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譲渡所得税(CGT、Capital gains tax)の基本

在住駐在
ひとことで言うと

不動産・株・暗号資産などを売って得た利益には、譲渡所得税(CGT)がかかります。別の税ではなく所得税の一部で、確定申告で申告します。12か月以上持った資産の50%割引や、自宅の非課税などがありますが、外国居住者・一時居住者には制限があります。

目次
  1. CGTとは
  2. 手順
  3. 日本との違い・注意点
1,234 %
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

CGTとは

譲渡所得税(Capital gains tax、CGT)は、資産を手放して得た利益にかかる税です。名前は「税」ですが、所得税の一部で、別の税ではありません(税務署(Australian Taxation Office、ATO)のページ(新しいタブで開く))。

  • 資産を手放す(ふつうは持ち主でなくなる)と、「CGTイベント(CGT event)」が起きることがあります。
  • その年の確定申告で、譲渡益(capital gain)と譲渡損失(capital loss)を申告します。
  • 譲渡益は課税所得に加わり、その人の所得税率で課税されます。
  • 譲渡損失は、同じ年や翌年以降の譲渡益と相殺できます。

CGTの対象になる主な資産

ATOの一覧では、次のようなものが対象です。

  • 不動産:更地、事業用の建物、賃貸物件、別荘など。ほとんどの不動産が対象です。
  • 株、投資信託の持ち分(units)、上場投資信託(ETF)
  • 暗号資産(crypto assets)
  • 外国の通貨(為替の変動で利益や損失が出る)
  • 賃借権(lease)、営業権(goodwill)などの無形の資産
  • 美術品・宝石・切手などの収集品(collectables)。A$500以下で手に入れたものは対象外です。
  • 個人で使う物(personal use assets。ボート、家具、電気製品など)。手に入れた額がA$10,000を超えるものだけが対象で、損失は無視されます。

CGTがかからない主な資産

  • 自分が住む家(main residence)。ただし、一部を貸している、事業に使っている、土地が2ヘクタールを超えるなどの場合はかかることがあります。
  • 車とバイク
  • 1985年9月20日より前に手に入れた資産
  • 賞金やギャンブルの勝ち、仕事や病気・けがの補償金など

50%の割引(CGT discount)

次の両方に当てはまると、譲渡益を50%減らせます。

  • 資産を12か月以上持っていた(取得の日とCGTイベントの日は数えない)
  • 税務上のオーストラリア居住者である

売買契約がある場合、CGTイベントの日は代金の決済の日ではなく、契約の日です。不動産の売却はふつうこの形です。

割引を使う前に、ほかの資産の譲渡損失を先に差し引きます。会社は割引を使えません。2026-27年度の連邦予算で発表されたCGTの変更は、2026年の確定申告には当てはまらないとATOは案内しています(2026年10月時点)。

外国居住者・一時居住者

税務上の居住者かどうかは、ビザや永住とは別の基準で決まります(「税務上の居住者・非居住者」)。ATOのページでは、次のように説明されています。

  • 外国居住者と一時居住者(temporary resident)は、原則として「課税対象のオーストラリアの財産(taxable Australian property)」だけにCGTがかかります。オーストラリアの不動産などです。
  • 一時居住者とは、一時的なビザを持ち、本人も配偶者も市民・永住者などでない人です。税務上は居住者でも、CGTは外国居住者と同じ扱いになります。
  • 2012年5月8日より後に得た譲渡益には、外国居住者・一時居住者は50%の割引を全部は使えません。居住者だった期間の分だけ、割引を按分で使える場合があります。
  • 外国居住者は、自宅の非課税(main residence exemption)を原則として使えません。「人生の出来事の条件(life events test)」を満たす場合は別です。
  • オーストラリアの不動産を売るとき、外国居住者の源泉徴収(Foreign resident capital gains withholding)がかかることがあります。

居住者になるとき・やめるとき

ATOの居住の変化のページの要点です。

  • 一時居住者でない形で税務上の居住者になると、その日の時価で資産を手に入れたとみなされます。オーストラリアの不動産などは除きます。
  • 税務上の居住者でなくなると、オーストラリアの不動産などを除く資産を、その日の時価で手放したとみなされます。代わりに、居住者に戻るか売るまで課税対象の財産として扱う選択もできます。
  • 居住者でなくなるときに一時居住者だった場合は、手放したとはみなされません。
  • 一時居住者が永住者になるなどして一時居住者でなくなると、その日の時価で国外の資産を手に入れたとみなされます。

手順

  1. 資産を手に入れた日、金額、費用の記録を残しておく。
  2. 資産を売ったり手放したりしたら、CGTイベントの日と受け取った額を確認する。
  3. 受け取った額から、取得の費用など(cost base)を引いて、譲渡益か損失を計算する。ATOの計算ツールも使える。
  4. ほかの譲渡損失を差し引き、条件に当てはまれば50%の割引を使う。
  5. 確定申告で申告する(「確定申告(Tax return)」)。

日本とのちがいと注意点だよ!

  • オーストラリアのCGTは所得税の一部で、譲渡益はほかの所得と合わせて課税されます。
  • 一時的なビザで住む人は、税務上の居住者でも、オーストラリアの不動産などにしかCGTがかからない扱いになります。永住ビザを取ると扱いが変わります。
  • 帰国などで居住者でなくなるときは、株などを手放したとみなされることがあります(「帰国時の税金の手続き」)。
  • 日本にある資産の売却や、日本での課税との関係は「海外の所得と税金」で扱っています。個別の計算はATOか登録税理士(「登録税理士と相談先」)に確認してください。

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