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人を雇うときの義務(Hiring employees)

在住駐在
ひとことで言うと

従業員を雇う事業者には、働く権利の確認、Fair Work Information Statementの交付、源泉徴収(PAYG withholding)の登録、Single Touch Payrollでの報告、スーパーの支払い、労災保険への加入、記録の保管などの義務があります。最低賃金やアワード(業種別の最低条件)も守る必要があります。

目次
  1. 雇用主の義務
  2. 手順
  3. 費用
  4. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

雇用主の義務

従業員を雇うと、事業者には労働法と税・スーパーの両方で義務が生まれます。連邦政府の事業者向けサイト(business.gov.au)は、雇用のガイド(新しいタブで開く)で手順をまとめています。

雇う前に確認すること

  • 雇用か請負か:相手が従業員(Employee)か、自分で事業をしている請負人(Independent contractor)かで、義務が大きく変わります。を持っているか、請求書を出すかだけでは決まりません。見習い(Apprentice、Trainee)は常に従業員です。くわしくは雇用か請負かにまとめています。
  • 働く権利:オーストラリア市民、永住者、ニュージーランド市民は働けます。それ以外の人は、就労を認めるビザがあるかを確認する必要があります。
  • ワーキングホリデーの人を雇う場合:最初の給料を払う前に、ワーキングホリデー・メーカーの雇用主(Employer of working holiday makers)としてATOに登録する必要があります。
  • 給料と条件:多くの従業員には業種別の最低条件(アワード、Award)が適用されます。アワードがない場合も、最低賃金と全国雇用基準(National Employment Standards、NES)を守る必要があります。試用期間中の従業員も同じ権利を持ちます。アワードの仕組みはアワードの記事で扱っています。
  • 無給の試用:技能を見るための短い無給の試用は、必要な範囲で、雇用主が直接監督している場合などに限られます。条件を超える場合は賃金の支払いが必要です(Fair Work Ombudsmanのページ(新しいタブで開く))。

働き始めるときの義務

  • 情報説明書の交付:新しい従業員全員に、働き始める前か、その後できるだけ早く、Fair Work Information Statement(FWIS)を渡します。カジュアルの従業員にはCasual Employment Information Statement、固定期間の契約にはFixed Term Contract Information Statementも渡します。メールやリンクで渡すこともできます。
  • アワードの提示:アワードが適用される場合は、従業員がそのアワードを見られるようにし、適用されることと職務の区分(Classification)を伝えます。
  • 勤務時間:多くのアワードでは、フルタイムとパートタイムの従業員と、通常の勤務時間とシフトを事前に決めておく必要があります。
  • 税金の書類:従業員にの申告書(Tax file number declaration)を出してもらいます。オンラインの開始手続き(Online commencement forms)でもかまいません。従業員がTFNを出さず、免除も申請しない場合は、最高税率(と税)で源泉徴収します。
  • スーパーの選択:多くの従業員は自分でスーパー基金を選べます。働き始めてから28日以内に、基金の選択書( standard choice form)を渡します。選ばない場合は、ATOにその人の既存の基金(Stapled super fund)を問い合わせます。
  • 安全の説明:職場の危険、安全な作業手順、避難経路、救急箱の場所などを説明します。

税金とスーパーの手続き

  • 源泉徴収の登録:初めて給料を払う前に、源泉徴収(PAYG withholding)の登録をします。登録は事業ごとに1回で、従業員ごとには必要ありません。源泉徴収の仕組みは源泉徴収(PAYG)で説明しています。
  • Single Touch Payroll(STP):給料を払うたびに、給料・税金・スーパーの情報を、STPに対応した給与ソフトか代行業者(登録税理士など)を通してATOに報告します。毎年7月14日までに、その年度の確定(Finalisation declaration)をします。
  • BASでの納付:源泉徴収した税金は、BAS(事業活動報告書)で報告し、ATOに納めます。
  • スーパーの支払い:雇用主は、給料とは別に、対象の収入の12%をスーパーとして払います(2026年10月時点)。給料から差し引くことはできません。18歳以上の従業員と、週30時間を超えて働く18歳未満の従業員が対象です。給料日ごとに払い、給料日から7営業日以内に基金に届く必要があります(新しい従業員の最初の支払いは20営業日以内)。支払いはSuperStreamという電子の方式で行います。スーパーの仕組みはスーパーアニュエーションで説明しています。
  • その他の税:給料の総額が州・準州の基準を超えると、州税の給与税(Payroll tax)がかかります。基準額と税率は州・準州ごとに違います。従業員に車の私用などの給料以外の利益を与えると、フリンジ・ベネフィット税(FBT)がかかる場合があります。

給料の支払いと記録

  • 給料は少なくとも月1回払います。アワードによっては、もっと頻繁に払う決まりがあります。
  • 給料日から1営業日以内に給与明細を渡します(給与明細と記録)。
  • 毎年、最低賃金とアワードの賃金は見直され、通常は7月1日ごろに変わります。
  • 雇用の記録(本人の情報、給料、勤務時間、休暇、スーパー)は7年間保管します。ATOは、税金とスーパーの記録を5年間保管するよう求めています。

労災保険

雇用主は、労災保険(Workers compensation insurance)に入る必要があります。制度と窓口は州・準州ごとに違います。窓口は「職場の安全と労災」にまとめています。西オーストラリア州(WA)の事業者は、連邦ではなく州の労使関係制度が適用される場合があります。

手順

  1. 雇用か請負か、雇用の形(フルタイム、パートタイム、カジュアル、固定期間)を決める。
  2. 適用されるアワードと賃金を、Fair Work Ombudsmanの賃金計算ツール(Pay and Conditions Tool)で確認する。
  3. 労災保険に入り、必要に応じてPAYG withholdingに登録する。
  4. 採用が決まったら、働く権利を確認し、FWISなどの情報説明書を渡す。
  5. TFNの申告書と、スーパーの選択書を受け取る。
  6. STPに対応した方法で給料を払い、給与明細を渡し、スーパーを払う。
  7. 源泉徴収した税金をBASで納め、記録を保管する。

費用

雇用主は、給料のほかに、スーパー(対象の収入の12%、2026年10月時点)と労災保険料を負担します。給与税やFBTがかかる場合もあります。登録税理士や給与代行に依頼する場合は、その報酬がかかります。

ここに注意してね!

  • 給料を払うたびにSTPでATOに報告する仕組みです。給与ソフトなどの準備を先に整えてください。
  • スーパーは給料日ごとに払い、期限内に基金に届く必要があります。遅れたり不足したりすると、追加の負担金(Super guarantee charge)がかかります。
  • 雇用か請負かを誤って扱うと、罰則や追加の負担が生じることがあります。判断に迷う場合は、Fair Work Ombudsman(13 13 94)、ATO、登録税理士、弁護士に相談してください。

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