経費の控除(Deductions)
確定申告では、所得を得るためにかかった費用などを控除(deduction)として差し引けます。仕事の経費を控除するには、自分で払って精算されていないこと、仕事に直接関係すること、記録があることの3つが必要です。2026–27年度からは、条件を満たす居住者に最大A$1,000の標準控除が自動で適用されます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
控除のしくみ
控除(deduction)は、課税所得を減らすものです。計算の考え方は次のとおりです。
- 課税対象の所得(assessable income)
- −控除できる費用(allowable deductions)
- =課税所得(taxable income。税金がかかる額)
控除できる費用の多くは、所得を得るための費用です。寄付のように、所得と関係がなくても控除できるものも一部あります。
個別の費用が控除できるかは、ATOの控除のページ(新しいタブで開く)や職業別のガイドで確かめられます。
仕事の経費の3つの条件
会社員が仕事の経費(work-related expenses)を控除するには、次の3つがすべて必要です。
- 自分でお金を払い、精算(reimbursement)を受けていない
- 費用が所得を得ることに直接関係している
- 証明する記録(通常は領収書)がある
さらに、次の点もATOは示しています。
- 私的・家庭的な費用や、資本的な支出(capital)は控除できない。通常の通勤費や毎日の昼食代は私的な費用です。
- 仕事と私用の両方に使う費用は、仕事の分だけを按分して控除する。
- 雇用主が払った費用や、精算された費用は控除できない。
- 雇用主に買うよう言われたものでも、それだけで控除できるわけではない。
仕事と関係なくても控除できるもの
ATOは、次のような費用を例に挙げています。
- 寄付(deductible gift recipient への寄付など)
- 投資の所得を得るための費用
- 自分で払ったスーパーへの拠出(personal super contributions)
- 所得補償保険(income protection insurance)の保険料
- 税務の管理にかかる費用(登録税理士への報酬など)
標準控除(2026–27年度から)
2026–27年度(2026年7月1日〜2027年6月30日)から、標準控除(standard deduction)が始まりました。「instant tax deduction」とも呼ばれます。2025–26年度の申告には適用されません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 税務上の居住者の個人で、給料などの労働所得(assessable labour income)がある人 |
| 額(2026年10月時点) | 最大A$1,000(労働所得がA$1,000未満なら、その額まで) |
| 手続き | 不要。条件を満たせば申告書に自動で適用される |
| 記録 | 標準控除だけを受ける場合、その分の記録は不要 |
配当や事業の所得だけの人は対象外です。
標準控除は、申告する仕事の経費の分だけ減ります。例えば仕事の経費をA$550申告すると、標準控除はA$450になります。経費がA$1,000を超えて全額を申告すると、標準控除は0になります。経費を申告する場合は、その経費の記録が必要です。
組合費や職業団体の会費、寄付、税務の管理の費用などは、標準控除と関係なく申告できます。これらには記録が必要です。
標準控除の案内はATOの標準控除のページ(新しいタブで開く)にあります。
記録の残し方
仕事の経費の記録には、原則として次のことが書かれた書面(領収書や請求書)が必要です。
- 金額
- 店や会社の名前
- 何の費用か
- 買った日・払った日
- 書面が作られた日
仕事と私用の割合や、控除額の計算方法を示すメモも残します。銀行やクレジットカードの明細だけでは、書面の証拠になりません。
記録は紙でも電子でもよく、写真でも認められます。オーストラリアで払った費用の記録は英語である必要があります。国外で払った費用は、その国の言語でもかまいません。ATOに求められたら、認定翻訳者の翻訳を付けます。
記録は、申告した日から5年間保存します。ATOアプリの「myDeductions」で記録を管理できます。
記録の例外(一定額以下は領収書がなくてもよい、など)は、年度によって扱いが変わります。ATOの記録のページ(新しいタブで開く)と標準控除のページで、申告する年度の扱いを確認してください。
手順
- 1年の間、経費の領収書などの記録を残す(myDeductionsも使える)。
- 申告の前に、各費用が3つの条件を満たすか確認する。
- 2026–27年度以降は、仕事の経費の合計と標準控除のどちらが多いかを比べる。
- myTaxか登録税理士を通じて、控除を申告書に入力する。
- 申告した日から5年間、記録を保存する。
ここに注意してね!
- オーストラリアでは、会社員も仕事の経費を自分で申告して控除を受けるのが一般的です。
- 控除の可否は職業や状況で変わります。「同僚が控除していた」は根拠になりません。判断に迷う場合は、ATOか登録税理士(registered tax agent)に確認してください。
- 記録がないと、ATOの確認で控除が認められないことがあります。
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