が挙げられています。
- 委任立法は公の登録簿に載せられ、登録された日に法律になります。その後、6回の審議日以内に議会に出されなければなりません。
- 下院か上院は、委任立法を取り消すことができます。上院の委員会などが内容を調べます。
- 取り消すには、議員が15回の審議日以内に、上院か下院に取り消しを求めます。求めを受けた上院か下院は、15回の審議日のうちに話し合って決めます。
日本との違い・注意点
- ここで説明したのは連邦議会の流れです。州・準州の法律は、それぞれの議会がつくります。州・準州の議会は「州・準州の政府」で扱っています。
- 連邦議会の仕組み(下院と上院の議員の数や任期)は「連邦議会(下院と上院)」にまとめています。
- 憲法を変えるには、議会での可決に加えて国民投票が必要です(「国民投票(憲法改正)」)。
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政治の仕組み裁判所の仕組み(Courts in Australia)オーストラリアの裁判所は、連邦の裁判所と、州・準州の裁判所に分かれます。最上位は高等裁判所(High Court)で、憲法の解釈と、各地の裁判所からの上告を扱います。家族法や移民の事件は連邦の裁判所、多くの刑事・民事の事件は州・準州の裁判所が扱います。政治の仕組み連邦・州・地方の役割(Three levels of government)オーストラリアの政府は、連邦(国)、州・準州、地方(カウンシル)の3段階です。国防・移民・通貨などは連邦、学校・病院・警察・公共交通などは州・準州、ごみ収集・地域の道路・図書館などはカウンシルが主に担当します。困りごとの窓口を探すときは、どの段階の担当かを確認します。政治の仕組み義務投票制(Compulsory voting)オーストラリアの連邦選挙と国民投票では、18歳以上のオーストラリア市民に、選挙人名簿への登録と投票が法律で義務づけられています。正当な理由なく投票しないと、罰金の通知が届くことがあります。市民権のない人(日本国籍の人など)は連邦選挙で投票できません。
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