育児休暇と育児休業給付(Parental leave と Parental Leave Pay)
同じ雇用主に12か月以上勤めた従業員は、最長12か月の無給の育児休暇を取れ、さらに12か月の延長を申請できます。休暇中の収入として、条件を満たす親は政府の育児休業給付(Parental Leave Pay)を受け取れる場合があります。2026年7月1日以降に生まれた子どもは、家族で最長26週分です。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
休暇と給付の2つの制度
子どもが生まれたり養子を迎えたりしたときの制度は、大きく2つあります。
| 制度 | 内容 | 窓口 |
|---|---|---|
| 育児休暇(Parental leave) | 雇用主から休みを取る権利。休暇そのものは無給 | 雇用主。相談は公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman) |
| 育児休業給付(Parental Leave Pay) | 政府が最低賃金をもとに支払う給付 | サービス・オーストラリア(Services Australia) |
このほか、労使協定や雇用契約、社内規程で、雇用主が独自に有給の育児休暇を用意している場合があります。その条件は職場ごとに違うため、雇用主に確認してください。政府の給付と雇用主の有給休暇は、両方受け取れる場合があります。
雇用主から取る育児休暇
全国雇用基準(NES)で、次の条件を満たす従業員は無給の育児休暇を取れます。
- 子どもの世話をする責任がある、またはその予定である
- 同じ雇用主に12か月以上勤めている(出産予定日、養子を迎える日、または休暇の開始時点で)
カジュアルの人は、さらに次の2つが必要です。
- 12か月以上、定期的・継続的に働いている
- 出産や養子がなければ、その働き方が続くと合理的に見込める
休暇の長さと取り方は次のとおりです。
- 最初に最長12か月を取れます。さらに最長12か月の延長を申請でき、合わせて最長24か月です。
- 1回の連続した休暇として取るか、柔軟な育児休暇(Flexible parental leave)として日単位で取るか、組み合わせて取れます。
- 両親とも、それぞれ最長12か月を取れます。同じ時期に取る必要はありません。
柔軟な育児休暇として取れる日数は、子どもが生まれた(養子を迎えた)時期で決まります。
| 子どもの誕生・養子の時期 | 柔軟な育児休暇の上限 |
|---|---|
| 2024年7月1日より前 | 100日 |
| 2024年7月1日〜2025年6月30日 | 110日 |
| 2025年7月1日〜2026年6月30日 | 120日 |
| 2026年7月1日以降 | 130日 |
出産する本人が連続した休暇を取る場合は、出産予定日の6週間前から(雇用主の同意があればそれより前から)始められます。休暇は子どもの誕生から24か月以内に終える必要があります。
復職の権利
無給の育児休暇から戻った人は、休暇前と同じ仕事に戻る権利があります。代わりの人がその仕事をしていても同じです。元の仕事がなくなっている場合は、資格と適性に合い、給与と地位が最も近い仕事を提示する必要があります。
有期契約の人は、休暇中に契約期間が終われば、契約に別の定めがない限り同じ仕事に戻る権利はありません。
政府の育児休業給付(Parental Leave Pay)
育児休業給付は、有給育児休暇制度(Paid Parental Leave scheme)による政府の給付です。受け取るには、主に次の条件を全て満たす必要があります。
- 生まれたばかりの子ども、または養子を世話している
- 所得の基準を満たす
- 就労の基準を満たす
- 居住の基準を満たす
- 新生児の場合、州・準州の出生登録をしたか、申請している
給付を受ける日は、認められた理由を除き、働くことはできません。
就労の基準(Work test):子どもの誕生または養子の前の13か月のうち10か月以上働き、その10か月で合計330時間以上働いている必要があります。勤務日と勤務日の間が12週間を超えて空いてはいけません。有給休暇も働いた期間に数えます。
所得の基準(Income test):本人の調整後課税所得(Adjusted taxable income)が、2025–26年度でA$186,487以下である必要があります。満たさない場合は、配偶者と合わせた所得がA$386,525以下なら対象になります(2026年10月時点)。
居住の基準(Residence rules):オーストラリアに住み、次のいずれかを持っている必要があります。
- オーストラリア市民権
- 永住ビザ
- 特別カテゴリービザ(Special Category visa)
- 一部の一時ビザ(パートナーの仮ビザ、一時保護ビザ)
新しく永住者になった人などは、2年間の待機期間(Newly arrived resident’s waiting period)がかかる場合があります。
給付の日数と分け方
家族で受け取れる日数は、子どもの誕生(養子)の日で決まります(2026年10月時点)。
| 子どもの誕生・養子の日 | 家族で受け取れる日数 | 配偶者のために確保される日数 |
|---|---|---|
| 2024年7月1日以降 | 110日(22週) | 10日 |
| 2025年7月1日以降 | 120日(24週) | 15日 |
| 2026年7月1日以降 | 130日(26週) | 20日 |
配偶者がいる場合は、一部の日数が配偶者用に確保されます。日数を分けるときは、それぞれが申請します。2025年7月1日以降に生まれた子どもは、両親が同時に受け取れるのは最長20日です。
給付は、多くの場合は雇用主を通じて、そうでなければサービス・オーストラリアから直接支払われます。給付は課税の対象です。2025年7月1日以降に生まれた子どもの分には、税務署(ATO)がの拠出をします。
手順
- 出産予定日(または養子を迎える日)の10週間以上前に、雇用主に書面で育児休暇を届け出る。休暇の長さと開始日・終了日を書く。
- 連続した休暇の開始の4週間以上前に、開始日と終了日を雇用主に確認する。柔軟な育児休暇は、取る日の4週間以上前に伝える。
- 雇用主に、育児休業給付を申請することを伝える。
- にセンターリンク(Centrelink)のオンラインアカウントをつなぎ、出産予定日の3か月前から給付を申請できる。
- 子どもが生まれたら、出生の証明を提出する。誕生日から給付を受けるには、14週間または100日以内に申請と証明の提出を済ませる。
- 結果は myGov の受信箱などで届く。
給付の申請は、最初に申請する親が子どもの誕生から52週間以内に行う必要があります。給付の日数は、誕生から2年以内に使い切る必要があります。申請の流れはサービス・オーストラリアの申請のページ(新しいタブで開く)にあります。
費用
育児休業給付の額は、全国最低賃金をもとにしています(2026年10月時点)。
| 給付を受ける会計年度 | 金額(税引き前) |
|---|---|
| 2025–26年度 | 1日A$189.62(5日でA$948.10) |
| 2026–27年度 | 1日A$200.94(5日でA$1,004.70) |
金額は、子どもの誕生日ではなく、給付を受ける日の会計年度で決まります。通常、毎年7月1日に改定されます。
ここに注意してね!
- 雇用主から取る育児休暇は、NES では無給です。休暇中の収入は、政府の給付か、雇用主独自の制度によります。
- 政府の給付には居住の基準があります。一時滞在のビザの人の多くは対象外になる可能性があります。自分が対象かどうかは、サービス・オーストラリアの居住の基準のページ(新しいタブで開く)で確認してください。
- 就労の基準は、雇用主が変わっていても、働いた期間を合わせて数えられます。一方、雇用主から取る育児休暇は、同じ雇用主に12か月以上の勤務が必要です。
- 妊娠や育児休暇を理由とする不利益な扱いは禁じられています(「職場の差別とハラスメント」)。
- 出産の流れは「妊娠・出産の流れ」、出生登録は「出生登録」で説明しています。
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