日本人のためのオーストラリア情報
仕事・税金 / 起業・ABN

事業名(Business name)の登録

ひとことで言うと

自分の氏名や会社名以外の名前で事業をする場合は、証券投資委員会(ASIC)に事業名を登録します。登録は全国共通で、ABNが必要です。登録しても名前を独占できるわけではないため、商標とは別に考えましょう。

目次
  1. 事業名とは
  2. 手順
  3. 費用
  4. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

事業名とは

事業名(business name)は、事業で使う名前です。オーストラリアで事業をするとき、自分の名前以外で取引する場合は、証券投資委員会(Australian Securities and Investments Commission、ASIC)に事業名を登録する必要があります。

事業名は全国で登録されます。州・準州ごとに別に登録する必要はありません。

登録が不要な場合

次の場合は、事業名の登録はいりません。

  • 個人事業主(sole trader)が、自分の名と姓だけで事業をする
  • パートナーシップが、パートナー全員の氏名だけで事業をする
  • 会社が、登録された会社名だけで事業をする

たとえば、会社「Oranges Fruit Store Pty Ltd」が「Oranges Fruit Store」という名前で事業をする場合は、事業名の登録が必要です。

登録の条件

  • (事業者番号)か、ABNの申請番号が必要です。ABNと事業名は、事業登録サービス(Business Registration Service、BRS)で同時に申し込むこともできます。
  • 一定の犯罪で有罪になった人や、会社の経営を禁じられた人は、事業名を持てないことがあります。

ABNについては「ABN(事業者番号)」で説明しています。

使えない名前

  • すでに登録されている事業名や会社名と同じ、またはほぼ同じ名前。複数形、「The」などの冠詞、大文字と小文字、記号やスペースの違いは区別されません。
  • 取り消されてから間もない名前。持ち主が取り消した名前は4か月、ASICが取り消した名前は6か月の間、登録できません。
  • 「Bank」「University」「Anzac」などの制限された言葉を含む名前。大臣や監督機関の事前の同意が必要です。
  • 政府や王室、慈善団体などとの関係を誤解させる名前や、人を不快にさせる名前。

登録しても独占はできない

事業名を登録しても、その名前を独占して使う権利は得られません。似た名前を他人が使うことは防げず、他人の商標を使った場合の法的な責任も免れません。名前を独占したい場合は、事業名とは別に商標(trade mark)の登録を検討します。

手順

  1. 事業の形(個人事業主、会社など)を決める。
  2. ABNを取得する。
  3. ASICの登録簿(新しいタブで開く)で、使いたい名前が登録できそうか確認する。商標も確認する。
  4. ASICのオンラインサービス(ASIC Connect)か、BRSで申し込む。オンラインの申し込みは10〜15分ほどかかります。
  5. 登録期間(1年か3年)を選び、手数料を払う。
  6. 登録の確認を受け取る。クレジットカードで払うと2営業日ほど、BPAY・銀行振込などでは5営業日ほどかかります。

費用

ASICの手数料は次のとおりです(2026年10月時点。2026年7月1日からの額)。

手続き手数料
新規登録(1年)A$47
新規登録(3年)A$108
更新(1年)A$47
更新(3年)A$108
登録者の情報の変更無料

最新の額はASICの手数料のページ(新しいタブで開く)で確認してください。

ここに注意してね!

  • 登録の期限が来る前に更新が必要です。ASICは、更新日の30日以上前に更新の案内をメールで送ります。更新しないと、ASICが事業名を取り消すことがあります。
  • 住所などの登録内容が変わったら、通常28日以内に更新します。
  • 事業名は、事業所で見やすく表示し、決められた書類に事業名とABNを記載します。
  • 事業名の登録は、会社の設立とは別の手続きです。事業名を登録しても会社にはならず、事業の責任は登録した人や会社が負います。
  • ビザで滞在している人は、事業を営むことがビザの条件で認められているかを、内務省(Department of Home Affairs)か登録移民エージェントに確認してください。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

仕事・税金ABN(事業者番号、Australian Business Number)ABNは、事業や団体を政府や取引先に示す11桁の番号です。事業(enterprise)を営む人や始める人が、オーストラリア事業者登録簿(ABR)で無料で申請できます。従業員として働く仕事にはABNを取得できず、雇用主が採用の条件としてABNを求めるべきではありません。仕事・税金個人事業主(Sole trader)個人事業主(sole trader)は、個人で事業を営むいちばん簡単な事業の形です。個人のTFNで確定申告をし、事業の所得も個人の税率で課税されます。事業の借金や損失には、本人が個人の財産で責任を負います。仕事・税金会社(Company)の設立とASICへの登録オーストラリアで会社を作るには、証券投資委員会(ASIC)の会社登録簿に登録します。多くの中小企業は非公開会社(Pty Ltd)で、取締役1人以上が国内に住んでいる必要があります。登録費用、毎年の年次審査料、取締役の義務を事前に確認しましょう。仕事・税金GSTの基本(Goods and Services Tax)GST(物品サービス税)は、オーストラリアで売られる多くの商品・サービスにかかる10%の税金です。事業の売上(GST turnover)がA$75,000以上になる場合などはGSTの登録が必要で、登録した事業者は価格にGSTを含め、税務署(ATO)に納めます。基本的な食品など、GSTがかからないもの(GST-free)もあります。仕事・税金BAS(事業活動報告書、Business Activity Statement)GSTに登録した事業者は、事業活動報告書(BAS)で、受け取ったGST、源泉徴収した税金、予定納税などを税務署(ATO)に報告し、納めます。報告は月ごと・四半期ごと・年1回のいずれかで、期限は報告書に書かれています。報告することがなくても「ゼロ(nil)」で提出が必要です。仕事・税金雇用か請負か(Employee or contractor)働く人が従業員(employee)か請負人(independent contractor)かで、税金、スーパー、最低賃金などの権利が変わります。ABNを持っている、請求書を出す、契約書に「請負」と書いてある、というだけでは請負人になりません。判断は働き方の全体で決まります。