日本人のためのオーストラリア情報
自然・安全 / 動植物

タスマニアデビル(Tasmanian Devil)

旅行ワーホリ留学在住駐在 タスマニア州
ひとことで言うと

タスマニアデビルは、今いる肉食の有袋類で世界最大の動物です。野生ではタスマニアだけにすみ、夜に動物の死がいなどを食べて歩き回ります。顔にできる伝染性のがん(デビル顔面腫瘍性疾患)で数が減り、州と連邦の法律で絶滅危惧種に指定されています。

目次
  1. どんな動物か
  2. 日本との違い・注意点
タスマニア南部で口を開けるタスマニアデビル
Photo: Michael Jerrard / Unsplash

どんな動物か

タスマニアデビル(Tasmanian devil)は、袋で子を育てる有袋類です。タスマニア州の天然資源・環境省(Department of Natural Resources and Environment Tasmania、NRE Tasmania)のページ(新しいタブで開く)では、今生きている肉食の有袋類で世界最大とされています。

体の特徴

項目内容
見た目がっしりした低い体に、大きく幅の広い頭と、短く太い尾。毛はほとんど黒で、おしりや胸に白い模様があることが多い
大きさ大きなオスは体重12kgまで、肩の高さ約30cm
寿命野生で6年まで

すむ場所

オーストラリア博物館(Australian Museum)のページ(新しいタブで開く)にあるように、タスマニアデビルはかつてオーストラリア本土にも多くいたことが、化石からわかっています。本土では3,200〜3,500年前に絶滅したと考えられています。今はタスマニアの海岸から山まで、隠れ場所と食べ物がある場所に広くすんでいます。バス海峡の島々にはいません。

暮らし

  • 夜に活動:夜行性で、昼は巣穴や深い茂みに隠れています。食べ物を探して、決まった道を最大16kmも歩き回ります。
  • 食べ物:主に動物の死がいを食べますが、狩りもします。強いあごと歯で、骨も毛も残さず食べます。ワラビー、ポッサム、ウォンバットなどの在来の動物が好物で、小さな哺乳類や鳥も食べます。
  • 大きく口を開けるしぐさ:タスマニアデビルが大きく口を開ける姿はこわそうに見えます。しかしNRE Tasmaniaは、攻撃するためというより、こわさや不安から出るしぐさだと説明しています。

子育て

交尾はふつう2月〜5月で、妊娠期間は21日です。一度に最大40頭の子が生まれます。母親の袋には乳首が4つしかなく、袋に入れる子は最大4頭です。子は乳首にしっかりつかまったまま、約4か月を袋の中で過ごします。生後10か月ごろに乳離れし、2年目の終わりごろから繁殖できるようになります。

ここに注意してね!

  • 絶滅危惧種:タスマニアデビルは完全に保護されています。2008年5月にタスマニア州の絶滅危惧種保護法(Threatened Species Protection Act 1995)で、2009年5月に連邦の環境保護・生物多様性保全法(EPBC法)で、それぞれ「絶滅危惧(Endangered)」に指定されました。
  • デビル顔面腫瘍性疾患:近年、最も大きな脅威になっているのが、デビル顔面腫瘍性疾患(Devil Facial Tumour Disease、DFTD)です。オーストラリア博物館の説明では、顔に腫瘍ができる命に関わる病気で、これまでに記録された数少ない「うつるがん」の一つです。かみ合うことでうつると考えられています。
  • 夜の運転:タスマニアデビルは夜に道を歩き回ります。夜の運転では「動物との衝突に注意」も参考にしてください。けがをした動物への対応は「けがをした野生動物を見つけたら」で扱っています。
  • 見るときは:野生の動物は離れて見るのが基本です。ルールは「動物とのふれあいのルール」にあります。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

自然・安全オーストラリアの動物(Native animals)オーストラリアの哺乳類の80%以上は、ほかの国にはいない固有種です。卵を産むカモノハシとハリモグラ、袋で子を育てるカンガルーやコアラなど、珍しい動物が多くいます。野生の動物は保護されており、国立公園では見るだけにして、えさを与えないことが求められています。自然・安全ウォンバット(Wombat)ウォンバットは、ずんぐりした体で地面に巣穴を掘って暮らす有袋類です。オーストラリアには3種がいて、最もよく見られるのは南東部の森林にすむヒメウォンバット(Bare-nosed Wombat)です。一生の約3分の2を巣穴で過ごし、主に夜に草を食べます。自然・安全けがをした野生動物を見つけたら(Injured wildlife)けがや病気の野生動物、親とはぐれた子どもを見つけたら、まず自分の安全を確かめ、州・準州の救護窓口か近くの動物病院に連絡します。ヘビ・コウモリ・海の動物には触りません。野生動物を自分で飼うことは認められていません。州ごとの公式の窓口を表にまとめました。観光動物とのふれあいのルール(Wildlife encounters)オーストラリアの国立公園などでは、野生動物にえさをやることが法律や規則で禁止されています。違反すると罰金の対象になる場所もあります。野生動物には触らず、距離をとって見るのが基本です。動物にさわったりえさをやったりしたい場合は、それが認められた動物園や野生動物公園を利用します。車・運転動物との衝突に注意(Wildlife collisions)カンガルーなどの野生動物は夜明けと夕暮れに道路へ出やすく、地方の道路では衝突事故が起きています。動物を見たら速度を落としてまっすぐブレーキをかけ、急ハンドルは切りません。けがをした動物を見つけたら、自分で抱えず、州・準州の窓口や野生動物の救護団体に連絡します。地域ガイドタスマニア州(Tasmania、TAS)オーストラリア本土の南にある島の州で、州都はホバートです。2021年国勢調査の人口は約56万人で、そのうち約25万人がホバート都市圏に住んでいます。日本の総領事館はなく、在メルボルン日本国総領事館が担当し、ホバートで領事出張サービスを行っています。観光タスマニア原生地域(Tasmanian Wilderness)タスマニア州の南西部を中心に広がる、世界有数の温帯の原生地域です。1982年に世界遺産に登録され、クレイドル・マウンテンなど複数の国立公園を含みます。入園にはタスマニアの公園パスが必要で、地域全体でたき火が禁止されています。観光クレイドル・マウンテン(Cradle Mountain)タスマニア州の世界遺産「タスマニア原生地域」の中心にある山で、氷のように冷たいダブ湖とともに知られます。湖を一周する6kmの歩道が人気です。入園には公園パスが必要で、シャトルバスの運行時間中は自家用車で公園内に入れません。