個人事業主(Sole trader)
個人事業主(sole trader)は、個人で事業を営むいちばん簡単な事業の形です。個人のTFNで確定申告をし、事業の所得も個人の税率で課税されます。事業の借金や損失には、本人が個人の財産で責任を負います。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
個人事業主とは
個人事業主(sole trader)は、個人が事業を営む形です。ATOは、いちばん簡単で費用の少ない事業の形としています。
オーストラリアでよく使われる事業の形は、個人事業主、パートナーシップ、会社(company)、信託(trust)の4つです。会社については「会社の設立」で説明しています。
主な特徴
business.gov.auとATOは、個人事業主の特徴として次の点を挙げています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所有と決定 | 事業の唯一の所有者で、すべての決定を自分で行う |
| 責任 | 事業の借金や損失を含め、すべてに法的な責任を負う。責任に限度がなく(unlimited liability)、個人の財産も対象になる |
| 確定申告 | 個人ので申告する。事業専用の申告書はない |
| 税率 | 事業の所得を含むすべての所得に、個人の税率で課税される |
| 記録 | 財務の記録を5年以上保存する |
| 銀行口座 | 事業専用の口座は必須ではないが、勧められている |
| 利益の分配 | 事業の利益や損失を家族と分けることはできない |
税金の義務
個人事業主の主な税金の義務は次のとおりです(2026年10月時点)。
- を取得し、事業のすべての活動に使う
- 個人の確定申告書の事業の欄(business items)で、事業の収入と経費を申告する
- 次の場合はに登録する
- 年間のGST売上がA$75,000以上
- タクシー、ハイヤー、ライドシェアの仕事をする(売上に関係なく)
- 燃料税クレジットを受けたい
- GSTの登録などがあれば、事業活動報告書(BAS)を提出することがある
- 所得税の前払い(PAYG instalments)を求められる、または自分で選ぶことがある
GSTの登録が必要な場合は、ほかにもあります。「GSTの基本」で説明しています。
事業のお金や財産を私用に使った分は、経費として控除できません。
myTaxは個人事業主も使えます。ATOアプリの「myDeductions」で、事業の収入と経費を記録することもできます。
人を雇う場合
個人事業主も人を雇えます。ただし、自分自身を雇うことはできません。雇った人には、スーパー(Super Guarantee)や労災保険(workers’ compensation insurance)などの義務があります。雇った人に払った給料や手当は、確定申告で控除できます。
自分のスーパー
個人事業主は、自分のためにスーパーを払う義務はありません。ただし、老後のために積み立てることは勧められています。TFNがあれば、自分で選んだ基金に拠出できます。基金に届け出たうえで、拠出した分を控除できる場合があります。
手順
- 事業の形を決める。迷う場合は、ATOは登録税理士や信頼できる事業・法律の専門家に相談するよう案内しています。
- ABNを申請する(「ABN(事業者番号)」)。
- GSTの登録が必要か確認し、必要なら登録する。
- 事業の収入と経費の記録を残す。
- 年度が終わったら、個人の確定申告で事業の所得を申告する。
事業名の登録については「事業名の登録」で説明しています。
公式の説明はATOの事業の形と税の義務のページ(新しいタブで開く)にあります。
費用
ABRでのABNの申請は無料です(2026年10月時点)。事業の形を後から変えると、費用や税金の影響が出ることがあります。
ここに注意してね!
- 雇用の仕事を「個人事業主として」受けるよう求められることがあります。働き方が雇用なら、ABNは取得できません(「雇用か請負か」)。
- 責任に限度がないため、事業の借金に個人の財産が使われることがあります。
- ビザで滞在している人は、事業を営むことがビザの条件で認められているかを、内務省(Department of Home Affairs)か登録移民エージェントに確かめておきます。
- 税金の個別の判断は、ATOか登録税理士(registered tax agent)に相談してください。
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