皮膚がんの検診(Skin cancer checks)
オーストラリアでは皮膚がんが多く、自分で肌を定期的に見ることと、気になる変化があればGP(かかりつけ医)に診てもらうことが勧められています。リスクが高い人は6か月ごとに医師の全身チェックを受けるよう案内されています。見るべき変化と、受診の流れをまとめました。
皮膚がんの種類と見分け方
皮膚がんは、オーストラリアでよく見られるがんです(healthdirectのページ(新しいタブで開く))。主に太陽の紫外線(UV)で皮膚の細胞が傷つくことで起こります。早く見つけるほど、治療がうまくいく可能性が高くなります。
皮膚がんの主な3種類
がん協会(Cancer Council Australia)のページ(新しいタブで開く)をもとにまとめます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| メラノーマ(melanoma) | 最も命にかかわる皮膚がん。放っておくと体のほかの部分に広がることがある。新しいしみや、色・大きさ・形が変わるしみとして現れる。日に当たらない場所にもできる |
| 結節型メラノーマ(nodular melanoma) | メラノーマの一種。成長が速い。盛り上がって色が均一で、赤やピンクが多い。硬くてドーム形。やがて出血したりかさぶたになったりする |
| 基底細胞がん(basal cell carcinoma、BCC) | 最も多く、最も危険が少ない種類。赤・青白い・真珠のような色のしこりや、乾いてかさかさした部分として現れる。成長はゆっくり |
| 有棘細胞がん(squamous cell carcinoma、SCC) | 厚く赤いかさかさしたしみで、出血しやすい。数か月かけて大きくなる。50歳以上に多い |
皮膚がんが痛むことはまれで、触って気づくより見て気づくことのほうがずっと多い、とがん協会は説明しています。
気をつける変化
がん協会は、次のような変化に気をつけるよう案内しています。
- 新しいほくろができた
- ほくろが大きくなった
- ほくろのふちがぎざぎざになった
- しみの色が茶色から黒に変わった、または色がまだらになった
- しみが盛り上がった、中にしこりができた
- ほくろの表面がざらざら・かさかさになった、ただれた
- ほくろがかゆい、ちくちくする
- ほくろから出血する、じくじくする
- ほかと見た目が違うしみがある
healthdirectは、治らないかさぶた状の傷、数週間〜数か月でのほくろやそばかすの変化、新しいしみ、赤・青白い・真珠色の小さなしこりにも注意するよう案内しています。
ABCDE(メラノーマを見分ける目安)
がん協会は、肌を見るときの目安として「ABCDE」を紹介しています。
| 文字 | 意味 | 見るところ |
|---|---|---|
| A | Asymmetry(非対称) | 真ん中で線を引いたとき、左右の形が合わない |
| B | Border(ふち) | ふちが広がっている、ぎざぎざしている |
| C | Colour(色) | 黒・青・赤・白・灰色など、いくつもの色がまだらに混じる |
| D | Diameter(大きさ) | だんだん大きくなっている |
| E | Evolving(変化) | 変化している、成長している |
がん協会の説明では、ふつうのほくろはどれも似た見た目です。見た目がほかと違うほくろや、25歳を過ぎてから新しくできたほくろは、医師に診てもらうよう案内されています。
リスクが高い人
皮膚がんのリスクは年齢とともに高くなります。ほかに、次に当てはまる人もリスクが高いとされています。
- 以前に皮膚がんになった、または家族に皮膚がんになった人がいる
- 過去にひどい日焼けをした
- 肌の色が白い、目の色が薄い、髪が赤や金色
- ほくろが多い
- 日焼け対策をせずに長く屋外にいる、屋外で働いている
- 日焼けマシン(ソラリウム)を使ったことがある
- 免疫が弱っている
がん協会は、肌のタイプをI〜VIの6つに分けています。日焼けしやすい肌ほど皮膚がんのリスクが高いとされています。
手順
自分で肌を見る
がん協会の案内では、次のように確認します。
- 明るい場所で、服をすべて脱ぐ。
- 全身を見る。足の裏、手足の指の間、爪の下など、日に当たらない場所も見る。
- 背中や頭皮など見えにくい場所は、鏡を使うか、家族やパートナーに見てもらう。
- 新しいしみや、前からあるほくろ・そばかすの変化がないか確かめる。
自分の肌のふだんの状態を知っておくと、変化に気づきやすくなります。メラノーマの多くは、本人やパートナー、家族が見つけています。
医師に診てもらう
- 気になるしみや変化があれば、GP(かかりつけ医)に相談する。GPの探し方は「GPの探し方と受診の流れ」にある。
- 医師がほくろやリスク、病歴について質問する。
- 下着をつけたまま服を脱ぎ、頭皮・手のひら・足の裏・爪・口の中を含めて全身を見てもらう。拡大鏡とライトのついた器具を使うことがある。
- 気になるしみがあれば、医師が取り除くか、一部を取って検査(生検、biopsy)に出す。皮膚科専門医(dermatologist)に紹介されることもある。
- 結果の説明を受ける。問題がなければ、次にいつ受診するかを医師に確認する。
検査のどの部分についても、同意するか断るかは自分で決められます(インフォームド・コンセント、healthdirect)。
受診の目安
healthdirectは、メラノーマのリスクがある人について、3か月ごとに自分で肌を見て、6か月ごとに医師の全身チェックを受けるよう案内しています。
費用
(Medicare)のカードがあれば、医師の診察料の一部または全部がカバーされることがあります。専門医に紹介された場合は、自己負担がいくらになるかクリニックに確認するよう案内されています。メディケアの対象者は「メディケアの対象者と登録」にまとめています。
ここに注意してね!
- healthdirectは、スマートフォンのアプリで皮膚がんを調べることは勧めていません。正確ではないためです。
- 皮膚がんの予防として、服を着る、日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、日陰に入る、サングラスをかける、の5つが勧められています。くわしくは「日差しと紫外線対策」の記事で扱っています。
- がん協会の案内では、肌の色がとても濃い人は皮膚がんのリスクが低めですが、日差しへの注意は必要です。目の傷みは肌のタイプに関係なく起こります。
- 皮膚がんと診断された人や家族は、がん協会(13 11 20)に相談できます。通訳が必要なときは、通訳翻訳サービス(TIS National、13 14 50)を通して皮膚がんの情報を聞けると案内されています。
この記事をシェアする