雇用か請負か(Employee or contractor)
働く人が従業員(employee)か請負人(independent contractor)かで、税金、スーパー、最低賃金などの権利が変わります。ABNを持っている、請求書を出す、契約書に「請負」と書いてある、というだけでは請負人になりません。判断は働き方の全体で決まります。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
従業員と請負人
従業員(employee)は、事業の一員として働く人です。請負人(independent contractor)は、自分の事業として、相手の事業にサービスを提供する人です。
ATOは、どちらになるかで、事業者の税金(源泉徴収など)とスーパーの義務が変わるとしています。主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 従業員 | 請負人 |
|---|---|---|
| スーパー | 雇用主が払う | 主に労働に対して報酬を受ける契約などでは、相手の事業者が払う |
| 給与・労働条件 | 従業員としての給与・条件の権利がある | 従業員と同じ給与・条件の権利はない |
| その仕事についてはABNを取得できない | 事業を営んでいれば取得できる |
よくある誤解
ATOは、次のことは請負人かどうかの判断に関係ないとしています。
- 働く人がABNを持っている
- 事業名を登録している
- 請求書(invoice)を出して支払いを受けている
- 契約書に「請負人」と書いてある
- 業界でみな請負として扱っている
- 本人が請負を希望している
- 短期の仕事や繁忙期だけの仕事である
ABRも、従業員として働く仕事にはABNを取得できないとしています。雇用主は、採用の条件としてABNを求めるべきではありません。
税金とスーパーの判断(ATO)
税金とスーパーについては、ATOは働く人と結んだ契約の権利と義務を見て判断するとしています。契約は書面でも口頭でも、その組み合わせでもかまいません。
中心となる考え方は、働く人が「その事業の一員として働いているか(serving in your business)」です。ATOは、次のような点を示しています。
| 点 | 従業員の傾向 | 請負人の傾向 |
|---|---|---|
| 指示・管理 | 事業者が、仕事の方法・場所・時間を管理する権利を持つ | 働く人が方法・場所・時間を選べる |
| 事業との関係 | 事業の代表として働く | 自分の事業のために働く |
| 報酬 | 時間、出来高、歩合で払われる | 決まった成果に対して払われる(定額が多い) |
| 再委託 | 自分で働く必要がある | 契約で他人に任せることができる |
| 道具 | 事業者が用意する、または手当や精算がある | 自分で用意し、手当や精算はない |
| リスク | 損害などのリスクを事業者が負う | 自分で負う |
どれか1つで決まるものではありません。見習い(apprentice)、訓練生(trainee)、作業員(labourer)、職人の助手(trades assistant)は、常に従業員として扱われます。
請負人でも、主に自分の労働に対して報酬を受ける契約などでは、スーパーの対象になります。
労働法の判断(Fair Work)
働く人の権利を定める公正労働法(Fair Work Act)でも、従業員か請負人かを判断します。公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)は、2024年8月26日から判断の方法が変わったと説明しています。
| 事業の種類 | 使う判断の方法 |
|---|---|
| 会社(名前に「Pty Ltd」や「Ltd」があることが多い)などの事業 | 2024年8月26日以降の仕事は「関係全体の判断(whole of relationship test)」 |
| NSW・SA・QLD・VIC・TASの個人事業主やパートナーシップなど | 「関係の開始時の判断(start of relationship test)」 |
関係全体の判断では、契約の内容に加えて、実際の働き方も考えます。Fair Work Ombudsmanが挙げる主な点は次のとおりです。
- 仕事の方法をどれだけ管理されているか
- 金銭的な責任とリスクを誰が負うか
- 道具や設備を誰が用意するか
- 仕事を他人に任せられるか
- 働く時間の決まり方
- 仕事が続く見込みがあるか
Fair Work Ombudsmanは、自分では従業員か請負人かを決められないとしています。確認が必要なときは、法律の専門家に相談するよう案内しています。
偽装請負(Sham contracting)
実際には従業員なのに、請負人だと伝えて働かせることを、偽装請負(sham contracting)といいます。事業者が請負人だと合理的に信じていない場合は、違法です。
手順
- 契約の内容(書面・口頭)と、実際の働き方を書き出す。
- ATOの従業員と請負人の違いのページ(新しいタブで開く)で、税金とスーパーの考え方を確認する。
- Fair Work Ombudsmanの請負人のページ(新しいタブで開く)で、労働法の考え方を確認する。
- 判断に迷うとき、従業員なのに請負として扱われていると思うときは、Fair Work Ombudsman、ATO、または法律の専門家に相談する。
ここに注意してね!
- 「ABNを取ってから働いて」と言われても、それだけで請負人になるわけではありません。
- 同じ人でも、仕事ごとに従業員になったり請負人になったりします。
- 税金・スーパーの判断(ATO)と、労働法の判断(Fair Work)は、別々の法律に基づいています。それぞれの公式ページで確認してください。
- 給料や権利の相談先は「Fair Work Ombudsmanと相談先」で説明しています。
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