給与の未払い(Underpayment)と相談先
給料が少ない・払われないときは、まず自分の記録と正しい額を確かめ、雇用主に書面で伝えます。解決しなければ公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman)に無料で相談でき、最大 A$100,000 までの未払いは少額訴訟の手続きも使えます。スーパーの未払いは税務署(ATO)に報告します。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
未払いとその取り戻し方
時給が最低賃金やアワードより低い、週末の割増が払われない、最後の給料が払われないなどは、未払い(Underpayment)にあたる可能性があります。
まず確かめること
公正労働オンブズマン(Fair Work Ombudsman、FWO)は、次の順で確かめるよう案内しています(FWO のページ(新しいタブで開く))。
- 今いくら受け取っているか:給与明細、勤務表(ロスター)、銀行の取引明細、雇用の記録
- 本来いくらもらえるか:労使協定、アワード、またはそのどちらの対象でもない場合は全国最低賃金
アワードの賃金は FWO の Pay and Conditions Tool で調べられます。アワードの仕組みは「アワード」で説明しています。
FWO が手伝えること・手伝えないこと
FWO のページでは、扱う内容を次のように示しています。
- 賃金や手当の未払い・不払い、ペナルティレートなどの賃金の率
- 解雇予告、整理解雇の手当、最後の給料
- 休暇、労働時間と休憩
- 公正労働法、アワード、協定の最低条件
- 職場のセクシュアルハラスメント
次のことは FWO の担当外です。
- 税金と
- いじめ、労働安全衛生
- 不当解雇の申し立て
- 法律上の助言
- 6年より前に起きた問題
FWO は中立の機関で、従業員も雇用主も代理しません。無料の紛争支援(Dispute Assistance)があり、匿名での通報もできます。
最後の給料
退職したときの最後の給料には、働いた分の賃金(割増や手当を含む)と、使っていない年次有給休暇の分が含まれます。病気休暇は支払われません。多くのアワードは、最終勤務日から7日以内の支払いを求めています。
少額訴訟(Small claims)
自分で裁判所に申し立てて、未払いを取り戻す方法です。
- 公正労働法の権利(全国雇用基準、アワード、協定など)に関する未払いで、A$100,000 までの請求が対象です(2026年10月時点)。
- 違反の日から6年以内に申し立てる必要があります。
- 申立先は、連邦巡回家庭裁判所(Federal Circuit and Family Court of Australia)か、各州・準州の治安判事裁判所(Magistrates court)です。
- 違法な控除やスーパーの未払いも対象にできます。
- 通常の裁判より早く、費用が少なく、形式ばらない手続きです。当事者は原則として自分で手続きを行い、弁護士を付けるには裁判所の許可が必要です。
FWO はどちらの裁判所を選ぶべきかは助言しません。無料・低額の法律相談先は、FWO の法律相談のページ(新しいタブで開く)に案内があります。
スーパーアニュエーションの未払い
スーパーの未払いは税務署(Australian Taxation Office、ATO)の担当です。ATO の未払いのスーパーのページ(新しいタブで開く)の手順で確認し、オンラインで報告できます。法定の率(SG)を超えるアワード上のスーパーの権利は、FWO の担当です。
手順
- 給与明細、勤務表、銀行の記録を集め、自分でも勤務時間を記録する(FWO の無料アプリ「Record My Hours」も使える)。
- Pay and Conditions Tool などで、正しい賃金と未払いの額を計算する。
- 雇用主と話す時間を作り、調べた内容を示す。必要なら付き添いの人を連れて行く。話した内容はメモに残す。
- 話し合いの内容と合意をメールで雇用主に送り、返事の期限(例えば1週間)を決める。
- 解決しなければ、未払いの内容と額、期日までに解決しなければ少額訴訟をすることを書いた正式な手紙を送る。
- それでも解決しなければ、FWO(13 13 94)に相談するか、少額訴訟や法律相談を検討する。
- スーパーの未払いは、ATO の手順に沿って確認と報告をする。
ここに注意してね!
- 雇用主が「ビザを取り消す」と言っても、ビザを取り消せるのは内務省(Department of Home Affairs)だけです。搾取を受けた一定のビザ保有者向けの試行制度もあります(「ビザで働く人の権利」)。
- FWO は6年より前の問題を扱いません。少額訴訟も6年以内です。気づいたら早めに動いてください。
- 通訳が必要なときは、翻訳通訳サービス(TIS National、13 14 50)に電話し、FWO(13 13 94)につないでもらえます。
- 給与明細のルールは「給与明細と記録」、相談先の全体は「Fair Work Ombudsmanと相談先」にまとめています。
- 個別の事案で法的な判断が必要なときは、弁護士や地域の法律センターに相談してください。
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